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原田マハ氏のアート系の作品はハズレがない。
まさかの秘められた複雑な家族関係にはびっくり(@_@;)
ちょっと一輝が置いてけぼりなのが不満かな(笑)
樹の喋れない訳が悲しすぎるが志村の急死がなくてもよかったかも。
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なんとなく居心地が悪いというか、最期までストーリーに馴染めなかった感じでした。
まず前半は菜穂にイライラするし後半は視点が定まらず置いてけぼり感が。最後まで読んで表紙とつながるのですね。
京都の町の雰囲気や祭りの熱気は好きです。
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美術商の篁一樹は、身重の妻・菜穂を京都にやる。
京都で退屈した日々を過ごしていた菜穂だが、次第に京都の魅力を楽しむようになる。
そこで、白根樹という画家に出会い、大きな魅力を感じる。
一樹が夫として情けない。
菜穂は妻としてはいかがなものかと思うが、美術を見る目はすばらしいと思った。
ストーリーは、最後の最後にいろいろネタバレ?があるのだけれども、それはなくてもよいのではないかとも思った。
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読み終わって、え???なるほどそう来たか、でした。
主人公は、親が経営している画廊に勤める男とその妻。
男の目線と妻の目線で交互に話が進んでいく。
妻は、画廊の上客の娘で、何不自由なく育てられたお嬢様だった。
でも、ただの世間知らずのお嬢様だと思っていた妻は、とてつもなく大きな切り札を隠し持っていた。
ちょっと出来すぎ、というか、そんな偶然ってあるかなぁ?とは思ったけど、面白かった。
一気読みでした。
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なるほど。
最後まで読んで、表紙の絵に納得。
登場人物がセレブばかりで、ある意味ファンタシーな感じ。
雑誌連載だったのか、単行本で読むと少しくどい部分があるように感じた。
絵の表現が素晴らしいな。
まるで自分がその絵の前にいるような気持ちになってくる。
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キュレーター経験のある原田マハさんならではのアート小説。
「楽園のカンヴァス」に匹敵するぐらい 面白かったです。
京都を舞台に四季折々の古都の風情が鮮やかに描かれ
画壇のややこしい裏側もおりまぜ 飽きさせぬ展開の速さで
ぐいぐい惹き込まれていきました。
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読了。"一枚の絵が、ふたり~を動かし始める"…納得の書帯のフレーズ。古都の四季と風習・行事の移ろい、土壌に根を張る画壇・画商、旧家・名家の慣わしさえ少々セレブながらも見事に美術品仕立て。急速に動くラスト…彗眼の才、そして画才、其々を有する二人の交わり…京女の血も受け継がれる♪。
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原田マハらしさ満載の新作は、舞台は京都。
色濃い緑や祇園さんの山鉾巡行は、その情景がありありと目に浮かぶよう、さすがの描写力。
一枚の絵を通して、すべてが豹変していく。
装丁の絵に、隠された秘密あり。
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原田マハさんの美術にまつわる著作は発表されるたびに毎回楽しみに読んでいます。
いつもは絵を描く側とその関係者が中心人物だが、今回は、絵を見て選ぶ側、評価する側が主要人物となっている。
京都の四季折々の美しい風景や伝統ある祭に、日本画の描写がマッチしていて、そこにあるべき日本の姿を見ているような、そんな気分にさせられる。
ミステリー要素もあり、明と暗を分けるような意外な結末を迎えていて、ストーリーとしては申し分なく面白かったと思うんだけど、登場人物(主人公も含めて)がどいつもこいつも自分勝手な奴らばかり(笑)私利私欲に駆られる人間の醜さを嫌と言う程に見せつけられた気がする。
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久々に読み応えのある厚さで、良いストレス解消に。
前半が割とのんびりペースで、間に合うのか?と思うぐらいでしたが、
後半の巻き返しが早すぎて、ちょっともったいない感もありつつ…
作者の得意分野がお題だと、その世界観もじっくり楽しめるので、
次に(我が家で)控えている作品も楽しみです。
2015/5/3読了
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日本画の描写が生き生きとしていて、目に浮かぶようです。絵の仕事をしていたことがあるので、作家を売り出したり個展を開いたりする場面がリアルで面白かったです。菜穂さんの審美眼は大したもんだな、と思う一方で、金持ちのお嬢さんの意固地も感じられ若干鼻につきました。かつての森瑤子の小説を思い出しました。作者の新境地でしょうか。すごい作家の作品をなんとか世に出したい、という気持ちはわかりますが、それを自分の手で、というところにおこがましさも感じられました。
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装丁が見事。読後、本を閉じて、表紙を見た瞬間、背筋がすっとなった。
作品としては、最後の駆け足がやや残念。もう少し軟着陸でもよかったのでは。
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この作者のアートにまつわる小説は清々しい印象のものが多いのですが、お金持ちや高級画商が主役の本作は、少し不快感を感じながら読ませてもらいました。アートにお金持ちのパトロンは欠かせないのはわかりますが、本作の登場人物はそれぞれ鼻持ちならないひとたちだなあというのが感想です。
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長編でしたが、あっという間に読めました。
後半に行くにつれて、少しミステリーの様な事実が次々と出てきて、それが繋がっていきゾクゾクしました。
ここからはネタバラシになりますが、まさかの父違いの姉妹、そして殺人現場の目撃、そしてもしかしての殺人だったのか…
樹の絵に引き寄せられたのも、血の繋がりだったのかなぁ…奥深い。
本当に面白かったです
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2015.6.29.東日本大震災後の原発事故からの放射能を恐れる妊娠中の菜穂は、家族からの勧めもあり京都に一時避難する。菜穂は資産家である有吉不動産の経営者を父にもち、美術に造詣が深かった祖父のコレクションを扱った有吉美術館の副館長だった。夫、篁一輝は有吉美術館と懇意である銀座たかむら画廊の経営者の息子でたかむら画廊の専務。元々は有吉美術館の館長で菜穂の母である克子がたかむら画廊の上客でありそこからできた縁談だった。妊娠初期の不安定な精神状態に加え、東京から切り離されますます気が塞ぐ菜穂に光明が差したのは京都の老舗画廊、美のやま画廊で見つけた小品『青葉』だった。その絵の作者はまだ無名の白根樹。菜穂は魔法にかかったようにその画家の作品にのめりこんでいく。そして、その感情に比例するようたかむら画廊と有吉不動産の経営は危機に瀕し、夫一輝との関係も冷え込んでいく。
すごく面白かった。単に裕福なワガママ娘と思っていた菜穂への印象が結末、ガラリと変わった。芸術に対する感覚が研ぎ澄まされた菜穂と白根樹との出会いは偶然じゃなかったんだなあと思った。母、克子は最後まで俗物、夫の一輝はいい人だけど平凡で、平凡って罪になるのねと思った。画廊や画壇についての記述が大変おもしろく、また、美術館に行きたくなった。京都が舞台の作品はあまりに京都を意識しすぎて地元民としてはちょっと鼻に付くのだが、これを読んでいて私の知らない深い京都があるのかもしれないと逆に思った。