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有限変形の考慮の入れ方。
大学院の「構造力学特論」の参考書として購入。曲線座標系の取扱いを解説する。座屈を有限要素法で解くやり方が例示されており計算の過程も参考になる。
有限変形と弾塑性解析がコンパクトにまとまっており手頃に応用に移行できる。そのぶん固体力学の基礎的な解説は最小限に絞られているが、初めの数章では要点や少し応用的な別の視点からの補足が加えられ基礎の再確認に役立つ。
例題が本文途中に挿入され解答例と共に解説を進める構成である。有限要素法の例題は手計算できるよう工夫されている点が良い。ただし例題は抽象的な数式の導出問題が多く、具体的な曲線座標系や弾塑性解析の計算例は思いのほか無く、実情がつかみにくいのが難点だろうか。
目次
1.ベクトル
2.テンソル
3.2階テンソルの性質
4.テンソル場
5.固体力学と有限要素法
6.はりと柱の変形
7.一般テンソル解析
8.有限変形理論
9.弾性力学の基礎
10.塑性論の基礎
11.アイソパラメトリック要素
12.物質客観性の原理
13.動力学の基礎