集英社文庫 『楊令伝』 完結BOX みんなのレビュー

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北方版水滸伝の続編
水滸伝からの一貫したハードボイルド歴史小説で、ハードボイルド好きにはおすすめな反面、巻数が多いため途中からは場面ごとの展開が想像できてしまうことがあり残念だった。

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過去読了分
自身が好きな本ベスト３に入る名著。
キングダムより個人的には全然おもしろい。戦だけでなく、スパイ、情報伝達、兵站、政治、その他さまざまな場所で命をかける生き様を三世代分くらいかかれていて、いつ読んでもあらたな示唆を得られる。最高。

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再読、時間が出来たし、今回はまだ読んでいない岳飛伝まで読もうと思い、その前に再読読んでみる。漢の熱さは感じつつ、世代交代も考えさせられる一作。平和になると志に対しての向き合い方の違いを感じる。新世代の平和感に同感しつつ、旧世代が去っていく事の寂しさ。

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方臘の乱までは面白かったが、正直その後ダレてしまった。
頑張って通読したが、「細かいことはいいんだよ」とでもいわんばかりに勢いで進んでいく水滸伝よりも建国のリアルを追求しており、それはわかるのだが、やはりその分地味に感じてしまう。説明の分量が多いのだろうか。世代交代した登場人物も、小粒になり先代より華を欠く。時折のエロとエグい謀略で、無理にスパイスをつけてる感じに思えた（だからこそ読みやすくなってもいるのだけれど）。
この作者だから…と割り引いても、女性キャラの描き方がひどくてげんなり。１０８人に名を連ねるキャラクターくらい、属性としての「女」を強調するのではなく、他の好漢たちみたいに「人間としての格好良さ」を押し出した描き方をしてはくれまいか。
でもやっぱり泣けるところもちらほら。読了してから時間がたつが、１４巻の李英の最期は胸に残っている。