紙の本
小説というよりルポタージュ
2015/12/21 07:34
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投稿者:gon - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋さんのランキングに入っているし、山一倒産に関心があったので購入しました。丹念に取材をしたルポタージュです。小説というより報告書との中間。初めからそう思って読めば、ためになるかも。読むのに4日間かかりました。私にとっては、時間がかかった方かな。情報収集能力が感じられる本です。
紙の本
読み物としては今ひとつ
2015/11/04 18:11
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投稿者:くりんぐりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラマを聞いて読みました。
この時代を生きた人なら覚えているエポックメイキングな倒産劇でしたが、この本にはあまり緊迫感が感じられませんでした。ひとりの人間を深くほりさげていないからかもしれません。群集劇としてもいまひとつ。現実はこんなものだったかもしれませんね。
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負け戦のときに、最後列で敵を迎え撃つ者たちを「しんがり」と言います。戦場に最後まで残って味方の退却を助けるのです。
四大証券の一角を占める山一證券が自主廃業を発表したのは、1997年11月のことでした。店頭には「カネを、株券を返せ」と顧客が殺到し、社員たちは雪崩を打って再就職へと走り始めます。
その中で、会社に踏み留まって経営破綻の原因を追究し、清算業務に就いた一群の社員がいました。彼らの一部は給与も出ないまま、「しんがり」を買って出て、無一文に近い状態になっています。この中心にいたのは、会社幹部に裏切られながら業務の監査をしていた人間たちで、証券会社では「カネを稼がない、場末の連中」と陰口を叩かれていた人々でした。・・・
山一證券の破綻を、記者会見で号泣した社長の姿とともに記憶している方も多いことでしょう。「社員は悪くありませんから!」という絶叫でした。
社長までが泣く、その大混乱にあって、「しんがり」の彼らはなぜ筋を通そうとしたのでしょうか。逆襲なのでしょうか、意地でしょうか、優しさなのでしょうか。
山一が消えたあとも、彼らは不器用な人生を送っています。しかし、決して不幸ではないと言います。「会社の破綻なんて人生の通過点に過ぎないよ」「潰れたって、何とかなるんだ」と。
一生懸命生きていれば、きっと誰かが見ていてくれる。――そんな彼らのメッセージは、どんな会社が潰れても不思議のない、リスク多き時代を生きる人々の励ましとなるのではないでしょうか。
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悪さをする人間は逃げ足が速いとか、偉い人ほど都合の悪いことには目を向けないとか、結局役に立つのはエリート扱いされない現場の人間とか、最近の企業事件にも充分当てはまりそうな話。
バブル期のいけいけごーごーな証券会社もつぶれるときは簡単につぶれますね。
資産に株がたくさん含まれている人は 20 万株が 20 万円になる可能性ってのを考えておくべきかも。
持ち株会とかストックオプションとか、考え物なんじゃないかな?
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最初は、半沢直樹のノンフィクション版のイメージで読んでいましたが、最後は人間臭いものを感じました。
何のために働くのか、人間としての生き様をいろいろ感じることができました。
「会社のため」って、結局は自分の保身のため…
何事も自分に正直に、強い気持ちをもって臨みたいですね
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うーんなんとも身につまされる話。規模は山一とはかなり違うが、当方もサラリーマン。最近、監督官庁からお叱りを受け、世間も多少騒がした。非常時の対応、経営陣の不甲斐なさ、かなりオーバラップするところがあって、他人事とは思えなかった。
山一も多くの社員は筋の通った、人間であったのだろうが、利益追求の名の下誤った道を歩んでしまった。その後始末に奮闘した、12人の戦いは、本人が望むと望まないに関わらず賞賛に値する。
自分が同じような行動をとれたかというと、全く自信がない。真っ先に逃げ出していたかもしれない。とても、嘉本さんのように、毅然とは立ち向かえなかっただろう。
本書で、一つだけ残念なのは、大蔵省側の不正?(見て見ぬ振り)について、深く踏み込めなかった点だけである。
今の所、今年一番の本である。
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山一證券破綻の経緯は何かで読んだ覚えはあるが、調査委員会については良く知らなかった。余りにもひどい隠蔽だったけど、日本の会社にしては良くまあここまで調べたなと。自分の勤めている会社がある日突然潰れたらどうするか?答えはひとつではない。
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1997年に自主廃業した山一証券の幕引きをした社員たちの姿を描いたノンフィクション。
自分の勤める会社が突然なくなることになったら?と考えて読むととてもリアリティーがあった。また、破綻の原因を作った経営陣にたいしての憤りを感じた。
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日経新聞に、あれだけ広告が出ていたら読みたくなります。
久しぶりのノンフィクション。
よかったです。
組織が健全であることが市場で生き残る道であり、社員に向上心を抱かせることを、涙とともに学んだ人間。
苦しむ価値のある仕事。
自分に損なことをするから信頼できる。
仕事は、人生そのものである。
今日の仕事をひらすらに、ひたむきに、正直に。
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会社とは恐ろしい。
非常識が常識になってしまう。
私はこの本の方たちのように当たり前のことを当たり前のようにできる勇気のある人間になりたい。
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最初に入った会社と2社目以降の会社では大きく違う点がある。それは愛着だ。これは友人が言っていたことでもあり、自分自身の経験でもある。
高卒で入って50歳を過ぎるまでずっと寄り添った組織ならば尚更ではないだろうか。
しかしそれだけではないだろう、この複雑な気持ちはきっとご本人にしか分からない。一気に読めた。
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山一證券の最後を書いたドキュメント。
真実はドラマよりも奇なりという言葉がぴったり。
こんなことが実際起きていたとは。
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面白く読みました。証券会社の破綻にあって、何の得にもならない(というより、むしろ無給だったりする)のに、真相究明、清算業務という後始末を引き受けた者たちの事情と気概がよく分かりました。
ただ、好みの問題なのだろうけど、文章があまり好きになれない。なんだろうな、著者の感情移入が見えすぎてしまうのかな。素材がものすごく良いだけに、もっと乾いた文章で読みたかったです。
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【会社の破綻なんて人生の通過点に過ぎない】、そんな風に思えている自分には心の奥にしまった怒りなのか淋しさなのかむなしさなのかが沸き起こってくるようなノンフィクション。
日本企業の病巣の深さを改めて思い知らさせる小説を読みながら、某デベロッパーのお粗末な施工詐欺のニュースをみて、進歩のない国だと思う。
今さら山一証券?
いやいや、いまだからこそである。
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企業の不祥事を美化することは、私は好きではありません。
でも、不祥事の裏で「どのような動きがあったのか?」内部の人間でなければわからないことがあります。
半沢直樹が企業エンターテインメントなら、「しんがり」はノンフィクション。
山一證券が破綻した時、社長の涙、涙の記者会見。
あの裏にあったことを、あらためて知ることができたのは、左遷された社員が最後まで会社に残り徹底的に原因究明をした社内調査委員会があってこそ。
山一の会見・事件から、私たちは何を学んだのでしょうか?
悪い部分があったのなら質し、正すことをしようとする
部署があっても機能しているのか。
うまく不祥事を隠すための社内調査は、あってはならないはずです。
現在も様々な不祥事があります。
調査委員会が設置され、記者会見が行われても納得できないことがあります。
昔の事件ではなく、今の時代だからこそ一読しておきたい一冊だと思います。