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恥ずかしながら、学のない自分は文学をこれまできっちりと読んできていなかった。かといって、いきなり分厚い本に目を通すのも敷居が高いと思っていたところに目に留まった本。
漫画なのでサクッと読める。読みながら他者の感想も見ていったのだが、その中で刺さった言葉として「文学とは人間を知るためのもの」というのが府に落ちた。この本で読んでみて面白かったものは実物も読んでみようと思う。
文学に興味を持つための導入書として良いのでは。
●「人間失格」太宰治
●「舞姫」森鴎外
●「注文の多い料理店」宮沢賢治
●「三四郎」夏目漱石
●「羅生門」芥川龍之介
●「たけくらべ」樋口一葉 他
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本当に名前だけは知っている、中身は読んだことのない有名な文学作品を漫画で簡単に書いてあって分かりやすかった。
けれども、私にはまだまだ理解できない世界だなとも反面では感じた、文学作品。
文学作品の多くがなんか暗い感じもして、でも、読んだこともなかったので、そんなことも知らなかったんだけどさ。
これで、有名な文学作品を読んだ気になっておこうと思う。
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『人間失格』も『変身』も『ごん狐』も、だいたい10ページくらいの漫画で読めます。絵は水木しげるタッチ、ストーリーは超あっさり。これを読むとかえって原作を読まずにはいられなくなるくらい。今までどうしても読み切れなかった『ドグラ・マグラ』も読めますよ!
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10ページでつながりがわかりにくいところもあり。
まぁ既読のものであれば、これで十分。
ドグラ・マグラは…どうやっても読み進められなかったから、こんな話だったんだと納得。いや、よくわからんかったけど。
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マンガのページとは別に、テキストで構わないので各作品の主題を記したページが欲しかった。あらすじはなんとなくわかるが、なぜ名作と言われるのか調べないとわからない。
・太宰治「人間失格」:太宰文学の終着点といえる作品。主人公大庭葉蔵は自虐的に変形された太宰の自画像。レーゾンデートルが主題。
・中島敦「山月記」・知識人の自意識の痛みがテーマ
・梶井基次郎「檸檬」:精神のバランスを回復するための取り戻す起爆剤であり、何より幼児期の共通感覚を取り戻す触媒だった。共通感覚とは、あらゆる感覚を複合的に組み合わせて発揮する知覚であり、人間の最も大切な心身相関の場所である。筆者はその共通感覚の復権をこの小説によって訴えた
・森鴎外「舞姫」:豊太郎の「近代的自我」への目覚めと挫折、エゴイズム
・坂口安吾「桜の森の満開の下」:人間存在そのものの本質につきまとう悲哀
・フランツ・カフカ「変身」:疎外された人間の孤独と、疎外する側の冷酷さを、恐ろしいほど的確に描いた物語、人の弱さを知るとともに、人と人とのつながりの大切さ
・宮沢賢治「注文の多い料理店」:人間中心主義への皮肉と嫌悪感
・永井荷風「濹東綺譚」:時代の風俗・人情と季節の推移が巧みに織り込まれている
・泉鏡花「高野聖」:恩愛と道心の葛藤
・夏目漱石「三四郎」:都会の様々な人との交流から得るさまざまな経験、恋愛模様、青年の目を通して日露戦争後の日本社会を批評
・アンデルセン「雪の女王」
・芥川龍之介「羅生門」:エゴイズム
・田山花袋「蒲団」:自然主義文学の今後の方向性を決定づけた作品、そこにはそれまでの日本文学にはない赤裸々な「変態性」が描かれていた
・幸田露伴「五重塔」:資本主義がたち上がりつつあった明治二十年代は、不景気の後に貧富の格差が拡大する時代であった。露伴は「順々競争の世の中」で徳の高い人間が正当に評価されず不遇であると考えている。そういう人間の感情が「高士世に容れざるの恨み」として作品のテーマになっている。露伴は十兵衛に同情する立場に立ち、十兵衛と上人と源太の三人の世界をあるべき人間関係として描いた。ここに露伴が社会を批判的に捉える視点がある。
・新美南吉「ごん狐」:生きるものおたがいの、しかしその生存所属を異にするもの同士の、流通共鳴
・樋口一葉「たけくらべ」:初恋
・魯迅「阿Q正伝」:辛亥(しんがい)革命を背景に、阿Qという放浪農民の行状を風刺的かつ悲劇的に描き、当時の中国社会の病根を鋭く浮き彫りにした。
・伊藤左千夫「野菊の墓」:
・トルストイ「イワンのばか」:都会的虚飾や、富や、肩書きや、頭の良さや学者であるという、うぬぼれを否定し、素朴で勤勉で、正直な農民、馬鹿のイワンこそ、人間として素晴らしいということを語ろうとしていた
・エドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人」:史上初の推理小説
・菊池寛「恩讐の彼方に」:和解
・二葉亭四迷「浮雲」:自主性に欠ける日本国民を批判しています
・グリム兄弟「ラプンツェル」:母親からの心理的自立
・夢野久作「ドグラ・マグラ���
・堀辰雄「風立ちぬ」(単行本描き下ろし)
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なるほど!
エリスは、高野聖の女は、美禰子は、美登利は、そして節子は、こんな顔だったのか!
小説を読んでいる時よりも「キャラ立ち」してるなと改めて感じた。
水木絵ならではの脱力と脱時間がこの企画の長所。
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10ページくらいで25作品を紹介した作品です。絵のタッチが独特なので好き好みが分かれるかも…どの作品も、シンプルに忠実にまとめている印象で、すごく興味深いです。
知っている作品も知らない作品もありましたが、改めて読み直したいと思いました。
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【収録作品】
太宰治「人間失格」
中島敦「山月記」
梶井基次郎「檸檬」
森鴎外「舞姫」
坂口安吾「桜の森の満開の下」
フランツ・カフカ「変身」
宮沢賢治「注文の多い料理店」
永井荷風「濹東綺譚」
泉鏡花「高野聖」
夏目漱石「三四郎」
アンデルセン「雪の女王」
芥川龍之介「羅生門」
田山花袋「蒲団」
幸田露伴「五重塔」
新美南吉「ごん狐」
樋口一葉「たけくらべ」
魯迅「阿Q正伝」
伊藤左千夫「野菊の墓」
トルストイ「イワンのばか」
エドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人」
菊池寛「恩讐の彼方に」
二葉亭四迷「浮雲」
グリム兄弟「ラプンツェル」
夢野久作「ドグラ・マグラ」
堀辰雄「風立ちぬ」
このシリーズは、文豪作品と呼ばれる大作をおおまかに萬画で紹介するというもので、この本を読んで文学作品を読んだ気になってはマズイ。
文豪作品を読むキッカケをつくる、門戸を広げるという意味合いでは面白すぎる。
なかなか読めないでいる坂口安吾の「桜の森の満開の下」と魯迅の「阿Q正伝」永井荷風などが、どんな風に描かれているのか楽しみ。
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2018年「有名すぎる文学作品をだいたい10ページの漫画で読む。」読了。
文学作品に触れてこなかった自分にとって、とても新鮮だった。「檸檬」のふふふ感とか、「舞姫」のキレるエリスとか、「蒲団」の変態感だとか…。文学の雰囲気にさらっと触れられた感じが良かったかなと。
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太宰、芥川、漱石、鴎外、カフカ……あの名作、今更「読んでない」とは言えないあなたに捧ぐ、全く疲れない文学入門!(出版社商品紹介より)
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文学作品をマンガ化したものはよくありますが、これだけコンパクトにまとめたものはなかなか珍しいのではないでしょうか。既読の作品は思い出しながら、未読の作品は「面白いから原典にあたってみよう」などと考えながら楽しんで読むことができました。
アンデルセンの『雪の女王』は未読だったのですが、このようなストーリーだったんですね。少し前に流行ったディズニーの『アナと雪の女王』の原作だと聞いていましたが、もはや全く別の作品でした。どちらも好きです。
マンガの最後に作家の解説が1ページついているのですが、これに加えて作品の解説もあるとなお良かったかもしれません。
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100%、水木しげるの手によるものだと思ってたけど、違ったんですね。作者名を伏せられていたら、完全に水木作品と思うレベルまで似せてあるから、これはもはや芸術なんでせう。知っている作品は、これでサラッと読んだだけで結構内容を思い出せちゃうし、未読の作品でも、あらすじは大体つかめちゃう。まあでも、その小説を味わった経験値にはならない訳だし、内容だけ知ってても仕方ないと思うんで、個人的には存在価値は低いです。発想は面白いけど。
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『野菊の墓』この10ページで読んだ気になった。『変身』ザムザ、これではあんまりだ。『注文の多い料理店』狩人の顔が元通りにならなかった―がなくて残念。
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タイトル通り。10ページだとコンパクトにまとまりすぎてて物語の本質はつかめないが雰囲気として。ハードルはさがるような印象。名作と言われる作品は概ね肺か精神を病んでる傾向が多い。
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「ごんぎつね」って、こんな話だったのかぁ(泣)
「蒲団」、主人公がしょうもなさすぎて、笑えるう〜
「山月記」、人ごとではない悲しみが胸に迫ってきた。
読んだことがある小説は、もう一度読みたくなった。
読んだことのない小説は、読んだ気になれる!
たった10ページという勇気ある試みが、みごとに成功している。
寂しげな絵のタッチも、良いですね。
ありとあらゆる名作小説を、この調子で漫画化してくれたらいいのに、と思ってしまった。谷崎潤一郎の「鍵」など漫画で読んでみたいです。