紙の本
子どもはみんな問題児=”親はみんな問題児だった”
2015/06/02 14:24
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:めだかの兄弟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに惹かれて手に取ると、著者は、絵本の「『ぐりとぐら』シリーズ」(他に著書多数)の作家であることを知り、驚いた。「みどり保育園の主任保母」に勤めたことで、目の前にいる子どもたちを何とか喜ばせたいと、おはなしを作ったのがきっかけで作家になったという。だが、目指したのは「日本一の保育をすること」だった。本書は、十七年保母をして知った子どもの姿、子どもから無我夢中で教わったことを綴ったものだ。著者いわく、「子どもはみんな、問題児というのが私の持論です」と。「よい子」でも「賢い子」でも「聞き分けのいい子」でもない「子どもらしい子ども」のこと。「子どもらしい子どもは、ひとりひとり個性がはっきりしていて、自分丸出しで堂々と毎日を生きています。それで大人から見ると、世間の予想をはみ出す問題児かもしれません。だからこそ、かわいいのです」と。
●1 お母さんが知らない、保育園での子どもたち
●2 「りえこせんせい」が子どもたちに教わったこと
●3 子育ては「抱いて」「降ろして」「ほっといて」
●4 本は子どもと一緒に読むもの
●5 いいお母さんって、どんなお母さん?
《1:どの子もすばらしい問題児》のお話に、著者は、教え子のケンちゃんと、二十数年ぶりの再会。ケンちゃんは、保育園にいたときに、絶対行ってはいけない決まりになっていた沼に、一人こっそり見に行っていたという告白をするのだが、私自身、小1の頃、遊んではいけない川に入り、溺れかけたことを思い出した…。好奇心旺盛で元気いっぱいの「問題児」ならいいが、著者の言うように《ケガや命にかかわる危険は叩いてでも教える》ことは大切だろう。実際に、川で遊んで溺れかけて怖い思いをし、さらに母親にこっぴどく叱られて以来、二度と川に行くことはなかったのだから。
著者は、子どもは、「損得勘定をしないし、手抜きやいいふりもしないし、見栄も張りません。けっこうプライドもあって、恥も知っているし、紳士協定などもきちんとやっています。(中略)だから子どもは偉いなあといつも感心しているのです」と。そして、「大人には取るに足りないようなつまらないことでも、子どもの心は傷つきます。もし傷つけたらすぐに手当てをしてください。心の傷の回復は、肉体の傷よりもやっかいで難しいのですから」など、ハッと気づかされる言葉が満載のなか、「子どものおしゃべりには、その子の願いや不満が現れているものです。聞き捨てにしないで、聞いておくこと」は、娘たちによく<話を聞く気がないでしょ>と怒られることがあるので耳が痛い言葉…。気をつけなければ…。
タイトルの見方を変えれば、“親はみんな問題児”であった。子ども時代の自分自身の問題児ぶりを懐かしく振り返りながら、<子どもの成長に大切なこと>、<子育てできる喜び>を再認識。改めて、子どもを育てることの幸せを実感できる1冊であった。
紙の本
見方を変える
2015/09/06 08:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ともだち - この投稿者のレビュー一覧を見る
悪いところばかり捜してしまうけれど、見方を変えて子どもに接することの大切さを知りました。子育てが楽しくなります!
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仕事用に
2021/09/22 23:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:n - この投稿者のレビュー一覧を見る
保育の勉強として購入しました。
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短いコラムが45編。
タイトルをみるだけでもほとんど読んだ気になれるし、2-3分あればひとつ読めて、順番に読んでも、タイトルが気になるものからつまみ食いしてもいい。山脇百合子さんのおなじみの装画の小さくて軽い本なのでかばんのなかに入れて持ち歩いてもいい。いそがしい現役おかあさんや保育関係者が隙間読書するのにぴったり。
巻末には中川さんの全作品リスト付きで傘寿記念出版ぽい。
こまごました焦りや悩みは御無用、とりあえず入学前の子どもはかわいがってさえいれば、衣食住を整えてたくさん遊んだり絵本を読んだりしておおらかに暮らしを楽しんでいればだいじょうぶよ、というエール。
とはいえ、子育ては甘いものじゃない、外見はなりふり構わなくてもいいけど、世の中には関心を持って(選挙にはちゃんといって)自分の健康管理は怠らなず、学ぶ心を忘れずに、としめくくりでしっかり釘もさしてる。
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『いやいやえん』や『ぐりとぐら』など、子どもたちに愛され続ける本を送り出した中川李枝子さんによるメッセージ集です。肩に力を入れて子育てに疲弊してしまっている親たちにぜひ読んで欲しいなと思います。子どもたちが子どもらしくいられるように、そこを保証することが人間としての能力を最大限に伸ばす鍵なのだということ、遊びの中から想像力は養われるということなどを、短い文章で簡潔に伝えてくれています。とくに子どもと本に関する第4章「本は子どもと一緒に読むもの」は、児童サービスにかかわる方には読んでおいて欲しいと思います。フロアーワークやカウンターで保護者に聞かれる質問に答えるヒントになることでしょう。
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子育ての悩みや不安な気持ちが、少し解消されました。
17年間保育士をされていた筆者が、自身の体験に基づいて、子供の気持ちとどう向き合っていけばいいかを指南されています。
「あー、そうだそうだ」と思う部分もあれば、「うちの子はそうでもないかな」と感じるところもありました。
子供によって千差万別。自分にはない考え方の部分を参考にさせていただきました。
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偏見だと思うが、幼児教育方面には確信に満ちて語る方が多いような気がする。どういうわけか。そしてわたしはそういうのがちょっと苦手。「ぐりとぐら」の中川李枝子さんは保母さんだったそうで、やっぱり確信に満ち満ちた語り口。でもさほどに抵抗がなかったのは、あのほのぼのとした絵の力かなあ。
「ぐりとぐら」にはずいぶんお世話になった。「すごく大きいカステラを焼く」っていうのが、もう本当に魅惑的で、絵本のオールタイムベストがあるなら(どこかでやってそう)トップの座を争うだろうな。
特に整理された話ではなく、説教臭い感じもするけれど、さすがにうなずけるところもある。「子育ては『抱いて』『おろして』『ほっといて』」なんて、いい言葉です。腕の中に抱いて密着して過ごす時期が、まあそりゃ大変ではあるが(いやまったく)、親子の黄金時代なのだよねえとつくづく思う。
子供が幼かった頃を振り返ると、もっとかまってやれば良かったなあと悔やむ気持ちになる。「あとでね」とか言わないで、片付けや洗濯なんか後回しにして遊んでやったらよかった。こういうことを思い出すとキリがなくて結構胸が痛む。でも一つだけ、これだけはやったなあと思うのが、絵本を一緒に読むこと。いくら自分も好きだとは言え、同じのを際限なく読むのはめんどくさかったけれど、これは頑張ったと思う。その記憶がずっとわたしを支えてくれている気がする。
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読みやすくって、1日で読んじゃった。
元保母さん視点の、押しつけがましくなく、読んでいて肩の荷が下りる文章ながら、ちょっと背すじがピッとするという面白い本でした。
カーチャン生活、適度な緊張感をもちつつ、子供と楽しくやりたいね。
何度も読み返したいです。
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2015.7.24
こどもにも自分の世界がある。その世界を尊重して、一緒におもしろおかしく味わさせてもらおう。お母さんが大好きなんだ。そんなおかあさんなんだ、私は。それに応える言葉、態度、気持ちの向け方をしていこう。絵本で想いを伝える。自分一人では子育てなんて到底できない。人生に大事なことは絵本の力を借りて、一緒に読んで感じて学んでいこう。これだけ、忘れないように。
2020.3.6
再再読。お母さんでいることを武器に。先頭に立ってものすごいことをしているんだから。そこは堂々としておく。今の時期を大事に育てていきたい。
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出産祝い何がいいかな、という時にこれ!産休育休とって保育園に子供を預けて職場復帰。想像できないことだらけで不安もあって。
自分の時に読んでいたら、少しは救われたんだろうか。それとも今子供が成長し少しは楽になったからこそそう思えるのか。
子供に対する温かい目線を取り戻すいい言葉。子どもはみんな問題児。疲れてぶつかってイラっとした時には開いてみよう。
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なんかありのままでいい。愛情が伝わってればいい。子どもはみんなわかってるよと背中をポンポンしてもらった気分。教育熱心じゃない母にはなんだかありがたい本でした。
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1時間でいっきよみ。
・保育園は親が働いているから行くのではなく、自分が行きたいから行くところ。うちなんかに閉じこもっていられない。何より遊び相手がいる
・子供の話はうそじゃない。本当。想像のなかで堪能している。
・注意するときは「そんなことをしたらお母さんが悲しむでしょう」が一番きく。
・なかなか遊べない子は想像力がどうも乏しい。
・お母さんは日々穏やかな気持ちでいればいい。
・何よりも子供の「心」を大事にする。
・子供は人に関心を持つことが大事。家に閉じ込めない。人を頼り、人に頼られ、人の間にいて人になる。お互い様です。それが自然で当たり前。自分はほんとうに大事な存在であり、自分以外の人も皆大切な存在なのだ。
・急をようする危険な行為には「これっ、いけません」とにらみ「おててピン」「あんよピン」。ごく軽くさわる程度にたたく。
・読み終わったら「おもしろかった?」と聞くのはヤボ。「もういちどよんで」と言われたらしめたもの。
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首もげるくらいうなづきまくってる。
1文目からもう最高。
お母さんたちにもお父さんたちにも、同業のみなさんにも是非読んでもらいたい、幸福な一冊。
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タイトルにぐっと惹かれて、懐かしい絵本でみた挿絵に惹かれて、まだ母親ではないし、子どもに関わるお仕事をしているわけではないけれど、読みたいと思っていた一冊。
章ごとのタイトルに伝えたいことがぎゅっと詰まっているのですいすい読み終えてしまいましたが、深く心に刻みたいことばかり。
特に読書の大切さについてのお話は自身の子どものころを振り返っても頷けることがたくさんありました。
母親になる、ということに気負うことは何もなく、自身も社会に目を向けて、こどもを社会へ送り出すまでにたくさん一緒に本を読む。
母親のロールモデルがまた1つ見つかりました。
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1歳と4歳のパパです。
HONZの書評をみて昼休みにさっそく三省堂で購入。中川さんは、ぐりとぐらであり、となりのトトロの主題歌の作詞であり、いやいやえんの、あの中川さん。
保育園に預けている二人の子どもたちのことを本当によく分かってくれているなあ、中川さんはいないけれど、うちの保育園もきっと同じように見守られてるんだろうな、と思うと、もっと子どもたちとの今を楽しまなきゃな、と思うのでした。
あたたかい眼差しと観察力は the passionate obserber の昆虫学者アンリ・ファーブルにも通じるものを感じました。