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Wシリーズ-1
23世紀あたりのスーパー高齢化&少子化の世界。人間とウォーカロンの境界線はなにか。
蔵書、電子書籍
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「赤い魔法を知っているか?」
全てのカギは、この言葉が握っているのかもしれない。
舞台は、人工細胞で作られた生命体「ウォーカロン」が普及した未来。
この世界の「人間」は肉体の大部分を人工細胞に置き換えて半永久的な命を得ており、名目上は別存在とされているものの、実の所「ウォーカロン」との違いはほとんどない。
主人公であるハギリは現在「ウォーカロン」と「人間」を識別するための研究を行っているのだが、何者かに命を狙われることとなる。
政府関係者の女性・ウグイに守られながら犯人を探るうち、ハギリは
「人間とは何か?今、ウォーカロンと分ける必要は本当にあるのか?」
という問いに直面することとなる。
そんなハギリを見透かすように、一度きりしか読めない不思議な童話や謎の美女が現れて…。
ミステリとSFが出会うとこんなに面白いのか!
というのが、読後の素直な感想。
SFとしてしっかりとした環境設定がなされているし(人間のだめになった器官が人工細胞の移植技術で取り替え可能になるあたりなんて、いかにも現実になりそう)、犯人を推察する、ミステリならではの楽しさも味わえる。
これは、とんでもなく私好みの面白いシリーズが始まったぞ…
今回の犯人の目的は、「あ、そっち…」とちょっと拍子抜けしてしまうもの(もっとも、私はそういうオチが嫌いでない。むしろハギリがかわいく思えたくらいだ)だったが、あちこちに散らばった伏線は、このシリーズ全体の「謎」につながるものなんだろう。
間違いなく、あの謎の美女と「赤い魔法を知っている?」は関係してくるはず…!
(マガタ博士はアシモフ回路のようなものをウォーカロンに組み込んでいて、「赤い魔法を知っている?」はそのキーなのではないか、なんて予想を立ててみていたり…でも、そうするとハギリが識別システムを組むまでもなく識別できちゃうことになるなぁ…)
そう思えば、今から次作が待ち遠しくて仕方ない。
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久々に読んだ森作品。
新シリーズということで,続編に期待です。
久しぶりに読んだ森先生の文章はスマートで,すとんと落ちる感じが良いと改めて感じた。シリーズを重ねるごとに文章も内容もスマートになってる気がするのは私だけだろうか。
この世界観を極論とみるか,実際にありそうだと感じるかは人によるだろうけど,ファンタジィであるから楽しめる。これが実際にありうる世界観だとしたら,正直ここで主人公ハギリが考えるように難しい命題だ。
つまり,人間は自身の人間性を考えずにはいられないのだろうな。
「赤い魔法」という単語が登場したときは「来ました!」という高揚感が。「ミチル」もそうだし。
とにかく今後が楽しみだな。
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ブクログの献本企画でいただきました。
ありがとうございました。
新シリーズ。すでに続編2冊の刊行が決定しているとのこと。
人類の存在意義を問う作品。
「ウォーカロン」 (ウォーク・アローン(Walk Alone))・単独歩行者) と呼ばれる人工細胞で作られたロボットと人間とが共存する未来が舞台。ウォーカロンと人間との差はほとんどなく容易に識別できない。
研究者のハギリは何者かに命を狙われるが、心当たりはない。
ハギリを保護しにきたウグイ(女性・人間? )とのやりとりが面白い。
任務にひたすら忠実でロボットのよう、愛らしく思えた。
一応解決はするが、謎は残されたまま。続編が楽しみ。
著者の他のシリーズと色々リンクしているようなので、それを読むと面白さが倍増すると思う。
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もしSTAP細胞が出来てたらという未来小説。
人間が病気になっても万能細胞で治す事が出来る。さらには人造人間のようなウォーカロンが登場する。それにつれて人類は子供を作れなくなっていった。
面白い。文章が簡潔で淡白な書き方なので緊迫感には欠けるがリアリティに溢れている。続きが気になる。
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人間ってなんだよ(哲学)Wシリーズ開幕。
あの世界の未来ではこんなことになっているのか……。
まぁ健康で仕事があって金があって生きるに困らなければ長生きもいいけどさ……。
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新設の講談社タイガからの一作目。
私の好きな森ワールドの分野。
まさかあの人がここにも登場するとは。。
赤い魔法、、、次作につづく?
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久しぶりにブクログを見て新刊が出ていたのを知り、本屋さんへダッシュ。
講談社タイガ創刊、Wシリーズの始まり。表紙も好み。途中何度か戻りながら読み終えたが、謎が減ったと思ったら新しい謎が増えていく印象。登場人物のやりとり、唐突なあの不思議な文章、色と魔法、学者、人間とそれに近しいものの存在・・・。謎が多いとモヤモヤしがちだが、どこかすっきりとした気持ちだ。
読了後もわくわくが消えない。
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お洒落なタイトルと表紙に惹かれて手にする。
森博嗣、実は初読み。よって、他の方々のように「来た~!」という感じにはならず、また、ここで問いかけられている肝の部分についても今ひとつ芯を喰った理解に到らずなのだが、ファンタジー寄りSFでミステリーっぽいお話はサクサク読めて何となく楽しめた。
シリーズ物のようなので、理解不十分なまま終わるのも勿体なく、次も付き合ってみようかと思う。
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それでもインスピレーションだけは人間固有の能力なのか?四季と萌絵の最初の対談を思い出します。
またどえらいシリーズが始まってしまった。楽しみ。
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面白かった!!!
さすが森博嗣さん。
「すべてがFになる」を読んで森さんの作り出す世界に、いつのまにか入り込み我が家の壁までが真っ白な研究室のそれに感じたくらい一気に読んだ、あの感覚が戻ってきました!!!
いやぁ、、、面白かった。
来たるべき未来。
人間はウォーカロンという人工知性体を作り出し、苦役や単純作業、さらにはペットのような癒しの対象まで生活のあらゆる場面を担う「ロボット」?を作り出す。一方、自らの体は細胞交換で不死のように長生きする術を得るのだが子どもが生まれないという時代になるという設定なのです。
「これって、かなり今の科学技術に対して警告を発しているよね」と思いながら読み進みます。
「生きるとは何か」「死ぬと何か」そして「人間とは何か」なぜ人間でなければならないのか、、、などなど究極の質問を直球で投げてくる著者。
読者である私はタジタジになりながら、ジャストミートを試みるも投げられたボールはみんなコロコロとあらぬ方向に転がっていくようなそんな不安を覚えながら読みました。
それくらい、この本は哲学であり、心理学であり、医学であり工学でありそしてミステリーであるのです!
途中の謎にも引き込まれるものがあり、
全体として、話の進み方も計算されて、こなれています。
が、
そんな私でも最後の結びこそが森さんの伝えたかったことでは、と確信しました。
それは、
「結局のところ、人の心をどう捉えるかという問題に帰着する。生まれるとは、人間とは、社会は誰のものか、、、、、とりあえず暴力的な行為だけはやめてもらいたい。そんな非生産的なエネルギー消費は不合理だ、、、、、」。(要約です)
今の世の中を穿つ言葉だとしみじみと思いながら本を閉じました。
この本、多くの方が手にとって、それぞれの方がそれぞれの読み方をなさればいいな、、と思いながら今、レビューを書いています
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決して突飛ではない,現在の延長線上に確かに存在するかの如き未来を,SFの要素を感じさせない筆致ですらりと描く.相も変わらず要所要所に容赦のない冷徹な皮肉が内包されているが,ふと立ち止まって,これだけ医学の進歩した現代において,生命とは,そして人とは一体なんぞやを顧みるきっかけを得る.
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「人間を信じるのは、人間の代表的な弱点の一つです」
「何が判別できるのですか?」
「君は、それを知っているはずだ」
「いえ、だいたいの理解はありますが、先生の表現を伺いたかったので」
「どうしてだろうね…。それは、今でも解決を見ない問題のひとつだ。人間以上のものは存在してはならない、という簡単な言葉に集約される。しかし、そんな話をしたら、人間よりも力の強いもの、正確に速く計算するもの、人間よりも友好的で、悪事を働かないもの、人間よりもエネルギィ効率が良くて、社会に対する貢献度が高いもの、いくらでも存在するんだ。ただ、それがコンパクトにまとまって、見た目が人間に近づくほど、抵抗する人たちが増える。宗教的な問題だと言いだす連中が今でもいる。神に対する冒涜だとかね…。今まで冒涜の限りを尽くしてきたのに、今さらだよね」
「ただ、人間らしい思考というものの本質を知りたかったんだ。人間はどんなふうに考えているか、ということが、つまり人間とは何かという問題の答えになると思った。」
「生物は複雑なものだ。これを作ることができるのは神のみだ、とね。だけど、結局は、単なるタンパク質だ。化合物なんだ。その仕組みは明らかになれば、いたって単純だといえる。単純でなければ、細胞は再生できない。単純だからこそ、これだけ膨大な数が集まっても、だいたい同じものになる。複雑だと思い込みたい傾向を人間は持っているんだ。自分たちを理解しがたいものだと持ち上げたい心理が無意識に働く。でも、誰もがだいたい同じように怒ったり笑ったりしているんじゃないかな」
『店員が僕のアルコールと、彼女のカクテルを持ってきた。そこで、グラスを持ち上げて、儀礼的な挨拶を交わした。これはどうしてこんなことをするのか、僕は知らない。たぶん、誰も知らないのではないか。』
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森博嗣版『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』か。
個人的には「幅広く色々な作家が『電気羊』オマージュをみんな書いてくれればいいのに!そして『電気羊』アンソロジーを読みたい!!」なので、大変おいしくもぐもぐ致しました。
どうやら森ファン向けのサービスが多いようだけれど、そちら方面は疎いので、頭に浮かぶのは「火星三部作」(の、特に『膚の下』)だったり、『ライトジーンの遺産』であったり、『華竜の宮』の陸上民と海上民だったり、『素晴らしい新世界』であったり。
「人間て、人類てなんだ」系SFは、大変大好物です。
続きがあるのね。楽しみ。
これ一冊なら、そっち系SFとしてはまだまだ入口で物足りないし、エンタテイメントとしても弱いし、ね。
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なんとなんと,新しいシリーズが始まってしまった.
いきなり文庫本.
そして,あの登場人物が出てくるではないか.
そして,この本を読んで違うシリーズ(M&Rシリーズ)を読んでおいた方がいい事に気付き,早速本屋で購入という運びに.
いったい,何処までスケールが広がるのか,全く想像出来ない状況ですが,だからこそ中毒性があると言っても過言ではないような気がする.
早く次の作品が出ないかなぁ.