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大自然の中で一週間を過ごすセラピーキャンプ。海賊伝説が残る無人島でパソコンや携帯電話から隔離され、心と身体のバランスを取り戻す。
島に渡ったのは主催者二人を含めた七人の女。だが事情を抱える参加者同士がいがみ合い、いやな雰囲気が漂う。そして主催者の一人が死体で発見された。本土とは連絡がつかず、さらに犠牲者が……。
警察官であることを隠し、親友と参加していたゴッドランド島犯罪捜査官マリアにも魔の手が伸びる。
訳者あとがき=久山葉子
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残念ながら、ミステリーとしては完成度が低いと思う。
登場人物の背景や関係が分からないのは、シリーズ途中ということでやむを得ないが、ミステリー単体としても中途半端感が拭えない。
まず、メイン舞台である孤島までが無駄に長い。着いてから事件が起きるまでの経過もおかしい(そういう人間の集まりだが、言動が突拍子もない)。孤島以外のエピソードが散見していて(どれがどこまで重要かは読んでいる途中では分からない)、どこに焦点を当てていいのか分からない。グループのメンバーが減った時の緊迫感はあったが、孤島からの帰還後は犯人そっちのけで別のエピソードに焦点が移ってしまい、まさかのボヤけたエンド。犯人から事件が語られることも警察が真相を詳らかにすることもなく肩透かしを食った気分。
まるで活躍しないヒロイン(仮にも警察官なのに)に、計画的なのか雑なのか、今ひとつ何をどうしたかったのか分からない犯人。ミステリーを読み慣れている人には、犯人の目星は早々についてしまうと思う。折角の舞台設定を活かせていない残念なミステリー。
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嵐の孤島とくればまず頭に浮かぶのが「そして誰もいなくなった」。
同じ女流作家の手から生み出される物語ということで、多少期待値が高かったのかもしれないけどこれはないよなぁ。
5W1Hのうち読者に明示されるのはWhoだけで、続いてWhyが薄ぼんやりと。これ、あかんでしょ。
前作もビックリするような真相だったけど、まだ真相が明かされただけマシだったのか…。
女のドロドロした関係はあるあるで読めたんだけどなぁ。
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スウェーデン、ゴットランド島、マリア・ヴェーンシリーズ2作。今回はゴットランド島よりさらに小さなゴッドスカ・サンド島へ、セラピーグループの一員として参加する。
ミステリーというよりサバイバル小説。無人の島に平気でキャンプするわりには、準備とか下見が雑で、つっこみながら読む。この小説の登場人物って絶えず不平不満で胸がいっぱいなのかな。
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スウェーデンの女刑事シリーズ物だった。しかし言われなきゃ気付かない。しかも最後の最後犯人と対決するまで全然刑事物っぽくない。大半が、友人の連れとして無人島セラピーツアーに参加する話。ついた途端嵐になり、主催者のセラピスト失踪、確保してた食料などなくなり、携帯はツアーの主旨で携帯できなかった。そんな中、1人1人死ぬ。実は作為的に参加者は集められ、苦しめるためにもう一人の主催者が計画したのだった。結構人物はよく書けてるが、主人公の魅力が全く伝わらなくて。でも何か気になるから別の作品も捜してみようと思う。
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スウェーデンの作家「アンナ・ヤンソン」の長篇ミステリ作品『死を歌う孤島(原題:Inte ens det forflutna)』を読みました。
「アンナ・ヤンソン」作品は、2年前に読んだ『消えた少年』以来なので久しぶりですね… 北欧ミステリが続いています。
-----story-------------
無人島でのセラピーキャンプ。
参加した七人の女が一人、また一人殺される……
大自然の中で一週間を過ごすセラピーキャンプ。
無人島でパソコンや携帯電話から隔離され、心と身体のバランスを取り戻す。
島に渡ったのは主催者二人を含めた七人の女。
だがそれぞれ事情を抱える参加者同士がいがみ合い、いやな雰囲気が漂う。
そして主催者のひとりが死体で発見された。
本土と連絡がつかない中、さらに犠牲者が…。
親友と参加していた「マリア」にも魔の手が伸びる。
ゴットランド島犯罪捜査官「マリア・ヴェーン」シリーズ。
訳者あとがき=「久山葉子」
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女性警官「マリア・ヴェーン」を主人公としたシリーズの第9作… 本国スウェーデンでは15作が刊行されているらしいのですが、その中でも本作品は著者のイチバンのお気に入りとのことなので期待して読みました。
物語の舞台は、北欧の伝説息づく風光明媚なゴットランド最北のフォーレー島から約40kmのところに位置するゴットスカ・サンド島… ゴットランドの砂の島という名前の通り、行政上はゴットランドに属し、島の大部分が砂でできているという珍しい島のようです、、、
長さ8km、幅5kmの小さな島で、珍しい植物や虫、渡り鳥が見られ、アザラシが群生することから国立公園にも指定されている美しい島ですが、その一方で、昔から海賊や悪党の根城とも噂されたミステリアスな場所でもあるようですね。
中世の面影が色濃く残るゴットランドの中心地ヴィースビュー、町を取り巻く城壁には、現存するだけでも27の塔がある… そのうちのひとつ、皇帝(カイサーン)の塔は、1680年代より牢獄として使われており、有名な難破船荒らしの「ゴットペリ」をはじめとする多くの罪人、そして無実の罪を着せられた人々が閉じ込められ、拷問を受けた場所だ、、、
ある日、その近くに住む少年「エリック・ハンソン」とある少女が、この牢獄塔に入り込み、出られなくなってしまう… 暗闇の中で怯える二人は、偶然、「ゴットペリ」の宝の地図らしきものを発見する。
その30年後、大人になった「エリック」が道路脇の雪だまりの車の中で死んでいるのが発見された… そして、無人島のセラピーキャンプに集まった7人の女性たち、、、
そこには女性警官「マリア・ヴェーン」の姿もあった… それぞれに個人的な事情を抱えた女性たちが、他に人がいないはずの島で、ひとり、またひとりと不可解な死を遂げる。
セラピーキャンプの主催者「エヴァ・スタルク」が頭部を斧のようなもので頭部を割られ、その後、「マリア」の親友「カーリン・ベングトソン」が錯乱状態となった後に行方不明となる、、、
仲間内に殺人鬼がいるのか? 彼女らはお互いを疑い��める… それとも、このゴットスカ・サンド島を根城にしていた難破船荒らし「ゴットペリ」の亡霊の仕業なのか? そして、「ゴットペリ」の財宝は本当に存在するのか?
島から脱出するために救助を呼ぼうにも、携帯電話は行方不明… 何者かが変電器を壊したため、電気もなく、水道から水も出ないという状態、、、
1週間分の食料も、嵐で大半がダメになり、残りも何者かに奪われてしまう… 迎えの船がくることになっているのは1週間後だが、海が荒れればそれも延期になる。
殺人鬼に殺されるかもしれないという不安の中、自分の力で食料と水を手に入れて生き延びなければならない状況に追い込まれ、残る5人は疑心暗鬼になりながらも共同生活を続ける… しかし、「ヴィクトリア・レンベック」が斧のようなもので襲われて重傷を負った後に浜辺の砂に飲み込まれて死亡し、セラピーキャンプの共同主催者「レーナ・マリー・ヴィリエン」が井戸に落ちて死亡、、、
「マリア」の他に生き残ったのは、当初から馬が合わずいがみ合っていた「イルマ・ウルベリー」と「ロシータ・ベック」だったが、3人が眠っていた小屋が放火され、生き残ったのは、火傷を負った「マリア」だけ… しかし、島には他の人物の気配が。
残忍な事件の首謀者は、行方不明となった親友「カーリン」の犯行なのか?
その頃、「マリア」の上司「トーマス・ハートマン」と、「マリア」の元同僚「ペール・アーヴィッドソン」は、キャンプ参加者が何らかのカタチで「エリック」と関わっていたことに気付く… 脱出不可能な無人島を舞台に、絶対絶命のピンチに追い込まれた「マリア」の運命は!?
「アガサ・クリスティ」の『そして誰もいなくなった』を思わせる、脱出不可能な無人島を舞台としたミステリでしたね… 錯乱状態になった「カーリン」の言動は、相当怪しいのですが、読む側の立場としては、実際に死体を確認できていなかった「ヴィクトリア」と「レーナ・マリー」に疑いを向けてしまいますよね、、、
真犯人については触れませんが… 真相は予想に近い感じでしたね。
セラピーキャンプに参加した女性たちが不満をぶつけあい、いがみ合う醜悪な場面が印象に残りましたね… 人間のドロドロした本性の部分を、オブラートに包まず、ストレートに伝えたいという作者の気持ちの表れかな、、、
それにしても、「マリア」は、武器もなく、支援もなく、気力・体力ともにボロボロの中で、良く生き延びましたねぇ… 家庭のある「ペール」との恋愛については、全く共感できないのですが、無人島で孤独に見えない敵に立ち向かう姿には共感しました。
以下、主な登場人物です。
「マリア・ヴェーン」
犯罪捜査官
「ペール・アーヴィッドソン」
犯罪捜査官。マリアの元同僚
「トーマス・ハートマン」
犯罪捜査官。マリアの上司
「クリステル」
マリアの元夫
「エーミル」
マリアとクリステルの息子
「リンダ」
マリアとクリステルの娘
「レベッカ」
ペールの妻
「カーリン・ベングトソン」
マリアの親友
「ユリウス」
カーリンの夫
「エヴァ・スタルク」
セラピーキャンプの主催者
「レーナ・マリー・ヴィリエン」
エヴァの友人。キャンプの共同主催者
「イルマ・ウルベリー」
キャンプの参加者
「ロシータ・ベック」
キャンプの参加者
「ヴィクトリア・レンベック」
キャンプの参加者
「エリック・ハンソン」
車の中で死んでいた男
「アダム・コサック」
裁判中の犯罪者