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そう、頻繁では無いが、たまにシールを点数分集めると、ご希望の漫画を全巻差し上げます、って懸賞がある
私は自分で汗水垂らして働いて稼いだ金で漫画を買って読みたい派なのだが、そのポリシーをやや曲げてでも、懸賞で欲しい漫画が三作品だけある。何故かと言えば、発売されている巻数が凄まじい量で、最早、大人買い出来るレベルじゃないから
一つは秋本治先生の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、一つはさいとう・たかを先生の『ゴルゴ13』、そして、このうえやまとち先生の『クッキングパパ』だ
当然、『クッキングパパ』も私の中の殿堂入りなのだが、殿堂入り作品の中でもトップに位置している
料理漫画として、もう、この『クッキングパパ』を内容でも巻数でも超える事の出来る漫画は出てこないだろうな、とすら思う。『ミスター味っ子』、『中華一番』、『鉄鍋の醤』、どの作品もレベルが高いし、人気もあるが、それでも、やはり、私の中では『クッキングパパ』の下だ
恥ずかしい事に、この『クッキングパパ』、通し読みをした事が無く、読めていない巻がある。言い訳も男らしくないとは思うが、私自身が金を稼げる年齢になった時には、既に100巻近く出てしまっており、一般書店にも、古書店にも一巻から最新刊まで置いてなかったのだ。なので、正直、キャラの容姿と関係性の変化に、コンビニでテーマ別のコミックを読んだ時、戸惑ってしまう
自分でも何故、ここまで『クッキングパパ』に惹かれるのか、解からない
画が上手い、出てくる料理が美味そう、荒岩さんの男らしさかつ父性、家族愛を感じるストーリー、荒岩一家だけでなく、田中さんを筆頭にしたキャラクターも魅力的、子供だけでなく大人も成長の過程が丁寧に描かれている点、コメディとシリアスのバランス、アニメも面白かった、先生が人間としてイイ歳の取り方をしていて見習いたい、理由は挙げようと思えば、これだけ挙がるが、やはり、漫画読みとしての本能が刺激されるのだろう
なので、書店で荒岩一家の歩みが一冊になった、このダイジェストを発見した時は、買うつもりでいた他の漫画を棚に戻してまで、購入した
この一冊に収録されているのは、十話のみだが、あえて、この中から一番に好きな話を選ぶなら、私は記念すべき第一話である「イタリアン鍋料理は手軽でボリューム満点」を推す
基本的には懸賞に縋りたいが、半年分の幸運を費やしても構わないから、もし、古書店で全巻をまとめ売りしていたら、迷わずに買うと決めている
悔しいと言うか、当たり前だが台詞は選べなかった。『クッキングパパ』は料理だけでなく、名言の宝庫でもあるからだ