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カズオ・イシグロと分かって読んでなかったら最後まで読み通してなかっただろう、というくらい取っつきにくい。なかなかハードルの高い本でした。
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記憶を消してしまう霧とか、強い力を持った竜とか、アーサー王に関わる騎士とか要素はすごく良いんだけれど、中身は中途半端というか浅いというか。文体、翻訳、キャラクター、どこに問題があるのかわからないけど、全体的に勿体無い作品だと思う。
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カズオ・イシグロの話題作…と言っても話題になったのはもうずいぶん前だけれど。忘却の霧に覆われたファンタジー的な世界における老夫婦の冒険と愛情を描いた作品だが、『充たされざる者』ほどの非現実感は無い。『わたしたちが孤児だったころ』の探偵小説的世界、『わたしを離さないで』の SF 的世界と並べてみると、いろいろなスタイルを模索している中での習作とも言えるが、それにしても前二作よりはやや劣る印象。
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著者の作品は「私をはなさないで」を読んだだけなので、あのイメージが強烈であった。
今回はどんな話なのか、期待しながら読み進めるとなんとファンタジー。
「指輪物語」的な世界観というか、本作の舞台がどうもイングランド的な感じからすると、「Q」(ルーサー・ブリセット著)に近いか。
アーサー王のことなどほとんど知らずに読んでいたが、サクソン人とかブリトン人などこの辺りの知識を持っていれば、さらに面白さが増したかも。
巻末『解説』によるそ、スコット・ルーディンというプロデューサーが本作の映画化権を獲得したとのこと。映画化されたらみてみようか。
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なかなか解釈が難しい作品でした。
人間、忘れていた方が幸せなのかそれとも全てを記憶していた方が幸せなのか・・・
もし、嫌なことも苦しいことも、全てを覚えていなくてはいけないとしたら、それはとても辛いのではないかと思います。
例えば、人間関係を通して嫌な目にあったとして、その記憶を薄めることができないとしたら相手をいつまでも許すことが出来ない気がするので・・・
誰かを恨み続ける人生ほど辛い人生はないと私は思います。
物語のクライマックス、この老夫婦は最後これで良かったのだろうかと考えました。
読後、言い様のない切なさと寂しさが押し寄せて来る感覚が何とも言えない。
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カズオイシグロ初挑戦。静謐な文章とイングランドの淋しい風景が脳裏に浮かんで良かった。結局人はわかりあえないということか。本のタイトルが英語では「The Buried Giant」なので、実際には『埋葬された巨人』になるのだが、埋葬の方がテーマにはあってるよね。「忘れられた巨人が浮かび上がる」ところには震えた。
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アクセル、ウィスタン、エドウィン、ジョナスはどうなったんだろう?
もう一度読んだら 少しはわかるだろうか?
物語に隠された物語がまだ浮かび上がって来ないけど とてもよかった。
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巨人が誰なのかよりも、最終章の主人公夫妻を案内した人が気になる。
息子なのか、途中で出てきた船頭なのか、少年なのか…
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カズオ イシグロを読むのはこれが初めて。わたしを離さないでのほうが有名だけど。
アーサー王全く知らないけれど、Wikipedia によると彼の功績(伝説)の一つは、サクソン人の侵略からブリテン島を守ったことらしい。
少年漫画みたいだなー、というはじまりから、それぞれの謎の解決がわりかし早かった。
主語述語がきちんとある文章で、読みやすいというかよみにくいというか。くせがある文章のほうがもっと読み続けやすいかも。
わたしの理解が足りてないのかもだけど、Beatriceは文句ばっかりでどこがいい奴なのかわからなかったし、Axlは徒労の多い人生だな、というかんじで。ドラゴン倒したあとも、これで悲劇が、、、とみんなで言ってたけどそれSir Gawainが散々言ってたやん!何を今更!と。
知らぬが仏。
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新刊も出たのに読み終えていなかったので、骨を折りながら読了。
カズオイシグロの作品は設定を選ばないだけでなく、文体を選ばないとでもいうか、自分が老騎士になったかのような、目の悪さ、耳の遠さ、記憶の不確かさを追体験させられ、老人の嫌さ加減を散々味わった気になったところで、心と体も強靭なことがわかり、自分の先入観をいい意味でひっくり返された。
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正直、「カズオ・イシグロがファンタジー小説かよ」と見下して読まずにいたが、おそらくかの作家における最高傑作。カズオ・イシグロの体質に最も合っているのではないか。
最初は、霧のせいにしているだけで、単なる高齢者の物忘れだろうとおもっていたのがドラゴンの吐く息にアーサー王臣下の魔法使いが魔法をかけて、ブリトン人とサクソン人の統治をするために長年利用してきたわけだ。
今後両民族の間の諍いは増えるだろうとか、夫婦は無事に二人で島へ渡れたかとか(これは、黄泉の国へ行くことで、ベアトリスは先立ったということなのかもしれない)、そういう物語の後のことは終わらせ方として納得できる。
しかし、最も疑問に残った、回収されなかった伏線がある。「なぜ老夫婦だけ村で燭台?を夜に使えなかったのか」ということだ。いや、まだある。「ベアトリスは、村に訪れた旅人の老婆?に何を言われたのか」、この老婆は休んでいる船頭のところにウサギを殺して嫌がらせをしていた老婆と同一人物なのか? 後者はそれで納得できても、燭台の件はどこにも落とせないので、なんとかしてほしいと思う。
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アーサー王物語の世界が舞台のファンタジー小説。
カズオイシグロさんの作品は初めてではないけど、今まで読んだことがないような感覚で読み終えた。イメージを単語で表すとしたら「灰色」かな。
主人公のおじいちゃんが奥さんと会話するたびに「お姫様」と呼んでるのがかわいらしかった。
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「わたしを離さないで」や「日の名残り」などの超名作の印象が強すぎ、どう読んでいいのか、非常に戸惑い、戸惑いのまま、物語が終わってしまった。もう一度読まないと、全く理解も消化もできていない。
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世界観がすごい、というか、とにかく壮大だった。
読んでいて思わず上橋菜穂子作品を読んでいる錯覚に陥りそうになる。壮大なファンタジー作品というべきか。
老夫婦が遠方に住む息子を訪ねて旅に出る。その道程で出会った様々な人々や生き物。様々な風景。様々な出来事。
人物の交わす会話の中に、文章の中に、いろんな意味や暗示が込められている。愛と復讐と裏切りと恨みと。。。それらを逃さず読まなきゃと一語一句必死で読み進めていたらやたらと時間がかかってしまい大変だった(笑)
結末は、何とも言えない複雑な気持ちが残った。
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今まで読んだカズオ・イシグロの作品の中では一番良かった。
相変わらず会話がくどいところは勘弁して欲しいけれど、今回は、そういうシチュエーションなんだから仕方ないか。
あと、最後は、もうちょっと変えて欲しかった。