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気持ちはわかるが、伝わらない
2017/05/13 00:05
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投稿者:かずくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
原子力発電所の必要性について、冷静に展開されている。
日本のエネルギー自給率は低い。
再生可能エネルギーには限界がある。
世界は決して脱原発の傾向にはない。
あたりまえのこと、正論を言っても、聞く耳をもってもらえない。
のが、現状である。
本書でも正論を整然と述べている。
ただ、使用済燃料については、暴論とは言わないまでも、
再処理不要⇒全量、燃料集合体のまま保管
と言い切っている。
再処理するということは、プルトニウム抽出だけが目的でなく、
使用済燃料を減容(容積を減らす)することも目的ではあるので
このあたりをどう見極めようというのだろうか。
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1957 日本原電 イギリスとGCR 炭酸ガス冷却黒鉛減速炉
その後コンパクトで建設コストが安く、改良も期待できる軽水炉を導入
PWR 加圧水型炉 BWR 沸騰水型路
沸騰する上記に放射性物質が入っているのがBWR ないのがPWR
福島第一原発は40年前のアメリカの仕様
一人あたりの電力使用量 カナダ No1
東芝 4S 燃料交換なしで30年間稼働 一万kw 小型原子炉 アメリカ着工予定
ビル・ゲイツ TWR 進行波炉 テラパワー社 劣化ウランが燃料 燃料補給なし100年間稼働
核廃棄物
100年後には100年後の知恵と技術がある
スリーマイルのデブリ ロッキー山脈に制限地区を設け保管
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日本では長い間デフレが続いていましたが、あの日を境に、デフレを脱したかはともかく、電気代が常に上がる経済構造になりました。その原因が、津波によって引き起こされた福島原発が爆発を起こして、日本のすべての原発が停止したことにあります。
当時は政権が民主党だったこともあり、ある種の特殊な雰囲気のなかで原発停止が決まりました。原発は危険で、あのような津波が来たら大変と、止めた後の電気をどのように確保するかを考えていなかったことがさらに問題でした。
そして発生したのは、計画停電です。後で振り返れば本当に足りなかったのは数日間なのに、何か月にも渡って多くの人が停電の中での生活をしました。もうあの頃のことは私も含めて風化しかけています。そんな時に、図書館でこの本に出合えたのは運が良かったと思います。
この本では、まず、福島の悲劇とは何であったか、同じように津波の被害を受けていながら、他の原発はなぜ大丈夫だったか、そして、原発を止めたとしても核廃棄物の処理問題は残る、原発に対してほかの国はどのように取り組んでいるかが詳しく解説されています。
これを読んですぐに原発推進になったかと言われれば難しいところですが、感情的な議論になりがちな原発問題を冷静に見ることができた本でした。
以下は気になったポイントです。
・地震を受けた五ケ所の原発はすべて、第一段階の「止める」という第一ステップは成功したが、問題は次の「冷やす」であった(p15)
・ベントが最終手段(放射性物質も大気に出る)であり、日本ではこうした事故は起こらないとして、放射物質を取り除くフィルターの取り付けがなかったので事故を大きくした(p16)
・BWR(福島第一)とPWR(美浜、敦賀2号)の違いは、発電するタービンを動かす蒸気に放射性物質がはいっている(BWR)かどうか(p19)
・福島第一はスペインの経験を取り入れるはずが、福島のほうが先行してしまった。さらに、35メートルの高さの台地に建設する予定が、10メートルまで台地を掘り下げた、35メートルまで海水をくみ上げるポンプ能力が入っていなかった(p21)
・なぜ福島第一のみがあの事態になったかを検証すべき、特に福島第二との比較は大事(p23)
・安全は科学的根拠に基づいたもの、安心は心理面が根拠となる(p37)
・GDP世界三位の日本の電力消費量が世界の5%というのは、かなり低い。中国は22%、米国は20%(p56)
・日本の電力使用量は、95年から殆ど変化していない、省エネと人口増加が止まったことが原因(p58)
・人口が二位と五位の国である、インドとブラジルが一人当たりの使用電気量が世界平均より少ないということは、今後使用量が爆発的に増えることを意味する(p62)
・石油の使われ方には、大きく、動力・熱・原料に使われている(p77)