紙の本
タイトルはすてき
2019/03/29 15:06
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投稿者:みー - この投稿者のレビュー一覧を見る
どんな森へと案内されるのだろうかと。
だが、ページを繰るほどあまりにも繊細で
森で迷子になる前に引きあげるのがいいと感じた。
ピアノは白鍵と黒鍵からもできているわけだし。
紙の本
読みやすかったですけど…
2016/11/27 01:21
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投稿者:pino - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても読み易く、サクサクと読み進める事が出来て
ただ、もう一度読み返してみようとは…
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投稿者:納豆 - この投稿者のレビュー一覧を見る
生きること、働くこと、奏でること、人を愛すること、自然の情景などが、丁寧すぎるほど丁寧な文章でつづられている。
とても美しい小説……というよりは、これはもはや、一冊まるごと詩集といってもいい。
読んでいると、まるで少し湿った森の中で、ゆったりとした清廉な時間に包まれているような感覚を味わえるだろう。
……つまり、非常に眠くなる。私にはとてもつまらなく感じた。
ぶっちゃけ、物語としてはどうなんだといった誤読感。
これを読んだ専門の調律師に言わせると、仕事内容もありえないのだそうで。私も、読んでいて、働く人間のリアリティーにはほど遠いように思った。
舟を編むなどの、職業ものを期待するなら、肩透かしをくらうんじゃなかろうか。
今期、これが本屋大賞だったわけだが、それもどうなのか…。
非常に好みが分かれると思う。誰もが面白い内容ではなさそう。
自分に合うか合わないか、レビューなどを見て、先に確認しておくことをお勧めしたい。
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宮下さんの書く本ってなんとなくいいものが多い気がする。ほとんどの本、読んでますけど。なんとなくいい。なんかいい。核心的ななにかがないけど、ほっとして、なんかすごくいいって本ばかり。
最新刊のこちら「羊と鋼の森」は、タイトルからしてものすごくよさそうなにおいがしており、また読み始めて、外村がピアノに、ピアノの音色に出会ったあのわずかな瞬間、ページで、ああこれはすごくいい本だと確信した。
高校でふとした偶然で調律師板鳥さんに出会った外村は、ピアノを黒い森と評し、調律師をめざすこととなる。学校を卒業し、板鳥さんが働く店に就職が決まり、見習いから、本物の調律師になるなかで様々な客、そして様々なピアノに出会う過程を描いた物語。
厭な人があまり出てこないというのもよかった。や、厭な人はいるのだけど、どこか優しくてどこか憎めない。ちょっと扱いづらいだけ。それがまたリアルだった。
あのふたごが、和音が奏でる音色を聴いてみたいと思った。哀しい話じゃないのに涙が何度も出た。美しすぎて、儚すぎて、静かで少しさみしくて。本当に森みたいな小説だった。ピアノ、もう十年以上触れてないな。調律もずっとしていないピアノに触れたくなった。
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ピアノ。調律師。山。森。高校生の頃、体育館のピアノを調律する場に居合わせたことで世界が開けた青年の話。仕事に真摯に向き合う、でも何に対して真摯になっているんだろう、をずっと考えて探ってる。とても丁寧で優しい話だった。
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『羊と鋼の森』・・・まずこのタイトルに惹かれますよねー♪
それから装画と装丁も素敵で好き♪
そして、そして、この小説ですが、表現やら比喩やらなんやかや、とにかくすべてが、ムカつくくらい美しいw
いやー、素晴らしい!!
このあいだ、小川洋子さんの小説を読んで、こーゆー作家さんって他にはいないな~、と思ったのですが、あ、ここにいたかも・・・と言う感じ。
北海道で過ごした一年があったからこその小説、なのかなー?だいたい、北海道に、家族でぽーんと渡っちゃうのが、まず凄すぎですよねw
いやいや、宮下さんからはホント目が離せない感じですわ~!!!!!
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ピアノの調律師さんの物語。
昔,私もピアノを習っていて,調律師さんにも来ていただいてました。
そう短くない期間ピアノに触れていたにもかかわらず,この物語を読んで,初めてピアノに羊の毛が使用されていることを知り,調律によるピアノの微妙な音色なんか意識しなかったことを思い,やはり私の生きる道は音楽の道ではなかったことを改めて認識しました。
宮下さんの小説の中で,今でも一番好きな「スコーレ№4」の主人公も,美しいものを見出す目を持ち,どうしてもこだわってしまうものを追い求める性質を持っていましたが,その意味では本作の主人公外村君も似ていて,宮下さんらしさの溢れた小説だと思いました。
物語は淡々と進むのに,外村君が何を掴み取っていくのか,先が気になって一気読みでした。
宮下さんの小説の特徴でもありますが,物語はときには壁にぶつかったりするだろうけど,輝かしい未来を想起させて終わります。
とても読後感は爽やかですが,もうちょっと先を読みたいなと少しだけ物足りなさもあるので,☆4つです。
やっぱり宮下さんは,もがきながらも懸命に自分の好きなことを見出していく小説が秀逸ですね。
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ピアノを弾く人には、すぐにピンとくるタイトル。
音楽ものの小説って、主人公は「才能がある特別な存在」とか、「型破りな個性派」という設定のものが多いと思いますが、本作の主人公はいたってフツー。
真面目にコツコツ努力してすすんでいく様は、フツーの人たちに元気を与えてくれます。
でも、「真面目にコツコツ」というのも、一種の才能なのかも。
宮下奈都さんが、こういう若者を描いてくれたのが、主人公の同世代としては本当に嬉しい。
全体的に淡々としていますが、その中にピアノへの熱量がこもっていて、単純なお仕事小説や成長物語とはまた一味違う物語でした。
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「風景だったピアノが呼吸し始める。」
なんとなく生きていた青年外村くんがひとりの調律師のピアノの調律に立ち会い、良い音とは、美しい音とは、調律師としてどこを目指していくのかを探究していく物語。そう、外村くんにとっては当たり前のようにそばにあった森に、無意識ではあるのだけれど、深く深く影響を受けながら今の彼がある。なんともそれがうらやましい。
憧れが大きいと、その大きさに圧倒されてつぶれそうになってしまうこともある。でも、それにふりまわされては本末転倒なのだ。もっと確かなものを、自分の手で見つけていく。それが外村くんと外村くんを見守る先輩調律師たち。私も才能や憧れという言葉に惑わされ過ぎないように、「確かなもの」を見つけていかなくちゃ。
久しぶりにあぁ、出会ってよかったと思えた1冊。読み終えて、ふーっと深いため息がでた。宮下さんの書く世界は、生きていくことへの圧倒的な信頼というか肯定があるような気がして、とても深いところがそっと揺さぶられる。
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私が私であることを許されている。宮下さんの小説を読むと、いつもそう思う。
何かになりたいと思い、何かになろうと頑張っていて、それでも何にもなれない自分を不安に思い、この先どうしたらいいのか迷い、進むことも戻ることもできずにいる。そんな、森の中で迷子になっているたくさんの人たちに、自分を信じてこつこつと一歩一歩進んでいこうよ、とそっと寄り添ってくれる。いつか何か見つけられる時まで、きっとずっと寄り添ってくれる。そんな一冊。
これは音楽の、ピアノの調律師の物語だ。羊と鋼が奏でる美しい物語だ。だけど、読む人それぞれが心の、身体のなかに持っている森を、ほらっ、と取り出して見せてくれる。あなたにもあるでしょう、森が。あなたを包み、あなたの全てを許し、そして身体の隅々にまで行きわたっている森の泉があるでしょう、と。
あぁ、そうだ。宮下さんが紡ぐ言葉は静かに湧き出る泉のようだ。透明でさらさらと美しくて、のどの渇きも心の渇きも癒してくれる。私の中でいつまでも消えることなく泉のまま存在する、そんな言葉たちだ。
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調律師の話。
登場人物がみんな魅力的で素敵な物語だった。
宮下さんの小説は好きだ。嫌なところがないから安心して読める。
読後感は爽やかなんだけど、しばらくするとどんな内容だったか思い出せないんです。
でも好きな作家です。
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ピアノ
鍵盤から築かれる音楽は
森のように奥深く
入る者の心を奥へ奥へ連れて行く
調律師という視点から
描かれる
演奏者とピアノという相棒
ひとりの青年の成長と
普遍的な感覚
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ピアノの調律師をテーマにした作品。主人公である外村が1人の人間として、そして、調律師として成長をしていく。そんな作品である。ピアノを習った事がないため、定期的にピアノを調律しないといけないというのを初めて知った。調律師という職業があるのもこの作品で知った。調律師という職業の奥深さ、難しさなどを作品を通して知る事ができ、非常に良かったと思う。
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才能なんてなくなって生きていける。才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったってなくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない。そんなものに振り回されるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。
技術は身体で覚えるものー否、頭で理解する事が必須。そのためにメモを取り覚えようとする事が大切。
コツコツ一歩ずつ歩んでいくしかない。
美、善の語源は羊らしい。古代の中国では羊が物事の基準だったそう。そしてその羊毛でピアノのハンマーは作られている。
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ピアノの調律に魅せられた青年の物語。周りの人達に支えられながら様々な経験を重ねて一つ一つ階段を昇るように成長していく姿は逞しくも清々しくも感じる。双子の姉妹とのエピは微笑ましい。そして数々の素敵なセリフに魅了された。読後感もむちゃいい一冊。