紙の本
久々にいい
2016/01/02 12:26
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投稿者:braves - この投稿者のレビュー一覧を見る
私にとって阿部氏の作品は「アメリカの夜」~「トライアングルズ」までとそれ以降に分けられると思っています。
特に「シンセミア」「ピストルズ」は、その評判は別にして、あまり出来の良くないエンタメに近づいているように思います。(氏の嫌いな島田雅彦氏と同様に)
ただ、久しぶりに本作は氏の「妄想力」が活かされており、初期作品に劣らず面白い。
次の長編が待たれます。
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アイドルのあらゆる情報を入手せよ。ネット空間で過熱するパパラッチ競争の中で、元写真週刊誌記者のタカツキリクオは若き資産家カキオカによって選ばれたターゲットED(エクストラ・ディメンションズ)のミカをモニターするチームの一員として能力を発揮。しかし新メンバーの加入が緻密なチームプレイを徐々に狂わせていく。
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緻密な計画、優秀な人材、スリリングな展開。何かしらの諜報機関かよ、と思いきや、その正体はアイドルの追っかけをするボンボンに雇われたモニタリングチームだった。
という設定なので、コメディ的な要素があるのかと期待するも、堅苦しい文章と終始シリアスなテンションなのが逆に滑稽。終盤にはダイアナ元妃の衝突事故を模したカーチェイスも。やたらと正確な数字が記されているのと、登場人物の名前が全てカタカナ表記という記号性が、妙に臨場感を増す。
キーになる「引き寄せの法則」と、超能力的な最後にはついていけず、頭に「?」の残る読後感だった。
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強迫的、偏執的でヒリヒリするようないつもの文体は鳴りを潜め、さっぱりと読みやすい(アニメのノベライズみたい)。登場人物たちを見つめる作者の視点は優しく、結末も希望の未来を示す。本作の様に、無限に枝分かれする可能性の一つを(多世界解釈)、観測者が強い意志で選択することで、世界は改変しうる、そんなテーマの物語は、3.11以降、確実に増えてきたように思う。
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何やら難しくややこしい。雇い主のためにアイドルのあらゆる情報を入手するべく活動するタカツキら。その仕事は雇い主のアイドルに対する独特の考え方に基づくものだ。しかし、新メンバーのこれまた独特の考え方からチームの危機が。
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キレッキレだなあー。
伊坂幸太郎に似てる、洋楽とか、テンポとか、奇跡とか、似てるけど阿部和重の方がキレッキレ。
読み解くの楽しいだろうなあ、私はしないけど。
犯罪だけど、エログロが出てこないから読みやすかった。
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「クエーサーと13番目の柱」(阿部和重)を読んだ。
ポール・オースターの「幽霊たち」を連想してしまったよ。(全然違うんだけど)
私の中では阿部和重さんの文章は苦手なイメージが張り付いてしまっているのだが、この作品に関してはグイグイ引っ張られていく感じが楽しかったな。
で、ラストが⁉︎