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ひさしぶりの綿矢さん。
これまでに出していた本で、挫折していたものなどあったけれど、ちょうど、本読みたい欲がすごかったときに手にしたので、するりっと読めました。
昔のものより深みが出ていたように思います◎
「いなか、の、すとーかー」
いろいろ考えさせられた。
わたしは、どちら側でもあるなー、なんて。
この本に出てくる二人の女性ストーカー程じゃないけど、果穂のほうの気持ちは、なんとなく分かる気がした。ものすごい二面性。でも、好きになるとまわりがちょっと見えなくなっちゃう気持ちはわかるなぁ。突っ走っちゃうんだよね。
ストーカー行為が極限まできて、結局のところ主人公の透は受け入れちゃうんだよね。意外な結末だった。そういう選択かぁ。。って。憎むとか恐れるとかじゃなく、感謝の気持ちで終わる。って、なかなかできないと思うんやけど。
果穂が突っ走りさえしなければ、ハッピーエンドになれたかもしれやんのに、すこし切なかった。
ウォーク・イン・クローゼット
これ、わりと好きかも。
最初どういう展開になるのかなー?って思ってたけど、最後はばばばーっていったね。
早紀の、週末は家でクリーニング。っていうのがいいなぁ。って思った。誰かに服をゆだねるんじゃなくて、自分で丁寧に洗う、っていうのが。
あと、早紀が出会ってきた男の人っていうのが、ほんとに現実的にいそうなタイプの人だった。身体目当ての男の人。。いるよね。こんなにガッツリ誘ってきた人はいないけど。
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2編の中編が収録。なぜだろう。この作者の作品は心に引っかかってくる部分が少ないのだ。話は2編とも「もがいて、あがいて」というのが書かれているのに、なんだか、感じの良い文章がつづられている印象が抜けない。ストーカーの話「いなか、の、すとーかー」も、もっとさらにストーカーも、ストーキングされる方も壊れてしまってもいいくらいだ。「ウォーク・イン・クローゼット」は「愛され系」の服を身にまとい、「本当の愛を探し求める28歳のOL」の奮闘記。彼女がその服を丁寧に扱っている姿は愛おしい。綿矢さん自身の姿を見た気がした。
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軽いタッチで書かれてるけど内容は内面のダークな部分。
2つのお話通して痛い目にあって少しずつ学んでいくしかないと思わせられる。
でもいろんな経験して大切なものがちゃんと見えて自分も変わっていける前向きさが伝わる。
恋愛だけじゃなく2つのお話共通する身近な友達の存在が支えだから明るい未来になるんですね。
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普通だけど、楽しく読めた。
芥川賞受賞作ともうひとつくらい読んだけど、こんな文体だったけ。内容もさっぱり覚えていないことに気がついた。
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2篇収録。まあどちらも読みやすい。ストーカーのほうは、まあ途中から察しがついた。気味が悪いはずなのに、あまりそちらの方向に向かっていかなかったのが逆に不気味。
クローゼットのほうは、なんか、若い。自分がもう、あまりこういうお話を欲していないのかなぁと確認。まず設定として女の子の親友(幼なじみ)大好きだけど決して彼氏ではない男の子友だち。ここまでだけでも相当ありがちな設定。お洋服がとにかく好きでもつい相手(男)で服を選んでしまい、自分の本当に好きな服が着られない自己嫌悪、でも服は休みを1日クリーニングに費やすほど好きだ、いつかそんな自分までもわかってくれるのが本当に好きな人?そしてそれは身近にいたりして⁈ うーん…綿谷さんにしては短絡過ぎ感。
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「いなか、の、すとーかー」
「ウォーク・イン・クローゼット」
「いなか、の、…」で挫折。
綿矢さんの本、好きだったのに、これは。。。
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表題作ほか1 編。いずれもさらりと読める。
自分の好みより、TPOや会う相手を意識したファッションを常に意識している20代の女性。まともな男性が近づいて来ないのは、相手に合わせ喜ばせることばかりを気にしているから。
核になる自分をさらけ出せない相手とは、所詮うまくいくはずもないのに、最近は男女を問わず人からどう思われるかを気にしすぎる人が増えているように感じる。
もう一編は、田舎の同級生とストーカーの話。サスペンスに走るのかと思いきや、終わりはあっさり肩透かし。
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「いなか、の、すとーかー」
地元に帰って陶芸の工房を持った石居。ところが一緒にストーカー女子もくっついてきて…。
中途半端な優しさを勘違いしてしまう女の子たち。思い込みの激しさは怖い~。
だが、新しい綿矢作品に出会えて満足。
「ウォーク・イン・クローゼット」
デートをする相手により服を選ぶ早希。けれども、本当の自分というものを持っていないことに気付く。早希が片思いをしているユーヤも、幼馴染みのタレントだりあも、とっても素敵な脇役でした。
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図書館で借りた本。
「いなか、の、すとーかー」陶芸家の石居は、東京から故郷の小椚村へ戻り、工房を設けるが、ある日工房の中に東京から追いかけてきた妄想癖のある女性が入り込んできた。「ウォーク・イン・クローゼット」早希は、着るものにとてもこだわりを持っていたが、それは誰かに見せるための服で、自分が着たい服ではないのかもしれない。友人でモデルのだりあの家のウォーク・イン・クローゼットにあこがれていた。
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■いなか、の、すとーかー
この経験を経て主人公は前向きな成長を果たすけど、経験をプラスに変える過程が現実離れしてるね。
■ウォーク・イン・クローゼット
前向きな終わり方が良いね。趣味が洗濯というのが意外と面白いし、その設定が良かったかも。
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本のタイトルにもなっている「ウォーク・イン・クローゼット 」は面白かった。
「蹴りたい背中」を読んだのが13年前。
女が一度は感じたことのある何でこの子と私の関係が続いているのだろう・・・と思う関係性。まさかこの男性に打ち明けられるなんてと思うこと。そういう部分がとても共感できた。
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いつものとおり、何のつっかかりもなく、すらすらと入っていく文章。それなのに、取り立てて特徴のなさそうな登場人物が、すぐに目の前で映像をみているように頭の中で形になります。
際立って目立つ友人と、ありふれたように見える主人公の対比がやがて、ほんのり暖かなラストに繋がっていきます。
読んでいて、苦しくならないのが、よかったです。
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5月7日読了綿谷りささん、まだ2作目?週刊誌の書評で高評価だったので読んだ。「いなか、の、すとーかー」おれこと石居透は若手の陶芸作家。本格的に陶芸を始めて3年、生まれ故郷である小捫村に帰ってきた。幼なじみの半ニートすうすけと、やはり幼なじみで妹のような果穂は暖かく迎えてくれる。そして、訪れたチャンス!地上波のテレビ番組「灼熱列島」がおれを取り上げてくれるというのだ。テレビ出演の影響は思っていたよりずっと大きく、仕事が次々舞い込むようになる。しかし、その番組が元で東京にいた頃付きまとわれていたストーカー砂原美塑乃におれの住所を突き止められてしまう。砂原はある日いきなりおれのろくろをまわしていたかと思うとおれがテレビを通じテレビメッセージを送っただの意味不明のことを言い、毎日来るようになる。そしてストーカーの痕跡はどんどんエスカレートし…。
「ウオークインクローゼット」純粋に「好き」を一番にして選んでいた頃と違い、現在の私=早希のワードローブには対男用の洋服しか並んでいない。幼なじみの友人、だりあのクローゼットは、私のクローゼットが丸ごとすっぽり入るくらい広い。ウオークインクローゼットがあるのを第一条件としてマンションを選んだというだりあは今やちょっと尖ったのをウリにし人気のモデル上がりの芸能人。「働いて手に入れた服に囲まれていると今までの頑張った時間がマボロシじゃなかったんだと思ってホッとする。…私たちは服で武装して、欲しいものを掴み取ろうとしている。ユーヤは早希の男友達。一度告白してふられた。早希はユーヤにからかわれるほど残念な男関係が続いている。 そして、順風満帆にみえただりあの芸能生活に暗雲が…。
表題作より、「いなか、の〜」の方が印象に残った。ストーカーにつきまとわれている透が投げつけられる言葉はいちいち的を得ている。最後、ストーカーに透がとる態度に成長が見られ微笑ましかった。あと、すうすけという名前にも人物像もいい味わいがある。音に聞く綿谷さんらしくただのいい奴じゃないところがよかった。
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面白かった。
いなか、の、すとーかー
「話の通じない人」にいかに対処するか?
ハラハラしながら読んだ。
著者の作品には同様のテーマのものが他にもあって、「かわいそうだよね?」もそう。
解決は意外とソフトなので読後感も悪くない。
ちりばめられたユーモアのセンスがいい。
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綿矢りささんの本はほとんど読んでいるが独特の毒気がとても好きだ。この作品は『いなか、の、すとーかー』と『ウォーク・イン・クローゼット』の2作が収められている。読後感はどちらも爽やかで『いなか、の〜』は途中までどんなバッドエンドが待っているのだろうとハラハラしながら読んだが主人公の心の成長物語のようになっていた。さらりと読めてこういうのも悪くはない。でも『夢を与える』を読んだ時に感じたインパクトや怖さをまた彼女の作品で感じてみたいです。