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子育てに関する歴史を書かれている本だと思い読み始めたが、歴史の本ではなく著者が過去の教育をじぶんが思うように解釈して主張していく本だった。
きっと著者の思いとしては、1989年の刊行時の『日本人の育ての知恵』の方が近いように思う。
自分が生まれるより前に亡くなった、曽祖母に自害の作法を教わるような時代を生きた人の主張をとやかく言うのはナンセンスかもしれないが、いまの私にとっては気持ちが悪くなるほどぞっとする考えばかりだった。
○男には男らしい、女には女らしい教育をするということが、人類全体を見た場合、幸せのもとになるだろう
○女性化した男性ができ、男性化した女性ができて、不幸が起こり始めた
○西洋人のように、コンクリートとレンガの中で育った人間は、精神的に行き詰まると、救いを求めるすべがない。
○動物の親は、子供を守るためには命を賭ける
等々。
それをすべて日本人はこうだった。という大きい主語で綴られるため、読み進めながらもやもやが溜まっていく。
面白い解釈はあるが、それを日本人という主語で語られると肌に合わず苦しい本だった。