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著者があまりに心配性なのと、自意識過剰?なのが面白くて読みながら笑ってしまった。
「ブックモビール」のオチはどうなったの?知りたくて仕方がない。どうか続きを(笑)
あとがきと解説から推測する著者の震災に対する心境はとてもよくわかる気がする。
被災地の住人だが沿岸の被害に比べてしまうと被害はまだましなほうなので、被災地代表というのもなんか……でも、被災地の人間でない者から仙台は大丈夫、と言われるのもそれは違う気がする、というこの微妙な感覚を持っている人はとても多いのではなかろうか、と。
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仙台に暮らす著者が、身の回りで起きたことや普段感じていることを綴ったエッセイ集。
2005年から2015年に書かれたものなので、未曾有の被害が発生した東日本大震災の時期も含まれる。明るい内容から一転して、著者が途方に暮れる日々が伝わってくる。作家として何ができるのかという苦悩は、今後の作品に大きな影響を及ぼすと思う。
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仙台出身なので、どんなことが書いているのか気になって購入。タクシーが多いってことだけ仙台っぽかったかな。
震災のことにも触れられていますので、避けたい方はご注意を。でも、あの日仙台にいて、大きな被害がなく、家族も無事だという自分に何ができるのか、何を言えるのか、と悩む伊坂さんに親近感がわきました。多分、そういう人は多いんじゃないでしょうか。あとは、伊坂さんのご友人の、「今が、公務員の頑張りどころだから」という言葉。人の役に立つようなことは何もできなかったけど、公務員として、あのとき震災関係の仕事を精一杯頑張った自分を、少し褒めてあげたくなりました。
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丸善、アーミーズ、フォーラスなど、昔懐かしの店名が出てきて、軽い郷愁の気持ちになった。できれば、川内キャンパス近くのラーメン屋さわきについても語ってほしい。
あとがきの「震災があった都市ってことだけがクローズアップされるのは、違うじゃないですか。」に共感。著者のいろいろな想いが詰まっている本だった。
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とにかく地元が舞台のエッセイ集なんで、隅から隅まで実感をもって読めて楽しい( ´ ▽ ` )ノ
丸善(書店)、高校の教科書を買ったとこ( ´ ▽ ` )ノ
トンペイ(東北大)生じゃなかったけど、敷地はよく通ったもんだ( ´ ▽ ` )ノ
学食のカレーはジャワカレーを使ってたなあ( ´ ▽ ` )ノ
いささか先生原作の映画が続々公開されたり、楽天優勝や羽生結弦パレードとかもあったりして、仙台の町並みもすっかり全国的におなじみになった、かな?( ´ ▽ ` )ノ
と、楽しい話だけじゃないのが、本書の特徴で……
震災の話、こういうの読むと、やっぱり思い出しちゃうね……
「いずれ宮城県沖地震がくる」といきなり発表されたときは驚いたし、その後数年間、やたら大きな地震が頻発して不安をつのらせたもの……
だけど、そのうち震度3~5くらいの地震じゃ慣れっこになってしまい、実際3月アタマに震度6があったときにも「またか」としか思わなくなってた……
今からすれば、3・11にはずっと予兆があったのに、なんにも対処をしてこなかったことが、本当に悔やまれる……
震度6と7とじゃ、揺れの程度がまったく違ってるんだよねえ……
ライフラインの完全途絶には本当にまいった……
買い物も給水も毎回3~4時間の行列……
いつも通ってるスーパー、電灯が完全に消えBGMもない店内は異様だった(レジは電卓)。ほとんどの棚は倒壊し、床じゅうに商品が散乱……
パンダ見物みたいというかところてん方式というか、10人くらいずつ店内に入れられて、特設コーナーに並べられたワゴンからありあわせの商品を選んで買っていく、という方式だったけど、本当に欲しいもの(生鮮・パン・缶詰・インスタント食品など)は即座に売り切れ……
昼は終始ヘリが飛び回りサイレンが鳴り渡り、夜は一転無音・無明……
小雪ちらつくなか、数キロ先の仙台港から立ち上るキノコ雲状の黒煙を眺めながら、小学校の校庭で給水の行列に並んでいたときは、本当に「日本はもう終わりだな」と思ったものだ……
化学工場の火災かなんかだったんだろうか? あの黒煙は数日間ずっと消えずにいたなあ……本来なら全国紙トップに載るような事故だったろうに、大混乱の中「その他もろもろ」のエピソードになっちゃったよう……
いささか先生も書いていたけど、そんななか日本中から駆けつけて復旧にあたってくださった技術者の方々には本当に頭が下がった……
深夜まで電柱工事に取り組んでいた人たち、避難所で皆の世話をしていたボランティア、隊列を組んで海岸沿いの被災地に向かう自衛隊の車……
一方で、一番だいじなそんな時期に「子ども手当か、子どものための手当か」なんてどうでもいいことを論戦していた国会議員については、「この人たち、狂っているんじゃないか?」と本心から思ったものだ……
……まあ、長くなったからこのへんにしておくけど、本書のような「小中規模の被災経験」を描いた作品には、「大規模な被災経験」をとりあげた作品とはまた別の価値があると思う。
2018/05/28
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伊坂幸太郎さんのエッセイ
ちょうど仙台に行く機会があったので、新幹線の中で読みました。
〇〇が多すぎる、シリーズは、小説のトーンをそのままに、仙台の平和なんだけど笑える珍事が描かれていてほっこり。
後半の震災にまつわるエピソードは、仙台に住んでいる方のリアルな声が描かれていました。
「仙台は無事でいいね」の言葉が、いかに仙台の方を苦しめているのか、「被災者にしかわからない気持ちがある」など、とても率直な気持ちが書かれていて、伊坂さんが仙台を代表して、仙台のために声を上げるという気持ちを感じました。
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東日本大震災後に出た最初の本です。
エッセイで作者の顔が垣間見える内容がとても良かったです。
押し付けたり堅苦しかったりしない内容で
伊坂先生だからこそ書ける東日本大震災についての章も
素直に読めるものでした。
"これから仙台が、東北が、社会がどうなっていくのかはまったく分かりません。が、どうせ分からないのであれば、明るい未来を想像したいな、と最近ようやく思うようになりました。それはとても難しいですけれど、想像するくらいであれば、そしてそれを少し信じることくらいであれば、やってやれないことらないような気もしています。"
など、沁みる感じがしました。
震源地から離れた東京に住んでいた自分でも、あの時は
ずっと途方にくれ、無力な自分に落胆しましたし、
先生が、仙台市民だけど沿岸の人のように壊滅的な被害を受けた訳でもない
そんな自分がなにを発信すれば良いのか、
被災者の代表みたいになるのは違う
と考えられた件にとても共感します。
真剣に考えるからこそ、安易に言及はできないと思うのです。
気がつくと涙が出てしまうような情緒不安定になってしまい
小説が読めず音楽も聴けず 暗澹とした気持ちに自分もなりました。
娯楽は不安な生活の中ではまったく意味をなさず
もう小説を書くこともできない
と思ったときに、喫茶店でまた楽しいのを書いてくださいね
と言われたというのが刺さります。
被災地の作家と出版社だからこそ淡々と出そうという決断に
私はエールを送りたいと思いました。
まったり読める作品です。
2016.1.28東日本大震災後に出た最初の本です。
エッセイで作者の顔が垣間見える内容がとても良かったです。
押し付けたり堅苦しかったりしない内容で
伊坂先生だからこそ書ける東日本大震災についての章も
素直に読めるものでした。
"これから仙台が、東北が、社会がどうなっていくのかはまったく分かりません。が、どうせ分からないのであれば、明るい未来を想像したいな、と最近ようやく思うようになりました。それはとても難しいですけれど、想像するくらいであれば、そしてそれを少し信じることくらいであれば、やってやれないことらないような気もしています。"
など、沁みる感じがしました。
震源地から離れた東京に住んでいた自分でも、あの時は
ずっと途方にくれ、無力な自分に落胆しましたし、
先生が、仙台市民だけど沿岸の人のように壊滅的な被害を受けた訳でもない
そんな自分がなにを発信すれば良いのか、
被災者の代表みたいになるのは違う
と考えられた件にとても共感します。
真剣に考えるからこそ、安易に言及はできないと思うのです。
気がつくと涙が出てしまうような情緒不安定になってしまい
小説が読めず音楽も聴けず 暗澹とした気持ちに自分もなりました。
娯楽は不安な生活の中ではまったく意味をなさず
もう小説を書くこともできない
と思ったときに、喫茶店でまた楽しいのを書いてくだ���いね
と言われたというのが刺さります。
被災地の作家と出版社だからこそ淡々と出そうという決断に
私はエールを送りたいと思いました。
まったり読める作品です。
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まだ読めていなかった、伊坂さんのエッセイ集。
東関東大震災の時期に書かれていた筆者のエッセイ+書き下ろしの小説から構成されている。
随所に筆者の「優しさ」が感じられる一冊だと思う。
ただ、個人的には「3652」の方が伊坂さんの小説に対する考え方が書かれていて面白かった。
本人も書いている通り、あまりエッセイは得意ではないのかも…
印象に残った言葉として書かれている「災害現場を見にきて、これはひどいと言いたいだけ…」という部分。
何となく言いたいことは分かる気がした。
結局、「本当の気持ち」は経験した者にしか分かるはずがないのだと思う。
<印象に残った言葉>
・ ブルハーツの歌詞に倣うわけではないけれど、「この地震でへこたれるために、今まで生きてきたわけではないのだ」と自分自身に言い聞かせている。(P157)
・「大きな災害に遭ったりした人は、その影響で、急に泣き出したり、怒りっぽくなったり、虚脱状態になったり、塞ぎ込んだりする」らしかった。「それは生き物の防御本能のようなものだから、そういう状態に自分はいる、と自覚しておくことが大事なのだ」と。(P170)
・それに人ってのは、その土地で生きているんだよ。まわりの人間とコミュニティの中で。だから、簡単には移動なんてできねえよ。ほら、シールと同じだ。(P202 渡邊さん)
・あなたは、ただ、大きな自然災害の現場を見にきて、ああこれはひどい、言葉を失うね、と言いたいだけなんだ。砂漠に隕石が落下したのを見に来るのと同じなんじゃないですか。それに、ここに来るなら、台風や地割れの被害に遭った土地には、なぜ行かないんだ。(P210 渡邊さん)
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仙台の出版社、荒蝦夷が発行する地域誌『仙台学』での連載を中心とした伊坂幸太郎のエッセイに、書き下ろし短編「ブックモビール a bookmobile」を収録した作品。
震災について口を開くことがなかった伊坂さんですが、初めてここで語られるとのことで話題に。
単行本に関して、書店は買い切り仕入れだったとのこと。書店も注文に魂がこもったことでしょう。内容もさることながら、流通方針にもグッとくるものがあります。
仙台で伊坂さんが過ごしている日常、住民との触れ合いを、淡々と書き綴っている本作。
彼の小説と同様に飄々とした登場人物が多く、エッセイというより新たな短編集を読んでいるかのよう。
そして後半は震災後の話へ。日常の一コマ、平穏な日々の続きとして綴られる震災後の「仙台ぐらし」。
被災地とは別の場所で生きていた者からすれば、どんなに身近に感じようとしても、当事者とは同じ気持ちを共有できない。
(ましてや当時大阪ぐらしだった私は、今周囲にいる関東の面々とも違う感覚を持ってしまっている。)
今回伊坂さんの視点で震災後の日々を覗き見て、震災後の彼らの日々の暮らし、やらなければならないこと、目まぐるしい心の変化を文章で感じました。
「今やっていることをやり続けなさい。今踊っているダンスを踊り続けなさい。」
伊坂さんが行き着いたこの言葉はきっと災害に限らず、どうすればいいか迷ったときの私たちの道標になる。
所謂「震災本」ではなく、日常の一コマとしての描写を徹底した本作だからこそ、読者の心に伝わるものがあるのでしょう。
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エッセイ+短編小説。
伊坂さんのエッセイ初めて読んだので、こんなこと考えてるひとだったんだ…と新鮮だった。
当時、震災関連の発言がなかったことにこの本を読んで納得。
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伊坂さんが心配性なのは知ってたけど、まさかここまでとは!と思わせてくれる内容でした。人が殺される話を書く人とは思えない(笑)
あんなにいろんなこと心配してたら疲れるだろうなと思う反面、その繊細さがあるからこそ、緻密な小説が書けるんだろうなとも思います。
震災については、伊坂さんのリアルな気持ちが分かって良かったです。震災を跨いで連載されたエッセイと言うのは、とても貴重ですね。
いつも現実と非現実の境目のような、本当にあってもおかしくなさそうな話を書く伊坂さんだけど、ブックモービルは半分実話だけあって、いつも以上に世界に入り込んでしまった気がします。
エッセイは人柄が分かるので好きでしたが、もう書かないのは残念です。
いつか仙台に行く機会があったら、喫茶店巡って伊坂さんに出会いたい。
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カバーを見た時、トイカメラ風の映像処理はされているが地面を覆っているのは泡立つ海水なのではないかと思え、仙台=東日本大震災と想像が膨らんだ。後に本書は、著者と編集者は仙台に暮らすがために震災関連本であることを主題とはしなかったと判った。著作が映画化されるくらい売れっ子となった著者は初読みで、どうせならエッセイから入り著者の人となりを知りたかった。そして、それは正解だったと思う。著者の作品の何冊かは積読なので、これからが楽しみだ。
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伊坂幸太郎の頭の中を垣間見ることのできる1冊。
エッセイが苦手と言っているのがなんとなく伝わるけれど, こういう思考回路であぁいったお話を紡ぎ出せるのか, と感じることができるという意味で伊坂エッセイも好き。
私自身, 夫の転勤で仙台に来て, 仙台という街の魅力を知った。コンパクトでちょうど良い, なるほどその通り。
そして震災のこと。仙台の人と話すと切り離すことができない話題だし, その爪痕は人々の心にはもちろん, 街のあらゆるところに残っていて, こちらに来たばかりの頃は『すっかり復旧してる』なんて思っていた自分を過去に戻って殴ってやりたいと思う。
仙台生活もあと半年。
読むべき時に読めたな, と我ながら思う。
この素敵な街を舞台にこれからも, あっと驚く小説が生まれ続けることを楽しみにしている。
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私は学生時代仙台に住んでいたので(伊坂さんの後輩になりますね)懐かしさもあり、読んでみました。エッセイは小説とは少し印象が違って、すごく良い人らしくて好感が持てました。別に小説で悪人の感じがするという意味ではありませんが。特に東日本大震災に対する態度は誠実だと感じました。あとがきのインディーズバンドとの話が面白いです。人の縁てあるんですね。
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伊坂幸太郎の仙台での暮らしの中でのいろいろがわかりました。なじみの場所も多く出てきて、親近感がわく。仙台へ行くことも多いので、なかなか楽しめました。仙台愛を感じます。