紙の本
データも一つの「経験則」にすぎない
2016/05/25 20:31
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投稿者:tomoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
「学力」と名がついているせいか、教育に高い関心を持つ親御さんや、社員教育に応用することで関心を持つビジネス層に受け入れられているようだ。
政策やメソッドの検証には、データによるエビデンスは説得力を持つ。個人的な経験だけで語る専門家よりは、データに語らせるほうが信用度が高いのも事実だろう。
ただ”学力”や”教育”が前面に出てはいても、著者が根本的に関心があるのは、経済学による政策検証のほうにあると思われる。教育「政策」に影響を与えることが目的であり、教育現場はそのデータ材料なのだろう。
経済学がどれだけ発達しても、リーマンショックは起きたし、その原因―無責任な金融の肥大化―は今でも止められていない。金融も御せない経済学が、さらに複雑な人間の教育に関連する政策にどう関わってくるのか、注目している。
「どのような教育がいいのかという問いへの回答は教育される本人の特性や能力環境など様々な要因によって左右される」とあるから、多様性を生かす教育政策を、データによってサポートしてほしい。
教育の目的と検証、それぞれの重要性を取り違えないようにしたいものだ。
紙の本
教育者必読
2017/02/26 20:52
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投稿者:みーやん - この投稿者のレビュー一覧を見る
日経の経済教室で著者の考え方の骨子が紹介されていて興味を持つ読んでみました。
日本の教育で実証的なデータやエビデンスに基づく議論がされないのは、なぜなんでしょうか?
教育現場に関わっている方には是非読んでほしい本です。
紙の本
今までになかった発想
2016/02/27 09:11
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投稿者:うにょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
学力や教育に関して、経済学の手法を入れることは行われてこなかった。むしろ、タブーとされていたのではないだろうか。アメリカなどの事例を出しながら、経済的な教育効果の高さについてあらわされている。
誰しも、自分の子どもにはいい教育を受けさせたい。しかも、できればお金をかけたくない。かけるお金がない。その中で、本書を読めば、教育についてあれこれ考えることができるだろう。
紙の本
わかりやすい。
2016/01/23 22:14
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投稿者:うどん99 - この投稿者のレビュー一覧を見る
話のまとまり方がとてもシンプルで読みやすいです。
個人的には専門的な内容がもっと欲しかったですが、一般向けのとても読みやすい読み物になっているなと感じました。
紙の本
goood
2015/10/21 16:25
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投稿者:か - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済についてとても分かりやすく、幅広い分野を扱っていた。
若者にもわかるようにしてくれていたのが嬉しかった
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教育については、経験則で語ってしまいがちだが、この本は経済学の手法を使って客観的に俗に言われている教育方法や政策の妥当性を分かりやすく説明している。特に気になったのは、平等主義で教育を行うと、格差が拡大する可能性があること。
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研究データを収集し、分析し、政策提言する。
教育、福祉などの分野はそもそものデータ集めが難しい。
国、自治体は、多額の費用をかけデータを取っても粗集計ですまし、十分な分析ができていない現状がある。
データをもとにはっきりと主張されていて、読んでいてスッキリした。
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既存の日本教育をしっかりと揺さぶってくれる良書であると感じた。一読を他者にも進める。政策のみならず、大学経営も同様でありエビデンス必要不可欠である。しかし丁寧な合意の上、ゆっくりと広めていく必要がある。できなかったなりの政治的・社会的理由を置き去りにして、社会・組織変革を行ってはいけないと考える。
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教育にエビデンス(科学的根拠)を、という主張が展開されている。
膨大な債務と増え続ける社会保障費、という課題のある昨今、教育費を縮減するのではなく、根拠に裏打ちされた政策を実施する必要がある。
教育における検証や実験は、アメリカでは既に確立された手法だが、日本では教育分野は聖域化し、科学的検証を行うどころか研究者が教育データにアクセスすることすらままならないのだという。
教育関係者のみならず、子を持つ保護者にも役立つ、非常に良書である。
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「こどもを金でつるのは有効なのか?」「テレビやゲームをやめさせるべきか?」
など身近な題材を切り口にして、関連する研究を紹介し、一定の結論を示している。
ただし、この本の一番の目的は子育て指南ではなく「教育の効果は科学的に妥当な方法で評価すべきである」ということを伝えることにある。
「日本では科学的に妥当な方法で教育は評価されていない」ということである。
「科学的に妥当でない方法で教育方針が決定されている」ということである。
そしてそれは国民にとって自覚されていない。
科学的に妥当な方法、とは一言で言うと実験をおこなうこと、なのだが、その重要性が周知されない背景には「教育に実験を持ち込むことは悪だ」という国民全体のドグマがある。
でも、実験をおこなって白黒はっきりつけて最善と思われる方法を選択するのでなく、どちらが最善か分からない方法を分からないまま主観で選択すること、のほうが悪なのではないか。
教育の迷走(ゆとり教育とか)を見るにつけそう思う。
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未就学児への徹底的な教育の必要性。お金で釣ってもおやつで釣ってもOK、ただし、「集中して取り組んだこと」への報酬を与えるべきで結果に褒美を出すな、というのは、まさに学問への姿勢のイロハみたいではっとした。
大学生でも「難しいことに取り組む」こと自体が嫌な人ってのが結構いるんだよね。あれはもう手遅れなんで。
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書店でパラッと読んだどころ、非常に興味をもったので買った一冊。
日本では聖域となっている教育の分野に、経済学をもって統計から議論するもの。
少人数学級の是非
教育投資のリターンの大きい時期
しつけの効果
などといったどれも子育てにおいて気になることばかりが取り上げられており、非常に興味深かった。
終盤は教育分野の分析対象可能となるデータが日本には非常に少なく、もっとデータを生み出す実験を積極的に行うべきだという筆者の思いが吐露されている。
あとがきにて、筆者が受けた批判の一部が載せられており、
「教育は数字では測れない。教育を知らない経済学者の傲慢な考えだ」
といったクレームは、その光景が容易に想像でき、大変な思いをされているのだと同情したw
部活動や教育といった子供のことになると、途端にアンタッチャブルなものになるの風潮が少しでも変わっていく事を私も望んでいる。
そして教育における政策等がその時々の長の思いつきによるものではなく、エビデンスによって確証のとれたもので有意義なものになることを期待する。
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古市さんの本を読んで即購入。3日で読了。やはり、どういう幼児教育が良いのかがわからないまま。それでまた次の本(幼児教育の経済学)が必要になってしまう。なんだか、続けて買わすために、具体的な話を隠しているようにも思える。すべて版元はちがうのだけれど。要は、あるアメリカの幼稚園で行った実験がもとになっている。貧しい家庭の子どもたちの半数は就学前の教育をしっかり受けさせ、残り半分には受けさせない。その後、40年ほどの間継続調査を行う。すると、教育を受けた方は、収入は多く、犯罪歴は少ないという。これがきちんと科学的な根拠となりうる。そういう統計データが得られるのだそうだ。うーん、そこでその教育はどういうものだったのかが知りたい。しかし未だ不明。本書で少し救いなのは、最終章で「いい先生」が子どもを変えることがあるという話が出てきたこと。幼児期だけで決まってしまうということだと、ちょっと辛い。なにせ、うちでは幼児期の教育にはほとんどお金をかけていないから。まあ、文化資本なるものは買い与えていたけれど。
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「〜だと思う」、「わたしの経験から〜であるべきだ」といった、根拠のないフワッとした感想ではなく、実験データに基づいた教育本。「エビデンス」という言葉、近年よく耳にするようになってきましたが、教育の分野でもこんなアプローチがあるんだと、面白く読みました。
研究者の社会貢献ってこういうことなんだなぁと…。
教育に物申したい人が多いですが、こういった研究が他国に比べて進んでいないのが意外でした。
そして、高橋名人の名言「ゲームは1日1時間」はエビデンスがあるということがわかりました(笑)
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育児書は私の経験談的主観の本が多く、なるほどなと思うものもあるが、「本とかね?」と思うものも少なくなかった。本書はデータを元にした教育論書で、今までにあまり無かったタイプの育児論書。納得感も大きい。
ふと、育児についても考えてみた。このような本を読み、育児の事について考えている時間も育児なのだろう。この知識を生かせれば良いな。
【学】
ご褒美は「テストの点数」等のアウトプットではなく、「本を読む」「宿題をする」などのインプットに対して与えるべきだ。アウトプットは具体的には何をやればよいのかわからない。
自尊心が高いと学力が高まるのではなく、学力が高いという「原因」が自尊心を高める結果になっている
「あなたはやればできるのよ」などと言って、むやみやたらに子供を誉めると、実力が伴わないナルシストを育てることになりかねません。とくに、子供の成績がよくないときはなおさらです。
「頭のいい子ね」と元々の能力を誉めるメッセージを伝えると子供たちの意欲を失わせることになる。
一方「よく頑張ったね」と努力した内容を誉められた子は、2回目、3回目のテストでも粘り強く問題を解こうとチャレンジし続けた。
最近の研究でも、特に苦手教科の克服には、異性同志の教師と生徒の組み合わせの方が有効である
人的資本への投資はとにかく子供が小さいうちに行うべきだ(小さいうちに、金、時間をかけろ)
家計が大学卒業までに負担する平均的な教育費は、幼稚園から大学まですべて国公立の場合で1,000万、すべて私立の場合では2,300万に上がる。子供がいる家庭は、年収の40%を教育に使っている
ペリー幼稚園プログラム
未就学児に、少人数制で読み書きや歌のレッスンを平日2.5時間実施、家庭訪問し親にも育児アドバイスをしたところ、40歳になっても継続して、所得が高い、逮捕率が低いなどの効果があり、社会収益率は年率7%~10%にも上がる計算になった
高校を卒業後すぐに働き始めた人と、大学を卒業してから働き始めた人の間には、生涯年収で一億円の差