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画家の夢を諦め老舗画材メーカーに勤めるアラサー女子・三央と、イケメンで大手広告代理店勤務のエリート営業マン・俊一の、王道ラブストーリー。
ヒロインがとても素直で、些細なことでも表情をころころと変えるのが可愛いです。
おっとりしていながらも生真面目な性格で、何事にも誠実なところに好感がもてます。
三央の描く油絵を中心にして物語が進むのですが、彼女は絵に対しても誠心誠意向き合っており、一生懸命なのが良かったです。
ヒーローの方はというと、初対面からしばらくは表情から感情を読み取れないミステリアスな男性です。
いつでもクールな姿勢を崩さない俊一にやきもきしますが、三央と過ごすうちに仮面が剥がれていくのにニヤリとできます。
物語が進むにつれて、少年の面影が浮かぶ俊一を見ることができ、楽しめました。
二人がアートに通じていることもあり、三央の絵のみならず様々な絵画が作中に登場します。
挿絵はないのですが、絵画に関する描写も相まって画面が色鮮やかで、最後まで飽きずに読めました。
文庫版には書き下ろし短編がありますが、こちらでは俊一が新たに描いた絵が出てきます。
お話の方も、本編からよりいっそうラブラブな二人を垣間見ることができました。