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交通事故で右足を失ったコービーは、義足の足を友達にジロジロ見られるのがいやで、学校ではおとなしく友達もいない。海が好きで海で働こうと家を売って船で暮らし始めたコービーの父親。交通事故以降コービーを必要以上に心配する母親。コービーが落ち着けるのは自分のボートで海にいるときだけだった。
そんなある夕方、コービーは浅瀬で網に絡まって苦しんでいるゴンドウクジラを見つけ、網を切ってあげる。そのとたん、クジラは子どもを産み落とす。自分助けたクジラの話を、両親は信じてくれなかった。コービーは、その後浅瀬で死にかけているクジラの親子と再会し、夜通し2頭を支え続け、沿岸警備隊にクジラとともに助け出される。
コービーの助けたクジラは、保護団体に回復を任される。
コービーの交通事故以降、ばらばらになってしまった両親の別居や、友達のいないコージーの孤立感などを、クジラの親子の海への帰還をとおして描いていく。
クジラと心を通わせ、保護団体とともに自然への復帰を手伝うコージー。コージーの思いとは別に冷めていく両親の関係。
最後は、コージーの周りの人間たち(両親・友人たち)は分かりあえるようになりつつある一方で、クジラの親子は海へ帰っていく。分かっていた、そしてそうあるべき別れではあるけれど、コージーにはつらい別れ。こうして、コージーもコージーを囲む大人たちも成長していく。
コージーの両親が本当にハッピーエンドになるのかどうかは、まだまだ分からないけれど、もう一度3人でやりなおしてみようというラストが、安っぽけな結末になっていなくてかえって良かったと思う。
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事故で片足を失い、義足で生活しているコービーだったが、海の中では自在に動くことができる。両親の不仲や、義足をじろじろ見る同級生のことも忘れられる。ある日、網に絡まり苦しんでいるゴンドウクジラに遭遇、必死で網を切り助けた途端、クジラは赤ん坊を産み落とす。傷ついた母親は、赤ちゃんクジラを水面まで持ち上げることができない。コービーは無我夢中で赤ちゃんクジラを追って潜り…。
クジラとの特別な絆が、コービーに行動する勇気をもたらす、感動の物語。
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すずき出版のこの地球を生きる子どもたちシリーズはいつもはっとさせられる作品多いなぁ。
右脚を無くして、家庭もうまくいっていない、いわゆるこじらせティーンエイジャーのコービーは海の上でだけ、自由でいられる。
ある時座礁したザトウクジラの親子を助けたことをきっかけに、コービーの世界が少しずつ広がっていく。
アメリカのYAは本当にティーンエイジャーの書き方がうまい。
五体満足でもコービーに共感する部分は多いはず。
中学生以上、かな。
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4年前、8歳の時の交通事故で右膝下を失ったコービーは、家庭では両親の不仲に悩まされ、学校でも心を開けないでいた。
ある日彼女は、網に絡まっているクジラと、その直後に生まれた赤ちゃんも助けた。その後気になって様子を見に行くと、座礁していた。彼女は一晩中母クジラの体を支え続け、呼吸を促した。明け方沿岸警備隊に保護されたが、クジラはパニック状態で治療がままならないため、落ち着かせるために彼女が手伝うことになる。
両親がその直前に別居状態に入ったため、彼女はクジラたちとともにテントで生活する方を選ぶ。
一方学校では、彼女の偉業が伝わるや、周りの見方が変わり、彼女も少しずつ心を開いていく。
思春期の少女の苦悩と成長を描く。
他のことが何一つうまくいかないために、クジラを唯一の慰めとする気持ちはわかるんだけど、ストーリーの運びがちょっとぎこちない気がする。
コービーは、みんなから嫌われているニッケルジャックと仲がいいし、彼はいろんなことを知っていて、いろいろ助けてくれていいるが、それはなぜか?とか、
最後に不仲の両親が仲良くなったのはいいことなんだけど、無理矢理感にあふれていて、ちゃんとお互い無理ないようにしておかないとまた繰り返すんじゃないのかなぁ?と思ってしまいました。