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【頭痛】最初に二次性頭痛(今まで経験した事がない頭痛)でないか評価する。二次性頭痛であれば生命にかかわるので、すみやかな対応が必要となる。二次性頭痛が除外ができたら片頭痛(吐き気・おう吐を伴う)かどうかみる。片頭痛でなければ緊張型頭痛を評価する。
【発熱】高齢者、基礎疾患のある患者、免疫不全患者はすぐに対応する。バイタルサインの評価を行う。悪寒・戦慄を伴う場合は要注意。ハナ、ノド、セキの3つがそろえば「風邪」。鼻汁の出る発熱に重症疾患は少ない。
【めまい】めまいの分類は、回転性、浮動感、前失神の三つ。(回転性)頭痛、神経症状、蝸牛症状の有無を確認した上で、①頭位変換時のみで安静時にない、②1分以内に収まる、以外は中枢性を考え精査を進める。(浮動感)①失調がないか確認、②全身状態、特に薬剤性を評価、③器質疾患(小脳)を除外後、非器質的な原因を考える。(前失神)心原性を除外するため、心電図検査は必須。消化管出血や薬剤性みあるため要注意。神経症状がなければMRIは必須ではない。
【胸痛】絶対に見逃してならないのは、(急性冠症候群・大動脈解離・肺閉塞症・緊張性気胸)で、共通のキーワードは「突発・持続」。胸痛の持続時間が数秒以内や一日以上持続する場合は、狭心症や心筋梗塞は否定的。痛みの範囲指で示してもらい、チョキなら安心(表在性・体性質痛)、グー・パーは要注意(内臓性)。胸痛の持続時間が数秒以内、呼吸・体動に伴って胸痛が変化する場合、原因は胸膜より外側にある。限局性の表在性圧痛があれば、筋骨格系である可能性が極めて高い。
【腹痛】帰せる腹痛は全身状態のよい「分単位の間欠痛」のみ。それ以外は原則として受診が必要。ヒールドロップテストは短時間に簡単に実施でき、腹膜炎を疑う時に有用な方法である。食中毒は周りに同じ症状の人がいるかが最も大切な情報。直前の食事は原因でない事が多い。月経歴は、最終月経だけではなく、月経周期と規則性、その一つ前の月経までワンセットで聞く。虫垂炎を疑う病歴:腹痛→吐気の順、心窩部→右下腹部の移動、歩くと響く。
【動悸】動悸=頻脈ではない。一番多いのは「鼓動の自覚」。他に症状がない「鼓動の自覚」は比較的安心。呼吸困難、立ちくらみ、血圧低下、胸痛、冷や汗を伴う動悸はすぐ医師へ連絡する。動悸・呼吸困難が労作時に悪化しない場合は、循環器・呼吸器疾患は除外できる。「予期不安」の有無がパニック障害診断のカギ。「説明できない」身体症状は不定愁訴を考慮する。