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なんだかホンワカとあったかい話だった。
お年寄りの世界観と京極さんの独特の文体が妙にマッチしていた。
そうだよなぁ、人間永く生きているといろんなことがあるんだよなぁなんてウンウン頷きながら自分も気がつけばオジいサンにもう片足突っ込みかけてるのかなぁなんて少し寂しくなったりして。
自分もこれから迎えるであろう老後の生活を徳一さんみたいにきっちり受け止めて粛々と暮らしていきたいなぁと思った。
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「オジいサン」読了。72歳、公団にすむ善良でごく普通の独身オジいサンの一週間。グチとか卑下とか逡巡とか自戒とか。まだそこまでの歳ではないけれど、分かるなぁ。私の考え方は若い頃から年寄り臭いんだなぁ。京極夏彦はこんなのも書くのか。一緒に怒ったりクスクス笑いながら読んだ。
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評価低そうだなと思いながら読んでたらやっぱり周りの評価は低かった。
ただ、自分はすごく好きだ。
京極夏彦作品だと思うから、京極堂シリーズを想像してしまうから期待から外れるんじゃないだろうか。
とにかく出てくる人物がリアルすぎる。
下手に考えまくってしまう主人公が、考えたら一日終わってる感じ。
現実でも見る、たまに動きを止めてフリーズしてそうなおじいさんたちも、こういうことを考えてるんじゃないか、でも脳のクロックが落ちてるから如実にフリーズしてるように見えてしまうのではないだろうか、とか思ってしまう。
自分も行動する前や行動しながら「自分がなぜそれをしたのか」とか考えてしまうので、こういうジジイになってしまう気がする。
別にスカッとするとか、ドキドキするとか、そういうのはない。
裏表紙にも書いてあるとおり、ネタバレする内容すら特に無い、72歳の老人が粛々と暮らす一週間を描いているだけの小説。
老後を不安に思っている人じゃなければほんわかした気持ちになれると思う。もしくは途中で飽きるw
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幾ら京極夏彦マニアでもこれはさすがに辛い。 こうも内容の無いグダグダ話が続くと途中で読む気が無くなってくる。 どの作品も最後はなるほどなっと思うがそれまで読み進めるのが苦痛になってくる。 小説というかエッセイみたいな気がした。 まあこれぞ京極作品と言えばそれまでだがもう少し話自体に内容と言うかストーリー性が欲しかった。
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72歳、独り身、子供なし、現在は無職、公団住宅に住む年金暮らしの益子徳一の心のうちを、ほぼ徳一の呟きだけで作られた一冊である。京極夏彦にとっては稀覯作なのではないか?一章目の題目は「七十二年六箇月と一日 午前五時四十七分〜六時三十五分」という体(てい)で付けられており、ご丁寧にも見開きの毎頁左下には5時47分を示したアナログ時計の絵と共に「七十二年六箇月と一日」と記されている。
‥‥そうなのだ。益子徳一はアナログ人間で、2009年現在、地デジのせいで、田中電気の先代から買ったテレビが「見えなくなる」ことにどうしてもガッテンがいかない。いや、頑固な老人なわけではなく、得心がいかないことに従いたくないだけなのだと徳一は思っているのだが、どうもそれが「頑固だ」という事を理解していない老人なのである。徳一は几帳面な男だ。目が覚めたとき几帳面にも枕のカバー代わりの手拭いを替えたのはいつか、想いを馳せてしまう。ついでに加齢臭について呟き‥‥。そもそも何故そんなことを枕元で考え始めたかというと、自分が「オジいサン」と呼ばれた日がいつか、つい考え始めたからである。想いは次々と代わり、一分以内にはおそらく二つ以上のことをつらつら考えていたはずだ。
‥‥いや、認知症というわけではない。その証拠に一つひとつ記憶を辿っていけば、ほら思い出した。四日前の水曜日だ。そこまで思い出したのが六時五分。目が覚めてから十八分。
‥‥長い。一分が長い。一時間が長い。それなのに一日は短い。すぐに陽が暮れる。一年はあっという間に過ぎ去ってしまうというのに、四日前の出来事がまるで何年も前のことのようである。昔のことはよく思い出せるのに。近くが霞み、遠くが明瞭なのだ。
‥‥やはり益子徳一、認知症一歩手前か‥‥
という感じで、一冊延々と綴ったのが本書である。これを書いた時、京極夏彦46歳。まるで自分の体験を書いているかのようではあるが、これは紛う事なき「創作」なのである。いつものように装丁の組版も京極夏彦が担当し、フォントの大きさから、ページの最終行にどの文句がくるかまで、綿密に「計算」して文章を作っている。それに乗って、私も若いのにまんまと自らが老人になったような気分になって‥‥、いやその割にはあまりにも既視感ありありではないか。徳一と私と似たようなところが次々と出てくる‥‥、いやいや、未だ私は地デジの何たるかは知っていたぞ、いやあれはもう十二年前だから当たり前か、そうではなくて、ホラ、スマホをプラスチックケースの箱だという徳一を諭すことができるし、カセットテープは燃やせるゴミだということも検索して直ぐにわかったぞ、まぁ時代が12年もあとなんだからそんなに威張れないか‥‥、いや‥‥、いやいや、いかん、私も枕元で既に一時間近くこんなことを書いてるぞ‥‥
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大好きな京極夏彦の作品が読みたいなと思いこの本を読み始めました。
定年退職したおじいさんの1週間の日常を描いた作品。
ただ日々を暮らしていく益子徳一さん(72歳)。
ただただ読み進めていく。
とはいえ、京極夏彦作品。
何か事件が、、、起きない。
何も、起きない。
後残り数ページ、きっと何か起き、、ない。
あまりに何事もなく読了し、最後笑顔になっていました。
日々子育てに追われていたので、何事もない日常の話を読みながら自分の老後を想像しました。
老後はたくさん本読んだりゲームしたりのんびり楽しく過ごしていこうと、時間はたっぷりありそうだ、楽しみだと思いました。何事も起きなかったけど、心を落ち着かせる効果がある本なのかもしれません。
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読んでいて、若竹千佐子の「おらおらでひとりいぐも」が思い浮かんだ。孤独な老人の独白。「おらおら…」のお爺版だな。