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余程のことがなければ施政方針演説、それも全文に気を払うことはない。だからこそ文章化したものを読むのは新鮮である。
意識しないと無味乾燥なものと思われがちだが、よくよく見るとその時々の時代状況や政権が取り組みたい課題が見えてくる。
毎回、スタッフの苦心の作品だと感じられ、重みがある。
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その名の通り、総理の演説集である。
電子媒体では一部あるとはいえ、まとまった形で紙媒体であるというのは特に研究を行う場合、有益であろう。
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戦後の歴代総理の所信表明・施政方針演説等を集めた本。
解説が若干ついてはいるがボリュームとしては演説そのものが圧倒的だ。
総理の演説って著作権はあるのだろうか。新聞とかにも出ているし、パブリックドメインなのかな。
戦後70年の昨年夏に出た本で、その需要を当て込んでいたのだろう。戦後71年だけど読んでみる。
解説に、日本の総理の演説は誰が書いているかわからない、とあった。アメリカの場合は有名なスピーチライターがいたりする。日本の場合はこっそり新聞の論説委員が書いていたりするらしいが、結局のところよくわからない。
僕が物心ついた頃(というか、総理大臣が誰かわかったころ)は福田赳夫内閣だった。だが名前を知っているだけで政策などは当然知らない。その中身がわかるようになってくるのは中曽根内閣の頃から。このあたりから、ちょっと浮ついたコトバが目立つようになってくる。
近年の総理のことは記憶に新しい、というかめまぐるしいので記憶もしていない、といいたいところだが、日本の総理大臣は近年にかぎらず結構前から短命政権を繰り返している(辞任理由は近年ほど稚拙になっている気がするが)。
自分が記憶している限りで見ても、演説の中身を少しでも覚えているのは小泉純一郎ぐらいだ。その小泉の演説も、多くは記憶どころか目にもしていない部分が多くて、結局メディアがよく取り上げたところを覚えているにすぎない。
裏を返せば総理の演説なんてテンポラリーなもので、メディアも国民もあんまり気にしていないのだ。事実、演説の中身には明らかに省庁に入れてくれと頼まれたであろうものが、ほんの一言二言出てくる、というのも目立つ。これは特に近年に多い。
昔は、漕ぐのに一生懸命だったから舵取りはいらなかったが、近年は舵取り(=金)に忙しい、というのがよくわかる。政治の役割そのものが変わっているんだなあ、と。それと、やはり左翼政権のリアリティの薄さもまた目立つ。経験不足からくるものか、そもそも集団のトップに向いていないのか。
面白い本であった。正月早々あんまり見たくない顔が沢山出てくる本でもあるが。