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大前さんの雑誌連載をベースに一部書き下ろしの社会論。雑誌連載を抜粋がメインであるが、再構成に工夫されており、一連としてスムースに読めるし、全体感はある。さすが、大前さんという感じであるが、正直”瞬発力”で書いた文章という感を否めない。一章二章の現状認識と課題は、それはそれとして受け止められたが、三章の「では?どう乗り越える?」の解決策に出ている「都心再開発」案は、これまでの氏の提案としてずっと続いてきているが、ちょっと乱暴というか雑ではないか?たとえ移民導入の政策がうまくいったとしても(おそらくうまくいかない)、大きな成長が実現できる社会でない人口減少の社会に大きなオフィス受容なり住宅需要が、既存ストックを含めて考えた時あるのかどうか?
と、疑問を感じる部分もあるにはあるが、それはそれでいろいろ考えさせてくれるよい本であると思う。
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長野の駐車場経営者 景気がいいと、1万円札ビンサツ、わるいと1000円札、100円玉、しわくちゃのお札
日本の最大の問題は人口減少、団塊ジュニアの次がいない
低金利なのでだれもお金を借りない
日本が変わらない元凶 老人の居座り
異次元緩和に出口なし、まず日銀がパンク
優れたトップは一つのことだけをいう
悪い上司 マイクロマネジメント
時価3%の配当を維持するため余力が必要 内部留保
節税スキーム ダブルアイリッシュ、ダッチサンドイッチ
ハイパーインフレで地獄を見るのは年金受給者 カネの価値は変わっても、受け取る金額は同じだから。定額預金やタンス預金も紙くず同然になってしまう
資産をもっているひとはハイパーインフレに備えて、キャッシュを産む不動産(好立地のマンションなど)や株にしておくべき
穀物 アメリカ、オーストラリア、カナダなど面積大国が勝つ
オランダ 1986にスペインとポルトガルがECに加盟 無課税の安価な農産物が入ってきた 危機感を抱いたオランダは、選択と集中で施設園芸にフォーカスするとともに、農業を農民中心に考えずに産業と捉えて地域別に農地と生産品目を集約するなど改革を断行し、付加価値の高いクオリティ農業にシフトした
米が自給できても、いざというときには石油の備蓄が先に切れるので、灌漑もできない、トラクターも動かない、肥料も作れない
オランダは世界第二位の農業輸出国でありながら穀物の自給率は14% 日本の半分
施設園芸 トマト、パブリカ、きゅうりの3品目で栽培面積の8割 スマートアグリ
エストニア eガバメント
x-road 世界でもっとも進んだ国民DB
ICチップの入ったIDカード
国民IDチップを格納したSIM
カード入りのスマートホンでeガバメントのポータルサイトにログインや電子文書への署名もできる
銀行口座の取引も国が把握
税金は自動計算 納税申告不要
税理士、会計士が消滅
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皆が等しく貧乏になる方向性がアベノミクスであり、三本の矢はケインズ経済が効果がある国ならまだしも日本においては効果がないという論調で、日本人に対して自分で考え、海外に飛び出していけるような尖った人材を育てるべきと説く。ピケティもクルーグマンも日本をわかっていないとバッサリ。
改めてピケティについて。日本に来日したピケティは、日本について格差の拡大、消費税増税の結果いまいち、資産家の高所得層に高税を課し、資産を持たない若者や中所得層の所得税を下げる累進課税にすべきという指摘をした。ピケティ理論は、資本収益率が経済成長率よりも高いため、多くの富を持つものが、さらに富を蓄積して不平等は世襲によって続く。それを是正するには、資産に対する課税強化が必要だというもの。しかし、日本は資産収益率がきわめて低い国であり、累進課税にすることでお金持ちは完全に日本から脱出してしまう。公平性を失うことによる日本経済への信頼もなくなるはずだ。であれば、資産課税をフラットにかけて、高所得者も含めて日本自体に価値を見出している人はこぞって投資できるようにすればよい。
人口減少と欲の無い若者たち。これを低欲望社会と読んだ大前氏はさすが言い得て妙だ。彼らと話していると、必ずしも欲がないというわけでも無い。しかし、自分から進んで何かをする事に対してブレーキがかかる。ちょっと押して上げる必要性を仕事でもプライベートでも感じるので、アベノミクスではお金が経済に流れてこないはずである。心理を和ませることができれば、16兆円の個人資産が表に出てくる。この時をどうやって現実にするか。来るアベノミクスの崩壊に備えて、資産の移動などの準備もやっておこう。
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こちらの本も読んでほしい1冊です。大前研一さんの本は誰でも理解できるようにシンプルにわかりやすく書かれています。 現在社会の問題がこの1冊でよく把握できますので。
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氏の著作を大学以来度々読んできたが、非常にわかりやすく現在の政治に対して有効な提言だと思う。一度政治の舞台に立つのを見たかった。
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勉強になりました。
人口減少→外国人の移住受け入れ→外国人による高齢者介護、と将来直面する諸問題について改めて考えさせられました。
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ここ数年の大前氏の本を読んだことがある人は、それほど変わった内容はないのではないかと思う。
低欲望社会になった原因が述べられているが、大前氏独特のフィールドワークによる裏付けがなく、物足りないし説得力がなかった。そこを楽しみにしているだけに、残念に感じた。
中年から上については低欲望になっていないのか、も検証してほしかった。
対応策については、富裕層に対するものが多く、主題であるはずの低欲望の人たちに向けたものではないように思う。
エストニアの件で、税理士や会計士が消滅したというのは衝撃だった。「機械との競争」を地で行っている。
あとがきは熱い。読むべきだろう。
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分析やこれまでの予測、アベノミクス批判は的を得てると思われるが、氏の根本はやはり強者の論理、それに納得できる方には絶賛の本ではあるが、手前は弱者なもんで、違和感がある部分もある。
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新しい出版だけに、現在の憂うべき日本の現状が様々なデータで指示される。それぞれがリアルな「今そこにある危機」であると同時にいかにこれらの問題がタブー視されて論じられていないかがよく分かる。
しかも、その危機にある今ですら、安倍政権支持者が多いのだから本当に驚く。そもそも選挙に行かない人々が多いのが驚異だが。
このままこの書物が描く未来に突入するのは明白で、残念ながら個人で対策を講じないといけない時代が来ようとしている。
このような健全な危機感を喚起させる上では貴重で分かりやすい一作だが、一方で連載モノを編集したためかテーマや内容が重複してるところが多いのが残念。
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★2015年7月25日読了『低欲望社会』大志なき時代の国富論 大前研一著 評価B+
彼の時代認識は、歴史的にも世界的にも例を見ない低金利にもかかわらず資金を借りようとする個人、企業がいない今の日本の現在の減少は一過性のものではない。
その対策には、これまでの20世紀的なケインズ政策では対処できず、新しいグランドデザインに基づく国家プロジェクトで日本を立て直せなければ、手遅れになるという彼の考え方を本書では述べている。
以下は私が理解した彼の論点と主張、まとめ間違っていたらご容赦下さい。
①高所得層から合計50%を超える所得税で、働く意欲を無くさせ国外逃避を促す、相続時に多額の相続税で資産移動を促進する世界一の社会主義的資本主義の考え方を見直して、資産税と付加価値税を中心とする税体系に変更する。
②正式な結婚を前提とする各種社会保障を様々な生き方に対応する社会保障体制に変更して、出生数が上向くように支援して、人口減少を20ー30年の長いレンジで見て食い止める。
③プア充にとどまることなく、付加価値を生み出す人を支援する仕組みすなわち、教育制度の改革で、世界的にも戦える人間を育てる多様な職業訓練を施すシステムを構築する必要がある。
④既にアイデアの出尽くしたアベノミクスには、超肥満化した従来の政府主導の財政赤字が残る効果しか期待できない。結果、国としての超多額な赤字が副作用としてきいてくる可能性が高い。よって、大幅な規制緩和 建蔽率の緩和 日照権見直し 建物容積率緩和などにより都市中心部の再開発を民間主導により実行して、より安全で機能的な都市再開発を行うべきである。
⑤地方は、道州制として、より大きなエリアでのそれぞれの地方の特性を活かしたグランドデザインで、世界でも有数の伝統、文化を発信して、街を整備し世界からの観光客移民を誘致するべきである。
⑥幻想の食料自給率に基づく議論を止め、オランダのように企業主導のより付加価値にの高い競争力のある農業育成を後押しすべきである。
⑦元々ない地方自治体での立法権を前提とするような無駄な地方議会は無駄なコストがかかるだけで、早急に見直すべきである。
⑧彼は、eゼネコンと呼んでいるが、各省庁、各地方公共団体は分かれていることを悪用して、無駄なバラバラシステムを構築して、システム会社は税金の無駄使いを誘導している。マイナンバー制度などではなく、国民の生活に便利となるようなグランドデザインに基づく国民データベースを構築して、真のe 政府を作り出す必要がある。その好例が、ヨーロッパの小国130万人のエストニアにはある。
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これまでのように税金を湯水のように使って消費を煽るのではなく、心理に働きかけることによって経済を活性化する方法が残っている。低欲望社会が現出した背景には何があり、今後どう対処すべきかを論じた本。
☆アベノミクスの問題点
・大胆な金融政策→緩和マネーが貸し出し増加につながらない。日銀の内部崩壊リスクが高まる。円安によるデメリット
・機動的な財政政策→過度の公共工事で人手不足、資材高騰というマイナス面ばかり目立つ。財政は悪化の一途
・成長戦略→ばら撒き政策
浜田宏一、本田悦朗、山本幸三議員への批判
・金融政策や財政出動によって景気を刺激するという20世紀のマクロ経済学説の処方箋は今の日本には通用しない。
自分には経済的素養がないため、アベノミクスについての是非はよく分からない。ただ肌実感としては、あんまりうまくいっていない気がする。アベノミクス論者の本も読んで自分なりに考えたい。
ただ移民推進をこの著者は推進しているが、問題点もあるのではないか。
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間違ってはいない。教育が大事、というのは共感できる。が、おそらく彼が提言する政策の大部分は受け入れられないだろう。どうやったら最初の一歩を踏み出せるか、だ。首相公選制からかも知れない。
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なぜ、日本がバブル崩壊後、低成長が続くの回答が明らかにされている。
高齢化と人口減少+低欲望社会
これを打破するためには、本書の最終章に書かれているが
「移民対策」、「教育」を大いに変えていかなければならない
「心理を和ませる」すこぶる卓見である
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現状に満足する日本人に苦言を呈した一冊。みんなが大前先生みたいにアクティブになれないと思うが、成長を導くにはある程度の強烈なリーダーシップは必要かも。もはや中央集権では経済成長は厳しくなるので、道州制の必要意義を強く感じる。
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バブルを経験していない30代の私
やはり守りに徹するというか、物を買うというより辛抱する世代かもしれない
そうなると経済としては停滞して、皆貧乏の世の中になっていく
経済の発展は誰かやるのではなく、自分が何がまずできるか。
わかっているのに行動に移せない自分が憎い…