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見せしめ、コレクション、科学や芸術、崇拝の対象……。あらゆる文化や社会で、なぜ人々は生首に魅せられ、首を切断したがるのか? 驚愕のエピソード満載の異色歴史ノンフィクション!
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表題の通り、首切りの本。
歴史通りというよりは、カテゴリ別に書かれている。
首狩り族は、私たちが想像してるような部族同士の戦いで勝った方が大将の首を戦利品として持ち帰るという部族ではなく、単に死者の首に宿る霊力を宗教的に利用するために手に入れてたらしい。
博物館に展示されてる首がたくさんあるのは、欧米人がビジネスとして先住民の首を求めたため、彼らは別部族を襲って首を狩るようになった。
私たちが想像してる首狩り族像を私たちが作ったようなものだ。
戦利品の首はその通り、戦争で戦った証として持ち帰ること。
特に第二次世界大戦中にアメリカ兵が日本兵の首を持ち帰ることが多かった。
が、大抵はその場で殺したものではなく、すでに死んでいる死体から取ることが多かったらしい。
反逆者の首は当時の王に逆らった人たちが死刑執行人またはギロチンで処刑され、その首が広場などに展示された歴史が書かれている。
展示される首は無名のものから聖人のものまで、あり、それぞれ見学者が絶えない。
ミイラ化された首よりも頭蓋骨を保存することが流行り、その後は首ではなく頭蓋骨を保存する時代にシフトしていった歴史が書かれている。
そして、最後は医大生などが解剖するときの様子が書かれている。
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首って興味深いよな…と軽い気持ちで図書館で借りる。
首に関するエピソードが豊富だった。
また博物館において「首」の展示が難しいことを知った。博物館等で展示物をどう見せたいのか、どうして展示するのかその点を考えていくことが学芸員にとって重要と気づかされた。
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死刑執行人関連書籍を求めて読みました。「首切りの歴史」というどんぴしゃなタイトルで、死刑執行人はもちろん、戦時中の話や首切り族、斬られた首のその後まで幅広く書かれていておもしろかったです。
処刑人の資料として読みましたが、むしろ後半の章の「斬首されたヒトはどのくらい意識があるのか?」の話が一番おもしろかったです。意識があるとすれば、少なくとも七秒。激痛の七秒はきっととても永いのでしょう……ぞっとしました。
ギロチンで首を斬られて、そのほやほやの首に話しかけたり叩いたりする実験が書かれてますが、不思議な気持ちになりました。確かに、首と胴が切り離されたら、どうなるんでしょう。想像がつくような、つかないような……それで前述の「七秒」を読んだので、なおさら釈然としないです。斬られた首は、ヒトか、モノか。この章だけでもときどき読み返したくなる一冊です。
そういえば「切り離された首と胴は、ほとんど首にしかスポットライトが当たらない」というのは、指摘されて初めて気づいたことでした。
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首を切る民族が野蛮なのか。それとも頭蓋を集める文明人が野蛮なのか。首切りにまつわる歴史についてこれでもかというほど情報量が多い。まさか本物の首を集めた博物館が存在するとは思わなかった。というか、首切りの歴史はまったく古くなく、また遠い遥か彼方の土地で行われていることでもない。テロ組織がネット上に斬首の様子をアップしてそれが世界中に広がった。はっきりいって、身近だ。読めば読むほど自分も首を切られて死ぬかもしれない、と想像してしまうほどだ。
印象に残ったのは19、20世紀。戦地で敵兵の首を落とし、それを持ち帰ってプレゼントするということも行われていた。しかも、それが太平洋戦争中の日本兵の首というのだから心底驚いた。相手は日本兵を人間だと思ってない。そう、ジャップだったのだ。いちおう、戦争でも敵兵に対して尊厳を損なわないようにする、という条約があったようだけど、カタチだけだったようだ。(そんな条約あったこと自体びっくり)
斬首は非人道的な行為。しかし、頭蓋は人を惹きつける。この本をとった私ももれなく野蛮な人間なのだろう。興味本位で選んだけど、言葉にできない人間の罪深さというものを感じた。そして、それが例外なく自分にもあることが分かった。ごめん、私は誰かの首を切り落とすなんてできない。でも首を見ようとしてこの本をとった。
「原罪」って、こういうことなんかな。
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期待している内容とちがった。当然?処刑の歴史、だと思っていたらあれ?という感じ。
大戦中のアメリカ兵がいかにケダモノだったかということはよくわかった。いまもそうだけれどね。
頭蓋骨コレクターのマッドぶりはなかなかなものだとちょっと感動。