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米国の大学財団(エンダウメント)が採用している長期投資の手法を、個人向けの活用方法に応用しようという本。
手法としては、
株・債権の伝統的資産、REITに代表されるコモディティに基づいた金融資産、そしてリキッド・オルタナティブの3つを組み合わせたポートフォリオを提唱している。
長期投資の基本は、資産の分散にある。
伝統的には株と債券との値動きが相関性が低く、国別の資産の値動きの相関性も低かった。
これが時代が変わって、株・債権の値動きの相関性がじわじわと上がってきているだけでなく、グローバル化の進展により国際市場全体の値動きも連動してきている。
そのため、効果ある分散投資を行うには、これらに加えて、コモディティなどの実物資産に根差す金融商品を加えることと、市場の指標に左右されず絶対リターンを目指すヘッジファンドをポートフォリオに加えることが効果的と説く。
特にヘッジファンドは元来は市場との相関性とは全く離れて、常に絶対リターンを生み出すことを理念としているのだから、ポートフォリオにこれを入れておくとリスク分散が図られるという寸法である。
さて。
ここまでのフレームワークの提案はなるほど、と思えた。
ところが
「しかし、実際に取り組むとなると、現状では絵に描いた餅という点もあります。」(223ページ)
引っ張るだけ引っ張っておいて、これである。
読んでいる途中から投資初心者の私でも何となく気づいたが、毎月数万円をコツコツ積立投資に回している程度の資力の人間にとって、積立投資に活用できるローコストなリキッド・オルタナティブ戦略は日本には殆どないらしいのである。
なので、本書で紹介しているフレームワークを、個人が早速採用することは難しいのである。
個人が手軽に変えるローコストなリキッド・オルタナティブ投信は、アメリカではもう普及しているからいずれ日本でも普及するはず、の一点張り。そうでなければ、著者が所属する会社が運営するエンダウメント・ファンドを買えとのこと。
結局実現性が低いというこの手の本としては大変残念な結論を持ってきてはいるが、まあ長期投資についての比較的新しい潮流を知ることができたのは良かった。
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ここ数十年間で目覚ましい成績を上げているイェール大学やハーバード大学のエンダウメント投資戦略なるものを紹介した本。
なるべく個人投資家の参考になるよう丁寧に紹介してあるだけでなく、論理的で分かりやすくてとてもためになった。
エンダウメント投資戦略自体の紹介は全体の2割ほどで、残りは投資戦略策定のために個人投資家が何を気を付けるべきかやヘッジファンドの紹介などと、ある程度投資について造詣がある人には役立つ情報が盛りだくさんである。
これ一冊で個人投資家の投資戦略に必要なことは網羅されているほどな気がする。
ただ、特に重点的に紹介されていたオルタナティブ、特にヘッジファンドについては現段階では日本では選択肢がほとんどないのだけが残念。
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ハーバードやイェールなどの各大学が行うエンダウメント投資について金融に精通する著者が個人でも行い、そして人生設計における資産形成の一助なるよう解説した一冊。
米国では普及している戦略で株式や債券やREITやETFなどを適切なポートフォリオを決めて長期的に投資を行うもので、強みや運用成績の解説だけではなく、なじみの薄いオルタナティブ投資やリキッド・オルタナティブ戦略などについても解説されており非常に勉強になりました。
また、投資を行ううえでどのような選択肢があるかも書かれているところも親切で好感を持てました。
また、日本の投資信託の現状も詳しく書かれていてそちらも興味深い内容でした。
エンダウメント投資の強みとしていちばん感じたのは、リーマンショックなどの市場環境が激変した際にもリバランスを行うことよってまた大きなリターンを得ることが出来る部分でした。
終章にあった著者が唱えるディスインフレの時代に有効的な投資戦略だと感じたともに、これからの投資戦略において新しいもので考えやファンドなどが日本でも普及していけばいいのにと読んで感じました。
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2015年の本。丁寧に書いているが、もろもろサワリだけ。アセット・アロケーションの具体例を示すが、「リキッドオルタナティブの公募投信の選択肢はない」とハシゴを外す。
一番違和感を覚えたのは「個人の資産運用に負債はない。よって米国のE&F同様のアロケーションが有効」という主張。この著者はおそらく資産がたくさんあり、自宅のローン、お子さんの教育費の手当、親御さんの介護費用準備。などが全て終っているのだろう。
最後のチャプター。「インフレ時代が終わりディスインフレが長引く」「債券をポートフォリオに組み入れることによる分散効果は期待できないかも」。そりゃそうなんだけど、その先の考えも書いていただきたかった。
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エンダウメント(大学等の財団で、寄付金等を原資とした資金運用をする主体)の投資戦略を紹介する本。
ハーバード、イェールなどの資産運用とはどういうものか、概略がわかります。
自己資金での運用ということで、個人投資家との類似点を指摘。
著者はGCIアセットマネジメントのファウンダー・代表でGCI・AMの投資戦略(≒エンダウメント投資戦略)も紹介。
投信買ってみました。
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本書では、米国のハーバード大やイェール大の財団が行うオルタナティブ投資を含めた資産運用の手法を単なる金融商品の紹介にとどめず、長期投資の枠組みとプロセスまで紹介するものとなっています。
この本では分散の重要性も書いてあるので、推奨ポートフォリオが書かれてありましたが、国内株10%、世界株30%、債券20%、国内外のREITが5%ずつで、残りの30%がリキッド・オルタナティブ投信でした。
GCIエンダウメントファンドというのが販売されているようですので、ちょっと検証してみたくなりました。