紙の本
人を信じるということ
2015/08/29 21:32
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投稿者:乾 辰巳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容に触れていますのでご注意下さい。
藩を追われ、閑古鳥の鳴く道場の主となった弥市と武士を捨て商家の主となった喜平次の暮らす江戸へ、かつて二人が想いを寄せた女性、萩野が出てくる。彼女は密命を帯びており、二人は彼女の護衛をすることに。そこから元いた藩の争いに巻き込まれて、という話です。
葉室さんは武士の矜持をテーマにした主人公を描くことが多いのですが、今回は弥市のキャラクターのせいか、どこかユーモラスでエンタメ色が強く、面白く読めます。
最後はまあ、そうなるんだろうなって感じで終わりますが、人を信じる気持ちがとてもすがすがしいです。
自分は弥市の元に押しかけて女房に収まる弥生の人柄に魅力を感じました。自分を大福餅に例える弥生に「大福餅は好きでござる」と応じる弥市、それだけで二人の人柄が分かる気がします。
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この物語のまえのお話をどこかで読んだ気がするのに、題名を思い出せなくて‥‥二人の武士の幼い時からの恋心が今になってどう変わっていくのかが少し面白かった。
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全1巻。
藩を追われた男2人が、初恋の人を守るため、
旧藩の陰謀に再び巻き込まれるって話。
うーん。
著者お得意の藩政ものかと思いきや、
なんだかよくわからない女心に振り回される感じ。
読者も。
とにかくヒロインがムカつく。
ムカつくままなんとなく良い話っぽくまとめられて、
最期まで腑に落ちなかった。
こういう女だいっきい!って感想のみが残り、
モヤモヤする読後感。
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あらすじ(背表紙より)
剣は一流だが道場には閑古鳥の鳴く弥市。武士の身分を捨て商家に婿入りした喜平次。十六年前に故郷を追われ江戸で暮らす二人の元に初恋の女が逃れてくる。だが、変わらぬ美しさの裏には危うい事情があった。一方、国許では化け物と恐れられた男が返り咲き、藩を二分する政争が起きていた。再会は宿命か策略か? 儘ならぬ人生を描く傑作時代小説。
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時代小説の形を借りた恋愛小説。
お家騒動に巻き込まれ藩を致仕し、江戸に出た二人の男(恋のライバルであると同時に刎頚之友)が、二人の初恋の女性の用心棒をすることになり、三人を軸に物語が展開。
「永遠に結ばれることのない恋―人は誰も皆、そうした思いを乗り越えて、人生のパートナーを見つけていくのではあるまいか」という解説の言葉が、この小説を語りきっているといっていいか。
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葉室さん得意の、仇討と藩政の不正を暴く痛快時代劇…かと思いきや、なんとファムファタールものとは、ビックリ。
とにかくヒロインがヤな奴で、幸薄い系の美女を装って男どもを手玉に取るって感じの、涙は女の武器なのよ、それも必殺技じゃなくて標準装備なのよ的な…こういう女おるわぁ。
物語の本筋はひねりのない直球な時代劇だけど、この悪ヒロインの存在が手元でクイっと曲がる的に効いててオモロい仕上がりになっている。葉室さんってこういう読ませ方もするんやなぁ。
でも、やっぱこの女、キラいやな
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「武士とは命懸けで人を信じるもの」と帯にあります。
葉室さんの作品であり、当然ながら情緒あふれる時代小説を期待したのですが。。。
エンターテインメント系です。
ある意味、判りやすい。何せ主人公たちが、自分の想いを口に出して説明してくれるのですから。でも、なんだかやっている事と口にされる想いの間にギャップがあるように思えます。
男二人と一人の女性の物語。でも、このヒロインがやたらと思わせぶりでどうも好きになれず
確かにエンターテインメントとしては十分に楽しめるのですが。
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内容(「BOOK」データベースより)
剣は一流だが道場には閑古鳥の鳴く弥市。武士の身分を捨て商家に婿入りした喜平次。十六年前に故郷を追われ江戸で暮らす二人の元に初恋の女が逃れてくる。だが、変わらぬ美しさの裏には危うい事情があった。一方、国許では化け物と恐れられた男が返り咲き、藩を二分する政争が起きていた。再会は宿命か策略か?侭ならぬ人生を描く傑作時代小説。
2016年6月2日~6日
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9月-9。3.0点。
幼馴染みふたりが脱藩したが、旧藩の後継争いに
巻き込まれる。ふたりが憧れていた女性もふたりの近くに。
思わせぶりな女性、揺れるふたり。
うーん、女性のいやな面ばかりがクローズアップ。
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萩乃の心情が今ひとつ推し量れないのは、女性として嫌いなタイプだったからだと思うが、それ以外は面白く読めた。
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萩乃さんは、男性にはモテるけど女子に嫌われるタイプですね。
対して、“大福餅”・弥生さんは好感が持てます。弥市は幸せ者ですな。
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葉室麟さんの作品は初めてだったが、文章もすっきりとしていてとても読みやすかった。
悪者退治を話しの軸に、弥市と喜平次の過去と現在の揺れ動く恋心にちょっと切なくなった。二人がいい男なだけにふらふらしていて、どっちつかずの萩乃の良さがよくわからなかった。美人は得ですなぁ。弥市が大福餅の弥生さんを選んでくれてよかった!
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気楽に読める時代劇
葉室麟さん、男性描くのはうまいのに
女性はなぜこんな中途半端なのでしょう
ただ美人だとしか……
大福餅さん素敵でした
≪ 伝えたい 想いはまっすぐ 届けたい ≫
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面白かった
時代小説の名を借りた純愛エンターテイメント?
ヒロインの思わせぶりな態度に振り回される男たち(笑)
ストーリとしては
6年前に故郷を追われ、江戸で暮らす元武士二人。
一人は武士の身分を捨て、飛脚問屋に婿入りした喜平次
一人は道場のに閑古鳥が鳴いている弥市
そんな二人のもとに、初恋の女、萩乃が密命を帯びて江戸に訪れます。
結果、二人は萩乃の護衛をすることに。
藩内抗争ものと思いきや、萩乃に思いを寄せていた二人の恋の行末は?
といった展開。当然、萩乃は妻女になっているし、喜平次にも家庭があります。
どろどろの不倫+三角関係の雰囲気です(笑)
さらに、萩乃が天然?のようにふらふらしていて、二人は振り回されます。悪女としてふるまってくれたほうがもっとスッキリなんですが(笑)
しかし、弥市が出会った弥生の存在によって救われます。
「好きな女人と大切に思う友を救いに駆けつける殿方を好ましく存じます」
弥生ってすごい女性!
武士の恋愛
「武士とは命がけで人を信じるもの」
...いいですね。
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故郷を罠に嵌って追い出された二人が、原因ともなった藩の重臣の娘の警護をすることに。この警護も罠だった事が後で明かされる。この二人は娘に憧れていて、人妻となっても想いは増すばかり。
また、この娘が思わせぶりでどちらにも好きな素振りを見せる最低な女性。敵味方ともみんな悪い人達の中にあって、新たにお見合いで知り合った女性や、商人となって婿入りした先の妻など揺るがない愛情を持って接する女性達がいることでバランスが保たれている。