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遂に科学的知見はネタ切れか。代わりに、冒頭から興味深々の活劇・追撃戦の連続。
2016/12/12 10:25
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
遂に科学的知見はネタ切れか。代わりに、冒頭から興味深々の活劇・追撃戦の連続。出産間近のアメリカ大統領の娘;アマンダ・ギャント=ベネットがソマリア海で誘拐される。アマンダの生還を願い、秘密裡にシグマが作戦出動するが、何故かその行動は全て敵に筒抜けで、作戦は失敗。シグマはその責任を問われて閉鎖される。しかし、作戦失敗直後に、アマンダ死亡は敵の欺瞞工作だとの報告をグレイから受けたシグマ司令官ペインターはその事実を隠して独自の救出作戦を続行する。敵=ギルドへの情報漏洩を防止するためである。孤立無援の作戦を展開するシグマ隊員たちであるが、敵地に潜入したリサとキャスリン(キャット)は敵に捕らわれ、一方何度も危機を切り抜けながらドバイの敵地へアマンダ奪還のために潜入したグレイ、セイチャン一派も苦難の状況。ところが、上巻から下巻に差し掛かる辺りから、何故犯人一味がアマンダに拘るのかが、急速に進歩した医学技術と冒頭に出てきた「テンプル騎士団」の系譜とに関わる遺伝子学的なことにあるらしいことを示唆し始める。さて、上巻の中頃でギルドに通じた悪党が何と、ギャント大統領の兄で国務長官でもあるロバート・リー・ギャントらしいことが示唆されるが、下巻中頃でついにその正体を明らかにする。上巻後半から下巻にかけては危機また危機の読みだしたら止まらない展開です。何しろシグマ側は絶体絶命の危機に何度も陥り、活路を見出したと思うとすんなりいかずにまた危機にといった展開なのだから止められません。しかも、敵も国務長官:ロバート・リー・ギャントと読者に信じこませておいて、何とその裏に真の悪党が控えておりそれが何と大統領夫人テレサ・ギャントだったというどんでん返しもあり(P-362)。しかも、セイチャンが国務長官:ロバート・リー・ギャントの娘であり、母親は身を隠して生きているというおまけ付き。さて、遂に科学的知見はネタ切れかと思っていたら、何とこちらも不死の技術に関するネタ(三重螺旋構造のDNA,PNA、ヘイフリック限界など)や、ロボット工学に関するネタをしっかりと用意してあったです。ただ残念なのは、これで“ギルド“は実質的に壊滅したとなると、今後の展開が危ぶまれるが、そろそろシグマシリーズも終焉に近づいたのかな。
ところで、本作で注目される新登場人物でタッカー・ウェイン(元米軍大尉、ケインのハンドラー)と、ケイン(軍用犬少佐;タッカーの相棒)が実に魅力的である。当然、レギュラーメンバーになるのだろうと期待していたらあっさりと消えてしまった。アレ?と思ったら、何とこのコンビを主人公とした「タッカー・ウェイン・シリーズ」として既に2作目まで刊行が決まっており、シグマは彼らに協力する形で出てくると言う。また楽しみなシリーズの誕生です。
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あれ、これでギルドは終わりなのかな?
結構なあっさりした終わりかただったなぁ。
相変わらずスケールがでかくてスピーディー。
まさかセイチャンが真の血族だったとは。
モンクとキャットの夫婦が一緒に活躍するのが嬉しいから次刊も期待!!
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ギルドの目指すものとは? テンプル騎士団から現代まで世界を裏で操ろうとする組織の‥‥ううチョッピリ怖いです。
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アメリカ大統領の娘が誘拐された。妊娠中だった娘は何者かの警告を受けて逃亡中だったにもかかわらず、夫を殺され拉致される。誰が何の目的で? そしてシグマフォースとギルドの、存亡を賭けた闘いが始まる。
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ジェームズ・ロリンズによるシグマフォースシリーズ第7弾上巻。
前作のラストに明かされた衝撃の事実をより深く追っていくことになる物語は、ギャント大統領の娘が誘拐されるシーンで幕を開ける。なぜ大統領の娘が誘拐されるのか、娘は何におびえて偽造パスポートを使ってセイシェルまで逃げてきたのか。謎は深まるばかりだが、娘の奪還のためにシグマの面々が動き出す。
これまでのシリーズとは異なり、歴史的遺物を探索しながらの謎解きとアクションを織り交ぜた知的冒険小説というよりは、ギルドという組織とシグマとの全面対決に的を絞ったアクション大作といった赴きを呈している。その中にも当然作者らしい、現代のテクノロジーで実現可能なものたちが縦横無尽に暴れ回り、またはおぞましい科学の一面を暴露する。アクションシーンの裏側ではソマリアの海賊問題や少年兵の問題なども提起しており、単なる娯楽小説の枠にはまらない。
とはいえ、そこはさすがの作者で、説教臭くなく、面白くこれらの要素をうまく物語に昇華し、おなじみのキャラクターたちが活躍する舞台を整えている。新キャラクターのタッカーとケインのコンビも、本作ではなくてはならない役どころを演じており、物語にアクセントを与えている。
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先読みはいけないのだが、本作を読んでいるとシグマフォースの終焉が近づいているような気がする。僕であれば次回作が終焉なのだが、本作後に3作品あることからホッとする感はあるのだが、嫌みのような才能には嫉妬する。
合衆国大統領の娘とその孫が誘拐され、捜査に飛び込むシグマの面々。久しぶりに母親から隊員に戻り全線で活躍するキャットに立ち直りを見せる夫であるモンク。相変わらずのコワルスキの余裕たっぷりの面白さは健在だし、ペインターにリサにグレイも大活躍。
「ギルドの系譜」
なんといってもセイチャンの生い立ちの秘密が暴かれる!それにしても…ロリンズの作品は世界に存在する科学が発想となり物語が形成されている。正直読んでいるうちにフィクションなのかノンフィクションなのかわからなくなる時がある。常に思うのは世界のどこかで同じことが起こっているんじゃないだろうかということです。
物語りの始まりはテンプル騎士団の始めの9人の中の一人名前の記載されていない騎士の話から始まっていく。本当に頭の中が新しい血騎士で洪水です
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胎児が絡む人体実験はさすがに戦慄を覚える。そして今回は出来すぎ感のない展開で好印象。かなり不利な状況に追いこまれて、さあどうなる?
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読書録「ギルドの系譜(上)」3
著者 ジェームズ・ロリンズ
訳 桑田健
出版 竹書房文庫
p42より引用
“前に父の報告書か何かで、海外に暮らす
ヨーロッパ人の中には海賊という新しい事業
に金のにおいを嗅ぎつけ、支援と資金援助を
行っている者がいるという話を読んだ記憶が
ある。”
目次から抜粋引用
“海賊
天国と地獄”
機密部隊・シグマフォースの活躍を描いた、
長編アクション小説。シリーズ第七弾上巻。
十二世紀初頭、死体に溢れる戦場を、一人
の騎士が馬に乗り移動する。目的地の要塞へ
たどり着き、地下で待つ戦利品へと足を進め
た…。
上記の引用は、大統領の娘に起こった出来
事に関する一文。
昔、大航海時代にも、国が海賊を援助して、
他国の商戦を襲わせていたと、習ったような
気がします。今も昔も、人のやることはあま
り変わらないのかもしれませんね。
海賊ビジネスや臓器売買と、血生臭い現実
がテーマに使われていて、少し好みが分かれ
そうな話となっています。他人のはらわたを
奪ってまで、無理矢理生きるのは、いかがな
ものかと思いますが、そんな立場に立ってみ
ないと、本当の気持ちを知ることは出来ない
のでしょうね。
シグマフォースに最大の危機が訪れます。
下巻での展開が大いに期待される一冊となっ
ています。
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"合衆国大統領の娘がさらわれた。国家間の陰謀では無いようだ。では、なぜ彼女がさらわれたのか?妊娠していた子供は?謎が謎を呼ぶ。
今回は、不死についてが科学的テーマ。すでに人類は不死の技術を手に入れているというのだが・・・
下巻が楽しみ。"
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このシリーズ中、一番の作品です。
「対ギルド」の完結編らしいですが、お話しはまだまだ続くし、内容もひと段落でやれやれではないです。
あいかわらず、ノンストップのアクション展開であっという間に最終頁という感じ。
今回から、ケイン(犬)が初登場!!
タッカーとケインの外伝もあるとのこと、本編よりそっちだな。ケイン最高!
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とうとうギルドの歴史と真実に踏み込む場面まできましたね!
今回も遺伝子操作に関する内容。
家系図は遺伝子の歴史でもあるんですね〜。
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シグマフォースシリーズ。大統領の娘が誘拐された。大統領がシグマを救出作戦に指名しグレイ達がソマリアに向かう。新たなメンバー、ハンドラー・タッカーをチームに迎え入れ、追跡を始める。今度のテーマは遺伝子と不老不死、科学要素がメインで歴史要素は控えめになり、アクションが多めの本作では、とうとうギルドと決着をつける。最後まで一気に読めるエンタメ小説でした