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市場は物理法則で動く 経済学は物理学によってどう生まれ変わるのか？ みんなのレビュー
- マーク・ブキャナン （著）, 熊谷 玲美 （訳）
- 税込価格：2,640円（24pt）
- 出版社：白揚社
- 発売日：2015/08/03
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紙の本
反証としては充分。しかし、そろそろ経済学の一般理論を提示すべきでは？
2015/11/23 10:45
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者：たけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
マーク・ブキャナン、マンデルブロ、日本では高安秀樹等により研究されている経済物理学に関する本である。物理学・数学を専門とする優秀な学者による新古典派経済学批判には、大いに期待し、その動向を見守っているところである。本書に関しても、例えばデリバティブが個々の経済主体にとってリスク低減となり得ても、行き過ぎると経済全体のシステムを不安定化させる等々、個々の指摘は新古典派経済学に対する反証として充分である。しかしながら、何か物足りない読後感があるのは、ひとえに経済物理学としての「経済学の一般理論」が提示されていないことによる。彼らが現在提示できているのは、ディーラーモデルに代表されるような個々のマーケットにおける理論だけである。我々が求めているもの、そして経済物理学者を自認する者たちが提示すべきものは、物理学を利用した「マクロ経済学」の「体系化された一般理論」なのである。高安先生、同じような本を連発するのではなく、そろそろご自身なりのマクロ経済学を体系化された本を出版してください。これ以上、反証ばかりを積み上げても、飽きてしまいます。
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