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絆を伝えるソーシャルワーク入門 社会福祉・児童家庭福祉・相談援助のサブテキスト みんなのレビュー
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紙の本
「絆を伝えるソーシャルワーク入門」を読んで
2015/07/05 11:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:A - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店でアマンダ色の表紙を見てどんな本だろうと購入し、テキストであることも忘れて読了しましたが、すごい本でした。
まず、導入部の下重暁子さんの「私が出会ったごぜ」は圧巻でした。また、終章部の「山びこ学校」(個人的に、私の読書の最初の感動本)を含めて、構成の素晴らしさに感銘しました。「智子さんのお話」「Kさんのお話」で爽やかな風が送りこまれ、「石井十次、留岡幸助の偉業」に驚き、遮られることなく読み進むことができました。いずれの課題も事実の一言一句に吸い寄せられそうでした。読み終わって、何か、虚構のないノンフィクションの重厚な一冊だったと思いました。現代を描くにはどのような小説も映像もかなわない、とさえ。
試練に耐える方途を放棄するように「九条」が浮上している今、「ソーシャルワーク入門」の発刊の意味はとても大きいと思います。この書の課題の成熟が、社会の成熟であり、個の成熟だと思えてなりません。小説のやりきれなさと違い、この書は、テキストという枠があるものの、事実や実態が健康な筆致で語られ、救いも、またその矛盾も問題点も隅々までゆきわたり、読後、爽やかであたたかな風が胸を吹き抜けていきます。著者宮武正明さんの根幹である、人へのまなざしでしょう。
この書は著者が大学で講義した講座のテキストだそうですが、このような講義を受講できた学生さんは幸せです。またこれから受講する学生さんも、このテキストに巡り会われて優しさと厳しさを学ばれると思います。
それにしても、最後までぐいぐい読ませてゆく力は一体何なのでしょう。
私自身が底辺で生きてきて、より痛みを共有できることもあるかもしれませんが、こうして、赤ちゃんや幼い子ども、少年少女、女達や引き揚げ・帰国者の実態を、ここまで完璧にうかがい知ることはできませんでした。
マスコミ報道の凄惨な事件も、眉をひそめたとしても、また忙しい日常に戻ってしまい勝ちです。けれどもこの一冊や、著者のもう一冊の「子どもの貧困」に巡り会えば見方が変わります。何も出来ない子供達や弱きものに、きめ細かく寄りそって掬い上げ、酷い現実を示しながらひとつひとつへ理解を深め解決へ導いてゆく。まさに著者宮武正明さんの人間力そのものでしょう。 高知県在住 A
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