紙の本
アンソロジーの難しさ
2019/03/08 23:17
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投稿者:ベニテングタケ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「奇妙な」という幅の広いテーマで選ばれているだけあって、それで結局そのオチはどういう意味なのか?と消化不良を起こすものや、読後爽やかな気分になるものなど作者によってマチマチだと思う。あまり他では読めない作品とかが掲載されている点ではいいかなと思うけど、正直に面白と思える作品は少なかったかも。
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シャーリィ・ジャクスン目当てで買ったアンソロジー。
思ってた以上に(このラインナップの中では)かわいらしかったシャーリィ・ジャクスン作品。
ぞわわっとしたのが『赤い心臓と青い薔薇』、そ、そういうことかー!だったのが『ボルジアの手』、『試金石』とタイトルの『街角の書店』もわりと好き。
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じんわり、ひんやり、後から毒が回る。
やっぱりねと思う作家、この人がこんな?と思う作家、納得や発見もあって、アンソロジーの愉しさを充分に味わえた。
全部それぞれに面白かったけれど、「肥満翼賛クラブ」で幕開けし、「デイケンズを愛した男」「お告げ」「アルフレッドの方舟」「おもちゃ」「赤い心臓と青い薔薇」「姉の夫」と、間髪入れず、流れるような息継ぎもままならないような珠玉(って言っていいのか?)の連続。
そして後半の、大トリ「街角の書店」へ向かって徐々にあげていくドラムロールのような連続。
読んでいるあいだ、毎朝、悪夢で起きました。
満腹です。
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『奇妙な味』をテーマにしたアンソロジー。
これまでに刊行された『時の娘』などはSFのアンソロジーだったが、本作はジャンルを限定出来ない短編が収録されており、はっきり『これは○○だ』と言えるものは少ない。
まさかこのラインナップにイヴリン・ウォーの短編が収録されるとは思っていなかったので嬉しかった。その『ディケンズを愛した男』はホラー的なブラックユーモア溢れる短編。ブラックユーモア的なものは他にも収録されていて、巻頭の『肥満翼賛クラブ』はその筆頭。
シャーリイ・ジャクスン『お告げ』はコメディタッチの内容で、『ずっとお城で暮らしてる』や『くじ』とはまた違った顔を見せてくれる。
ロナルド・ダンカン『姉の夫』は、収録作の中では最も正統派ホラーに近い短編だった。その他、『ナックルズ』『アダムズ氏の邪悪の園』、表題作でもある『街角の書店』がホラー(怪奇小説)に近かったように思う。個人的には『ナックルズ』の切れ味が良かったが、『アダムズ氏の邪悪の園』のアイデアも面白い。
ジョン・スタインベック『M街七番地の出来事』は、文豪の違った顔が見られるという意味で興味深い。『エデンの東』など、骨太の文学のイメージが強いが、こういうものも書いていたのは驚いた。モチーフになっているのがガムというのがユニーク。
ブリット・シュヴァイツァー『旅の途中で』も作中に使われるアイデアが面白くて気に入ったのだが、著者については殆ど何も解らないのが残念。
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江戸川乱歩の造語である〈奇妙な味〉は、ミステリにもSFにも怪奇小説にも分類不能の、異様な読後感を残す小説を指す。本書には、翻訳アンソロジーの名手が精選した作品──異色作家の埋もれた名作、スタインベックら大家によるユーモア譚、SF界の鬼才の本邦初訳作など18篇を収めた。ひねりの利いたアイデアストーリーから一風変わった幻想譚まで、多彩な味をご賞味あれ。
編者あとがき=中村融
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「肥満翼賛クラブ」ジョン・アンソニー・ウェスト
「ディケンズを愛した男」イーヴリン・ウォー
「お告げ」シャーリイ・ジャクスン
「アルフレッドの方舟」ジャック・ヴァンス
「おもちゃ」ハーヴィー・ジェイコブズ
「赤い心臓と青い薔薇」ミルドレッド・クリンガーマン
「姉の夫」ロナルド・ダンカン
「遭遇」ケイト・ウィルヘルム
「ナックルズ」カート・クラーク
「試金石」テリー・カー
「お隣の男の子」チャド・オリヴァー
「古屋敷」フレドリック・ブラウン
「M街七番地の出来事」ジョン・スタインベック
「ボルジアの手」ロジャー・ゼラズニイ
「アダムズ氏の邪悪の園」フリッツ・ライバー
「大瀑布」ハリー・ハリスン
「旅の途中で」ブリット・シュヴァイツァー
「街角の書店」ネルスン・ボンド
「肥満翼賛クラブ」「お告げ」「街角の書店」復活のために編まれた偏愛<奇妙な味>のアンソロジー。
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〈奇妙な味〉のアンソロジー。ホラーっぽいのからSFや幻想譚や、小咄的なのや、何これ?っていうよくわからんのまで、いろいろ取りそろえてある。編者お気に入りらしい巻頭作「肥満翼賛クラブ」がまったく好みでなく、うーん(困)と思ったが、その後は総じて楽しんで読めた。そう終わる?という投げ出され方をするのも何篇かあるが、そういう感じが味わいなのだろう。
どれか一つあげるなら…、やっぱり「旅の途中で」かなあ。大真面目なのがすごい。最後は笑ってしまった。「掲載誌についても作者についても詳細は不明」だそうな。そこもいい。
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まさに奇妙なテイストのストーリー。
SFやらブラックユーモアやら、いろいろな味付けで仕上がっています。
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外国作家のアンソロジーと言えば地雷と決まっている中、なかなか面白い作品が集めてある希有な本。
全体的には良
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「奇妙な味」短編集。
「M街七番地の出来事」ジョン・スタインベックと
「旅の途中で」ブリット・シュヴァイツァー
が良かった!スタインベックは「エデンの東」しか
読んでませんが内容は全然違うものの彼のスッキリした
分かりやすい文体はそのまま。「掲載誌、作者の詳細も
不明」という謎に満ちたシュバイツァーの「旅の途中」は
作品のアイデアにビックリ!面白かったです。
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短篇小説スキ……<奇妙な味>となると、その冴えはなおさら。
ジャクスン「お告げ」はなるほど……!と唸る巧さ、ダンカン「姉の夫」はタイトルからして耽美なのがたまらん。
超常現象など何もないのに、ゾクッとする怖さが好き。
背後の扉の陰から、そっと覗き見られているような怖さ。
本邦初訳が多いのがいい。編者の愛情を感じる。
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後味すっきりの奇妙な味が好き。
なので食べ終えた後に、口の中に嫌な苦みやら渋みやらが残っていたり、奥歯に何か挟まってる話は苦手。
しかし、読後感がすっきりしないものを奇妙な味というのではないか。
だとすれば「後味すっきりの奇妙な味」なんてものはないことになる。
という理論でいくと、奇妙な味があまりしなかった話――後味すっきりの話――が数編。好き。
でもそれらお気に入りの話より、「なんじゃこれ」「気分悪い」と思った奇妙な味らしい話の方が印象には残ってる。
飲み込めてないからか。
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シャーリー・ジャクソン女史のお告げは彼女には珍しく軽妙な物語。フレドリック・ブラウンの熟練の技の他、無名な作家人の個性あふれる作品が素晴らしい。残念なのは現代風の装丁。ちょっと内容と距離がありすぎ。
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丹地陽子さんの絵に惹かれて手に取った
邦訳ミステリ・ホラー・SF等短編集。
ショートショートと云っても良い位の物も。
どれも小粒ながら面白い!
よくこれだけ揃えたなあと脱帽ものです。
『ディケンズを愛した男』『お告げ』『姉の夫』あたりが
好みでした。
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<奇妙な味>をテーマにしたアンソロジー。
江戸川乱歩の造語である<奇妙な味>とは、SFにもミステリにも分類不可能な、異様な読後感を残す短編を指す(前書きより引用)
奇妙な味!まさに私の好きなジャンルです。不思議で不気味でちょっと怖い。18編の色々な奇妙な味を味わえて、満足です。
遭難した探検隊の一員が、親切な現地の爺さんに助けられるものの…逃げられない恐怖がじわじわ来る「ディケンズを愛した男」がお気に入りです。「アルフレッドの箱舟」の皮肉なラストもいいなぁ。SFというジャンルにあまりなじみがないので「遭遇」のSF的解釈というのがよくわからなくて、2度読んだけどやっぱりよくわかりませんでした。
本邦初翻訳のものや、掲載誌も作者も詳細不明のものもあったり(一体どこから見つけて来たんだろう??)編者の方の熱意や愛を感じました。
第二弾も出ているようなので読みたい。