電子書籍
一度は読んだ方がよい
2019/12/21 22:32
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投稿者:有理 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の目次によると、あなたが悩むのは日本の働く仕組みがおかしいからであり、生き残りたければ個人商店を目指せ、ということらしい。
本書を読んで、働く日本人の悩みが解消するとはとても思えないのですが、就業のあり方を巡るグローバルな潮流がわかりやすく整理されて、提示、説明されています。バブル以前の成功体験にとらわれたままの中高年や、行き場のない閉塞感を抱えながらもやたら内向きな若い人たちは、一度は読んだほうがいいのかなと思いました。
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日本と外国を行き来する生活を送っている著者が感じた日本の働き方の限界と、どうすればよいかを述べたのが今回の本。
ベストセラー本の移り変わりを使って日本人の意識について述べている。今は、自己啓発本が流行している。その一方で、1990年のベストセラー本を見ると、落合信彦、長谷川慶太郎、堺屋太一と言った世界や未来に関する本を書いている著者に人気があった。そこから見えるのは、どうやったら自分のスキルが伸ばせるかと言うことに重点が置かれているのがわかる。
仕事第一でプライベートは二の次、会社が人生のすべて身を粉にして働くのが美徳と思われている日本だが、その意識が変わってきている。著者が引用している世界価値観調査(World Values Surveys)と言う調査で、仕事よりも余暇が重要と思っている人の割合が高いと言う結果を紹介している。
手軽に自己改革をうたっている自己啓発書やジャンボ宝くじに飛びつく人がいる理由もわかるなあ。仕事は美徳ではなく、可能ならやりたくないと潜在的に思っている人がたくさんいるのだろう。
「カイシャ」というシステムの終焉と著者は述べているが、実際に会社に通わずに在宅で勤務している人もいる。また、外国にアウトソーシングして人を雇う形態も増えている。
生き残りたければ「自分商店」を目指せ!では、良くある人気ランキングを参考にしてもその企業がこの先まであるかどうかという保証がない。「渡り鳥」になれとして、おいしいエサにありつける業種に移動することの必要性も説いている。そして「ロボットに取って代わられるような仕事ではなく、就きたい仕事ではなく、求められる仕事を選ぶべきとも説いている。投資と節税にも関心を示すべきとも述べている。やはりお金は大事だよということだな。
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日本で働き方で悩むのは、「外部環境の変化」なのに
「自分に問題がある」と思い込んでしまうから。
日本の働き方はおかしいと著者は主張している。
ではどうしたらいいのか。
・家族や友人を大事にする
・投資と節税の勉強に時間を費やす
あとはやはり英語かな
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日本人ってドMなのね。この本に書いてあることは決して誤りではないけれど、外国に比べ日本は~っていう文脈はもういいんじゃなかろうか。世界に比することが幸せなんだろうか、と感じる。
おそらく世界各国、国の中でもその地域においてのみ有効な働き方があるんじゃなかろうか。そんなのが統一されたら、人の生き方が統一されるということだと思う。ベルトコンベアで生涯同じ企業で働くことが楽な人もいれば、どこででも個人として働くことが楽な人もいる。それだけだろうと思う。
そもそも、海外だって産業革命以前と以降、インターネット以前と以降で働き方は変わっている。この本に書かれているように、ずっと同じ働き方が続いているわけじゃない。
生涯、自分が働きたいように働き続けることができる人は少ないだろう。それは、自分に原因があることもあるだろうし、社会が認めないこともある。
なんというか、もう日本人は駄目だよって煽る類の本はもうおなかいっぱいである。駄目かもしれないが、その根拠を日本人とするのも、海外の現在の主流を正とするのも、何か違うんじゃないかなぁという気がする。
この本の内容自体は間違っているとは思わないけど、煽り商法というか、脅し商法というか、なんというか、その論調があまり好きではない。
この本はcakesの連載で知ったのだけれども、cakesではそこまで気にならなかったので、編集者の方針でこう書いているのかもしれない。
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日本以外の先進諸国では、会社というのは、ギグ(コンサート)のために腕利きミュージシャンが集められたような、ゆるい組織です。転職を繰り返すのが当たり前で、重要なのは会社名よりも、何をやったか、です。
報酬の点からみて、年功序列というのは、その人の仕事の成果や勤続年数などの「属性」を重視することから、労働者に対する差別なのです。スウェーデンでは公務員の年功序列賃金は廃止されています。
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このままでいいのかな…とぼんやりと思った時、空気を読むのに疲れた時に自分のスタンスを確認できる。ストレスに潰される前、病む前に逃げて自分を守る、というのはまさにそうだと思う。
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タイトルがやたらと煽ってくるけれど、ざっくり言うと「日本人は働き方に悩むけど、それって日本の雇用システムの問題だよね」ということ。
サービス残業とかパワハラの横行とか、そういう日本の(ブラック)企業あるあるみたいなものを想像すると裏切られる。
ヤバいのは「自分の働き方」だと思っている人に読んでほしいからこそのこのタイトル…なのかな?と思いました。
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著者の働き方に関する意見本であり、人によって賛成できるかどうかはわかれるだろうが、自分の考えを深める意味では読む意味はあるのではないだろうかと思う。ワークシフトや自己啓発本などいわゆる売れ筋の本を批判し、日本社会の働く仕組み自体がおかしいことを指摘しています。この機会にもう一度自分が何のために働くのかを考える機会にしてはみてはどうだろうか?
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「不寛容社会」でもそうでしたが、著者は日本以外の事情に通じており、世界との対比で日本の労働事情をあぶりだそうとしています。タイトルに「働き方」とありますが、決してミクロな話し、すなわち日本の企業にはびこるサービス残業や根回し習慣といったことではなく、マクロ的=年功序列や終身雇用、就職ではなく就社(という言葉は著者は使っていませんが)といったあくまでも世界の国々と比較可能な点についての議論になっています。日本に生まれ日本で働く経験、また自らの人生の時間軸を基準にした「これが常識」という価値観が決して絶対的なものではなく、数ある考え方の一つなのであるということを実感させられます。
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これから社会人になる身としては、胸が痛くなった。自由に働きたいなら海外に行った方が早いよ!と言われている気分だった。
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2021年12月17日読了。めいろま女史による、日本人の働き方への警鐘と、日本以外ですでに起こっている働き方・労働市場の変化に関する解説本。国連はじめ世界数カ国での勤務・生活実績のある氏であるが、単なる個人の経験・感想を語るのではなく、学術論文やレポート、統計などエビデンスを引きつつ解説されるので信憑性は高く感じる。「会社に所属する私」ではなく、技能やスキルを売り込める個人商店である私にならなければならない、日本の労働環境に我慢し続けるくらいなら自分のスキルを磨き投資しそのような環境にシフトすべき、はそのとおりと思う。ただ日本という国は根本的には変わらず、みんな一緒に貧しく沈み、他国に資産を買い漁られる三流国への道を突き進むのだろうなあ…自分はいいとして、子どもたちには日本を出て生活できる能力を身に着けてもらいたいものだ。
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最後に出てくる、ライフスタイルジョブという言葉。
正規非正規という言葉の馬鹿馬鹿しさにそろそろ気づいて、この言葉に代えていこう。
日本人の仕事観、ほんとヤバいね。