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雑誌編集長として数々の修羅場をくぐってきた著者だけに、暴力という行為の重さや意味を痛いほど理解している印象。尊敬します。今後もついていきます。
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まさかフィリップ・マーロウの台詞が出てくるとは。「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」
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暴力をふるには覚悟がいる。何をされても良いという覚悟がない限り暴言(暴力)をはかない方がいい。「優しくなけば生きていく資格がない」の意味は覚悟があるかないかを問うている。
暴力には「覚悟」がいる。そして優しさが無ければ暴走してしまう。
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元雑誌編集長の著者が経験や取材をした暴力にまつわることについての話とそれらの考察のようなものが書かれた本。
著者は表現の自由について、何を言ってもいいのだろうけど、それは何を言われてもいい、ということの裏返しだ、と言い、きっとそれはその通りなのだと思う。
著者は過去に雑誌などで実録系の裏社会ものを扱ってきたようで、そのような経験から、「デビュー論」というものを導きだしている。ようは、年がいってから、いきがり始めた奴は痛い目を見る、ということだろうか。その通りなんだろうな、とは思いつつも、基本的には著者の「長年の記者生活での経験」が根拠でありぱっとしない論な気がしないでもない。
単純に裏社会等の話に興味があるのであれば、著者の別の本等を読んだ方が面白いだろうなって感じ。
ただ、この本はどちらかと言えば、実学で、あんまり調子乗ってると痛め見るぞってことを肝にめいじとけってことで、俺はそうした。
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ヤンキー(DQN) の生態、思考回路など参考になる部分はあるが、作者自身がどっぷりと不良サイドのロジックに浸かっているため、更生したヤンキーへの評価やネットへの嫌悪丸出しの文章に首肯出来ない。AKB襲撃事件などの章では被害者の痛みも大変良くわかっているようなので、一種のストックホルム症候群なのではないかと感じる。
弱者への暴力的・陰惨な犯罪の例を挙げて、遅いデビューに違いないと断じているのも気になる。そう思ってるだけで、きちんと裏は取っていないのでは。
「殺すぞ」と言われただけで自分から手を出した事件、ネット上のなりすまし・嫌がらせの犯人はほぼ100%身近にいる人間だという認識、あとがきの逆DV体験などから、片方の意見だけでそちらに与してしまう傾向を感じる。
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近年、普通の人が起こす残忍な殺人事件が多い。「人を殺してみたかった」という理由で殺人を実行した名古屋大学生をよく覚えている。
情報社会となり、言葉が軽量化すると、想像力が失われていく。その結果、脳だけが肥大して、身体性を欠いた、衝動的な暴力が横行しているような気がしてならない。
親は子を殺し、子は親を殺し、国家は国民に暴力を振るっている。
栗原康著『現代暴力論』は、国民に対する国家の暴力であり、精神的な暴力が中心である。
本書『生身の暴力論』は、リアルな暴力の方だ。
電車内で暴力沙汰になるのは40台が多いという。また、学生運動を経験している60台との口論は気をつけた方が良い。
人は人を殺めると倦怠感に襲われるらしい。新撰組の土方歳三は、俳優のような端正な顔だが、眠そうな目をしている。
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暴力に対処するヒントが満載だ.非行少年がデビューする時期が,その後の行動のレベルに大きく影響するという議論が面白かった.ネットでの暴力はこれまでの対処方法とは異なる発想が必要だ.
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2016年、18冊目です。
年始から読み始めて、半分ぐらい読んで放っていたのを、
一気に読み飛ばしながら読了しました。
昨今の世の中が暴力に満ちているという感覚が私にもあったので、リサイクル本コーナーにあったこのタイトルの新書を手に取りました。本のサブタイトルは、『世の中には「本当にやる」人間がいる』です。暴力が、社会のあらゆる領域に浸潤していく満たされていく感を強く持ちました。
事件、犯罪としてマスコミに取り上げられるだけでなく、
SNS世界でも「喧嘩凸」などの動画が多数みられる世情です。身近に”暴力”という人の負の内面が感化される環境が出来上がっているようにも思います。
「覚悟」を持たなければ、この暴力的時代を、生きていけないというのが著者の真意です。逃げるにしても立ち向かうにしても、「覚悟」はいるし、それは、「生きる」ことと同義のようにも思います。
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殴られたくないし、殴りたくもない。言われたくないし、言いたくもない。今の世の中予期せぬとんでもない事が、身に降りかかる恐れがあるりますよね。(確かに昔もあったけど・・・・)
自分も含めて、みんな本当にイライラしていませんか。と、いうかイライラ世界に住むようになってしまって、イライラ状態が普通になっていて。どうしたらもっと「ゆっくり」生きられるのかな?心も身体も・・・・・。
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暴力とは弱者へ向かうもの。肉体的に、精神的に、それぞれダメージを与えるもの。
そんなことには関わりたくないが、暴力はあちこちに転がっている。
著者はいわゆる裏社会との付き合いも長いので、そっち系の実録も多く含まれている。
大きな暴力から、些細な(って考えるのは危ないが)暴力まで。
論、とはいっても哲学や心理学に基づいた論考をするつもりはない、と著者もいう通り、あんまりまとまっていない感はある。しかし、登場する人物たちの妙なリアリティ(実在するのでリアルで当然なのだが)にこそ、この本の価値はあるのではないか。
ともすれば胸糞の悪い話集、になってしまう。だが、暴力を利用する人たちの心理が少なからず読める。
故に暴力のきっかけと、防止方法も想像できる。ただ急に暴力の場面に突入してしまうと、本で読んだ知識なんか引っ張り出せないだろう。暴力団が一般人と喧嘩になった時、まず先に殴られる、という。それで「理由」ができてしまう。おお怖。しかし暴力は暴力団だけのものではない。圧倒的暴力、は、会社の中にもあったりする。圧倒的存在感とも言い換えられている。弱者に対して圧倒的な存在感を持つことはすなわち暴力、ということか…。