紙の本
誰にだってあるのです。
2018/11/11 00:13
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投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
不安定だったバージニア・ウルフと、支えていた姉バネッサの
心をつなぐお話です。
ある日、目が覚めるともう駄目でした。
ぐるるる、がるるる。バージニアの心はどうにも収まりません。
理由? 理由なんてありません。そんなことが分かったら苦労しません。
お姉さんが絵を描いていても、
友だちがベルを鳴らしても、
黄色い服を見ても、
はみがきの音だって、
小鳥のさえずりさえも。
全部、ぜーんぶ駄目なバージニア。
たったひとこと、「ほっといて!」
少し時間をおいてみます。
明るい気持ちになれることが、きっとあるはずとバネッサが聞くと、
ようやく重い口が開きます。
この空を飛んでいけたらいいかもね、と。
飛んでいきたい場所はブルームズベリー。
ベリーの甘い香りに満ちた、きれいに咲きほこる庭。
バージニア・ウルフが追い求めたものは、小さな女の子だった頃から
ずっとずっと同じだったのです。
誰もが心にちょっとずつ持っている生きづらさ。
バージニアの心の荷物は、ほかの人よりちょっと大きくて、
その最大の理解者は姉のバネッサだったのです。
姉妹の心の触れあいは、温かいだけではないけれど、
なんだかとても心の奥底を揺さぶるのです。
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誰にでもおおかみになりたいときがあります。
その心を癒そうと、心砕いてくれる人がいるって素敵ですね。
羨ましいよ。
読み聞かせするなら、どの学年でも大丈夫だと思います。しっとりしたお話しです。少し長いから、落ち着いて聞ける子達相手じゃないとダレちゃうかもしれません。
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大人向けの絵本、という印象。自分の気持ちをコントロール出来なくなっちゃった妹を元気にしたくて、絵の具で絵を描くおねえちゃん。
詩的な文章と、カラーと黒のメリハリの効いた絵が美しい絵本。
ヴァージニア・ウルフとその姉のバネッサがモチーフだそう。それを知らなくても素敵な本だけど、最近ヴァージニア・ウルフに興味があるのでより面白かった。
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キョウ・マクレア (著), イザベル・アーセノー (イラスト), 小島 明子 (翻訳)
"Virginia Woolf"へ
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そんな気分の時あるね。でも優しくてパワフルな姉の描く絵の素晴らしさ。妹のオオカミ気分も消えちゃうね。姉妹っていいな。
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バネッサお姉ちゃんの描く絵と色彩が素敵。
わたしもおおかみ気分の時は思う存分ガルガルして、お姉ちゃんに絵を描いて欲しいな。
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今日の妹はオオカミのよう。荒れ狂ったり、吠えたり、布団にこもって誰とも話そうとしなかったり。そんなオオカミ妹にお姉ちゃんは(自分もお気に入りの服にイチャモンをつけられる被害にあってるのに!)寄り添ってあげます。心が広い!妹もちょっとお話しする気分になったようで、お姉ちゃんに自分の望みを言います。ブルームズベリーに飛んで行きたいって。ブルームズベリーって、どんなところ? どうもこの世に実在しないみたいなのですが、お姉ちゃんはなんと、妹の願いを叶える方法を思いつきます。この方法が素敵、絵本ならではの楽しさですね〜。
日によってきょうはオオカミ寄りだな、きょうはお姉ちゃん寄りかも、と自分の気分チェックができそう。
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イギリスの作家バージニア・ウルフと姉で画家のバネッサ・ベルをモデルとして描かれたお話です
Woolf(名前の綴り)とWolf(オオカミ)をかけているのかなと思います
バージニア・ウルフは、生涯にわたり精神の不安定さに悩まされましたが
うつや気分の波が激しい生活の中でも、創作活動は熱心に取り組んでいたということです
その助けになったのが、姉のバネッサとされています
病気の家族がいる生活というのは、本人ももちろん辛いでしょうが、家族や周りの人も辛く大変なものです
元気になってもらいたい気持ちと、それをプレッシャーに感じたらどうしようかという心配な気持ちを抱えるのではないでしょうか
病気ではなくても、思春期の頃は精神的に不安定になることはよくありますよね
そんな時、周りにどうして欲しかったか?と考えてみると
同情や心配よりも、ただ寄り添ってもらいたかったように思います
ただ話を聞いてもらったり、普通の生活をして普通に接してもらうのが一番嬉しかった気がします
悩みごとや心の内を話すことは、なかなか難しいことです
信頼している人や、心を許せる人にしか出来ない行為です
話てもらった方は、悩みを解決しなければとアドバイスしようとしてしまいますが
答えは、本人の中にあることなので
ただ聞くことで既に役割を果たしているんです
ただ聞くこと、ただ寄り添うことが一番の手助けなるのではないかなと私は思っています