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今までに読んだ震災関係の本はおよそ“良い話”でしたが、本作は影の部分にもスポットが当てられている、という印象。火事場泥棒や、被災者によるボランティアスタッフへのセクハラなど、読んでいて嫌な気分になるところも多々。また、凄惨な現場の描写も読むのがとても辛い。
けれど、どれも目を背けてはいけない現実なんでしょうね。
そうした点で必読感はあるものの、本作の非常に残念な点は、報道する側の人間は時として被災者の意向に反して傷ついた現場の状況を写真に納めたりレポートしなくてはならないことを、「もっと酷いことをしてる(一般の)人がいる」と言い訳していたこと。
そこは罪悪感を持ちつつも、言い訳すること無く使命感を優先させて断行して欲しいところ。言い訳するくらいなら、そんな仕事止めちまえと思っちゃうわけで。
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free journalist・石井氏がtsunami・hit area (not nuclear disaster)を取材してまわった手記である.
”とても悲しいこと”や,”とても美しいこと”, とても”これでいいのか!”etc.のみを伝えるNHKの大越さん的なレポートの対極みたいなもの.
”こういう状況になったら,たぶん自分もこうなるよね”というものが多い.→for example, 被災地では食糧に困ったordinary peopleが,コンビニとかに入って必要なものを(まあ)盗ったと.あと,肉親を失った人たちが妙に躁になったり.ふだんから不仲だった嫁しゅうとめで,今回のどたん場でどうも嫁さんが義母を見殺しにしたんじゃあないか?という話. そうかとおもうとボランティアが壊れた家のまえで笑顔で記念写真とって被災者の怒りにふれるとか,ぎゃくに被災者のおっさんがボランティアのお姉さんにセクハラしましたとか.
かっこいい自衛隊員に,めんたまハートマークになってしまった若い女性→”何なんだよ,いい気になんな,すぐに引き揚げるくせに!”と怒る男性住民,等々. ――まあそれぞれ,ふつうの人間・ジャパニーズピープルのリアクションでしょう.
ところで被災者のすがたをあらゆる場面で容赦なく撮り続けるマスコミ諸君! 君たちにもやはり良心や葛藤はあったのだな.意外だったぞ! (見直したぞ,というとこまでは行きませんでしたが)
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東日本大震災被災地のルポ『遺体』の著者が、書ききれなかった部分を本書に記したものです。
報道されていない「負」の部分が分かります。
きれいごとでは片づけられない人間の感情がひしひしと伝わります。
痛いです。
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著者の別作品の「遺体」では東日本大震災を、遺体の処理を軸に書かれていたが、この作品では、震災をどう乗り越えたかという話のほかに、復興への失敗談なども読めて貴重だった。
避難所でのいじめ、暴力、
被災地での窃盗、
被災者とボランティアの方々との軋轢、無神経にはしゃぐボランティアの方など。
今後またどこかで自然災害が起きた時のためには、美談よりも失敗談を集めた方が今後の役にたつと思うので、
被災者、ボランティア、野次馬等のもっとトラブル事例に特化した本が出版されるといいのに感じた。
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テレビなどでは知り得ない当時の生々しい状況や人々の混乱を知ることができた。二度とこんなこと起こってほしくない。