投稿元:
レビューを見る
細川内閣から第二期安倍政権途中までの財務省と政治の関わりを描く。与党自民党の実力者と結託し予算編成スケジュールを見ながら族議員や各省と調整し落とし所を見つける。時には最強官庁としての虚像も活用しながら泥を被ることも厭わない。そうした極めてパワフルで政治的な官庁に対して、政治側有利に傾いていく。本書においても財務官僚個人の出番が徐々に減っていくのが、政治と財務省の力関係の変化を象徴していた。
興味深いエピソードもあったが、全体的に、時系列で起きた出来事や取材で得た情報を並べているだけ、という印象。筆者は日経新聞の記者らしいが、先日読んだ年金官僚も似たような感じだった。記者は職業上上手い文章は書けても、長い本としてそれを組み立てるのは得意でないのかもしれない。