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小林アン(中2)は、美人で、バスケも上手く、クラスでも上位の女子。だけど、いつも一緒にいるグループの女子は些細な事でぶつかり合って、面倒くさい。家では『赤毛のアン』好きの母がラブリーに整えた家で、母の考えを押し付けられて、息が詰まりそうになる。アンは本当は、死や猟奇的な物に心惹かれる。
ある日、クラスで冴えない「昆虫系」男子だと馬鹿にしていた徳川が、何かの小動物の死体を持っていた事から、話をするようになる。自分と同じ美意識の持ち主で、アンの知らなかった渋澤龍彦を教えてくれたり、大人の世界を斜め見ている徳川。
学校にも家にも絶望しているアンは、徳川に自分を殺すように依頼する。美しく、誰の心にも残る事件になるよう、理想の殺人。
その事件の結末は・・・
大槻ケンジの後書きもいい。
中2の少年少女の痛切で、必死で、真剣な思い。(大人的な視点からだとその真剣さがちょっとコミカルでかわいい)
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ちょっと中2病が大きすぎて読むの辛かった。笑
けど、辻村さんの発想の仕方とか、結末の綺麗さとか、やっぱり最高だ。大好きだ。
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これは、何のジャンルの話か?読む人によって意見が分かれるでしょう。
ミステリーであり恋愛でありコメディかもしれない?
辻村さんならではの人物描写のリアルさは、安定のクオリティです。
主人公が中二病的な中学二年生なんだけど、中学生の世界ってこんなに面倒くさかったんですねぇ。
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2015-40
中二病で痛い感じやスクールカーストのドロドロ。
くだらないと思いつつ離れられない。
こういうの書くの本当に上手い人。
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クラスで上位の「リア充」女子グループに属する中学二年生の小林アン。死や猟奇的なものに惹かれる心を隠し、些細なことで激変する友達との関係に悩んでいる。家や教室に苛立ちと絶望を感じるアンは、冴えない「昆虫系」だが自分と似た美意識を感じる同級生の男子・徳川に、自分自身の殺害を依頼する。二人が「作る」事件の結末はーー。少年少女の痛切な心理を直木賞作家が丹念に描く、青春小説。
中二病とはよく言ったものだが、この位の年代の心の揺れは繊細で傷つきやすい。周りの目が気になって、自分のことがわからなくなる。そんな感情が思い出された。
その時は確実に幸せを感じてはいないのだが、生きているという実感は今よりもあったように思うし、そんな風に感じる、考えるのは自分の未来に期待をしていた証なのだと思う。
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クラスメイトに殺人を頼む中学生の話。
中学高校と女子って面倒だなと思っていたけど
現代の子供たちはそれ以上に面倒で大変なのかな。
中2なんてまだまだ若くて
どうにでもなり得るのに
当時はそんなことわからないもんな。
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第25回山本周五郎賞にノミネートされ、選考会では原田マハ『楽園のカンヴァス』と本作の二作受賞でまとまっていたにもかかわらず、新潮社社長の鶴の一声が元で選から漏れてしまった悲劇の作品。(ちなみに2か月後の直木賞にも『楽園のカンヴァス』がノミネートされているが、この時は『鍵のない夢を見る』が受賞となり返り討ちを果たしている)
確かに物語としての完成度は『楽園のカンヴァス』が上だと思うけど、本作の主人公アンの中二らしい自意識と猟奇的なものへの憧れ、アングラオタク徳川の醸し出す雰囲気、クラスの女子間のヒエラルキーの描写など、どれも大変素晴らしく、リアリティの面ではこちらの方が上でしょう(さすがに殺人を依頼する女子はそうそういないだろうが)。タイトルや中盤までの展開は物騒だが、最後まで読み終えるとそれまでのダークなイメージを超えた風景を見ることができる。
少なくともこれまで読んだ辻村深月の青春小説の中では最高到達点に位置付けられる作品だと思った。
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ページをめくる手が止められなかった。
不器用で大胆で、自分勝手な中学生。だけど、真剣そのもの。
彼女と彼。
こんな風に絡み、成長し、色褪せない初恋があるんだ。うまく言えないけど、この作品がとても好き。
この作者の別の作品を読んだけれど、全く別物だと思った。しばらく作家名で避けていたけれど、読んでよかった。
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主人公は中学2年であるが、この非常に多感な時期の人間模様をほんとにリアル感満載で表現している。この時期の人間はホントに残酷なまでに人間の暗い一面を表に出してくると改めて思い出してしまった。正直読んでいて、非常に憂鬱になってくるが、最後は予想もしつつも、その予想を超えたハッピーエンドっぷり。話の途中と最後の落差に非常に救われた気がした。この青春の光と闇をリアルに描いたため、改めてこの時期は人間関係でいやなことも多かったけど、それと同じくらいよいこともあったなーと思い出させてくれるよい作品でした。
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必死過ぎて痛々しいのが、青春。
ここ最近で青春小説には厳然としたヒエラルキーが描かれるようになった。
クラス内で男子のヒエラルキーは最初から固定されている。クラスの人気者、運動部、チャラい集団、そして底辺には何考えてるか分からないオタク系。
しかし女子のヒエラルキーは流動的で昨日まで仲が良かったのに次の日には無視されるようになる。
どんな小さなグループにもヒエラルキーの上下がある。
リア充系バスケ部のグループに属する小林アンは々い部員の芹香、倖と3人グループを作っているが、つい先日までは倖を無視するようになっていたし、今ではアンが無視されている。
ヒエラルキーを下らないと思いながらも、グループにまた入れてもらえた時には安心する自分、
自分のことを目にかけてやっていると思わせたがる気持ち悪い副担任、
何もかもが中途半端で子供だからという理由で無条件に服従すると思っている母親、
全てが私を苛立たせる。
下校途中の河川敷、教室では隣の席に座る冴えない昆虫系の男子・徳川が何かを足蹴にしているのを目撃した。
赤黒い液体が染み出る何かが入ったビニール袋が残されていた。
私を殺してほしい。それも、これから事件を起こす中学生たちが、あの事件を参考にしたと言われるような今までにない殺し方で。
オーダーメイドの殺人を、アンは徳川に依頼した。
青春小説というのは、必死過ぎて痛々しかった過去の経験が自分にもあったと、ふと思い出すための小説だと思う。
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もう二度と見たくない、中学生時代のアルバムを延々見せられているような作品でした。
主人公の小林アンは美人で、スクールカーストの最上位層にいる中学二年生。でも女友達となんとなく上手くいかなかったり、先生や母親に対して些細なことでイライラしたりと、なんとなく自分の人生に不満や閉塞感を持っている。そんなある日、クラスの中で"昆虫系"(地味で冴えない)と陰でバカにしていた男子の一人、徳川と関わりを持つようになる。やがてアンは徳川に"オーダーメイドの殺人"を依頼し・・・。
「あー、中学生ってこんな感じだったなあ」とスクールカーストの底辺にいた私でも共感できる内容が満載でした。女子の人間関係の面倒くささとか。中学生時代を経験した人は懐かしく、今まさに中学生の人は「これは自分のことだ!」と思いながら読めるのではないでしょうか。
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なんだかむず痒くなる!
今で言う「中二病」っていうやつだけど、
中学生くらいの恥ずかしい過去って誰にでもあるし、
クラス内でのカーストやヒエラルキーなんて誰もが共感できると思う。
「こんなことあったわー」と今なら懐かしく思えることも、
当時は死にそうになるほど悩んでいたなぁって
思い出しながら読むと、やっぱりむず痒い・・・。
作者は私と同年代みたいなので、それも共感度が高くなった要因かなと。
今までにないお話。面白かった!
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「オーダーメイド殺人クラブ」辻村深月
ヤングアダルト青春小説。紺黒。
厨二病を題材にした、美しい自己嗜虐志向の主人公とある同級生との危うい関係を描いた小説。
女性作家さんが書いたことで綺麗な舞台に仕上がっていつつ、もっと生々しい結末になることを期待?しながら読んでいたので消化不良の感がありますが…。
ヤングアダルトのジャンルで変わらず読ませる作品の数々、出産してもこれはすごいなあと思う。(3)
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「中2」独特の精神世界がものすごく鮮やかに描かれていた。
こんな爽やかなラストが待ち受けてるなんて思わなかった!