衝撃の歴史の事実
2016/01/17 18:32
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いっき - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまでは表面的な歴史しか知らなかったが、その時の歴史に立ち会った方々の生の経験を取材を元にまるで息遣いまで聞こえてきそうな表現で体感させてもらえました。
このような真の歴史を知ることで今を生きる私たちが如何に現実の脅威に対して無防備であるか。非常事態への備えがないかを思い知らされました。
多くの方に読んでいただき、今を考えるきっかけにしてほしい一冊です!
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トルコの人々に対して、感動したことが二つ。
日本人のために救援機を飛ばしてくれただけでなく、空軍の護衛をつけてくれたこと。護衛機が守っていたのが日本人乗客であってもトルコ人スタッフであっても、感動は変わらない。トルコという国が、罪なく殺されかけている命を守ろうとすることに、救援機を飛ばせない日本の民として、感動せずにはいられない。
そしてもう一つはトルコの人々が、日本人ボランティアの名前を忘れずに覚えていること。トルコのために働いて命を落とした故人を悼んで、ミヤザキという名が冠されたストリート、公園、病院が出来ていると聞くと、頭が下がります。
しかし自衛って何なのか。命が危ない無辜の同胞を、窮地から連れ出し、故国に戻すことが自衛でないなら、何が自衛かと思います。
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面白かった、と言うか日本の法制のおかしさがわくわかった。
日本人を助けられなくては、国家の体をなしていない。こんな国だったのか、日本は。
しかし門田さんの著作は外れなく面白いものばかりだ。
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国家が「命」を守るとは、いかなることか。そして、「エルトゥールルの奇跡」が教えてくれるものは何か。イラン・イラク戦争でのテヘラン脱出など、4つの大きな「邦人救出」をめぐる物語。
退職した知人が、トルコ機でイランから脱出した内の1人でした。トルコがとっても近く感じる本でした。
海外の在留邦人の救出が、堂々とできる日が早く来るようになって欲しい。
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海外の邦人救出についてのお話。
日本の法制のなかで、海外における邦人救出が
できていない現実がある。とのこと。
確かにそうなのだと思います。そこで苦労や
不幸を背負うことになった人々も多くいる事実も
確かにあるのだと思います。
でも、これも『普通の国』と『奇跡の国』どちらを
目指すのかということだと思います。
なので、あまりにも感情に流されてしまうのもいかがな
ものかと思ったりします。
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著者のあとがきにもあるが、「海外で危機に陥った時、外国人は、「心配するな。必ず国が助けに来てくれる」と信じており、日本人は「絶対に国は助けてくれない」と思っている」ということだ、というか、事実としてそういうなっている、ということが本書を読むといやというほど思い知らされる。
ここで外務省や大使館の腰の引けた役人根性を批判するのは簡単だが、他国では普通におこなわれている、状況が危険になるほど軍隊が自国民の保護、救出にあたる、ということが自衛隊の他国での武力行使に当たるとして、議論すら許そうとしないマスコミや政治勢力の存在が根本的な要因となっていることは間違いない。
それにしても100年以上前に起きた海難救助の恩をいまだ忘れず、親日国であり続けてくれるトルコ国の存在は貴重だ。
政治体制に関わらず大切にするべきだろう。
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【163冊目】特に日本において、邦人を海外で保護するのは極めて難しいという話。物理的な問題ではなく、法制度が人の命を救う障害になっているという話。
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さすがに門田隆将のノンフィクション作品は内容が濃いですね!海外の駐在日本人たちが戦火に襲われた際に、国外への脱出が容易ではないという問題点を当事者コメントや日本以外の国の対応なども巧みに織り交ぜて指摘し、いかに日本という国が駐在日本人の命に対して、無責任であるということを痛感させられました。
紛争国に取り残された現地で奮闘する日本人NPO職員やビジネスマンなどの一般人を日本は憲法などのしがらみで救出する術がないというのが何とも情けないし、人命救助最優先という本質的な議論が日本の政府ではなされていないのですね!なんのための安保法制なのですかね?
それに対して日本以外の国の対応は緊急事態だからこそ命がけで自国民の人命救助に向かうという感動ものです。
また、現地の日本大使館員が日本の一般人よりも先に国外脱出したというエピソードには怒りすら感じました。
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[来てくれない。けど、帰りたい。]エルトゥールル号の遭難事件を背景とし,日・トルコの友情の証としてクローズアップされることが多いイラン・イラク戦争時のトルコ航空による邦人の救出。しかしそのときなぜトルコは航空機を送り出すことができて,日本は自国民の救出に乗り出せなかったのか......。その後に起こったイエメンやリビアの事例などと合わせて,「邦人救出」のあり方に一石を投じた作品です。著者は、ノンフィクション作家として幅広い分野の執筆を手がける門田隆将。
とんでもなく痛切な問題提起をした一冊だと思います。本書から浮かび上がってくるのは,戦後に「日本」が平和を享受する一方で、「日本人」はたびたび戦争や紛争に巻き込まれ,その保護や救出については議論が脇に追いやられていたという冷厳たる事実ではないでしょうか。
〜あなた自身が、そしてあなたの子供たちが、もし、その最も大切な「命」を見捨てられるとしたら、どうしますか-それは、これまでの「邦人救出」の現場で、かろうじて他国の好意で命を救われた当事者たちが発する根本的な問いかけである。〜
今日,『海難1890』を観てくることもあり☆5つ
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今の日本の危うさをシッカリとした取材に基づいて書いています。なぜこの事にいて議論されないのか!尊い犠牲がなければ変わらないのか?明日、自分の知り合いが巻き込まれるかも知れない事に目を閉じさせているメディアに憤りを感じます。
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エルトゥールル号の遭難者の救出に力を尽くした串本の人々の話は知っていた。しかし、テヘランからの日本人を救出したのがトルコだったとは知らなかった。恥ずかしい。トルコについてもっと知りたくなった。また、海外で活躍する邦人を自衛隊が救えない現在の法規制は直ぐに改正すべきであることがよくわかった。本書は、多くの日本人に読んでもらいたい。
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泣いた。
いろんな意味で。
いくつかのエピソード、海外の事件に巻き込まれた自国民の命を保護できない某先進国の話。
売りだった、トルコのエルトゥールル号事件は、一生割くほどの話ではなかったが、それがあったからこそのエピソード。
もともと日本人こそこうではなかったか。
起きて欲しくないことは起きないと信じている外務省。
現場で逞しく生き抜いた現地の人たち。
戦中無能な大本営と、それでも勝っちゃった優秀な現場が、結局日本を壊滅に導いてしまった先の大戦を思い出す。
それにしても、著者の門田先生。
文章がうまいわけでもなくたどたどしいのだが、ジャーナリズムってこうかねと思わせてくれる。
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日本とトルコの友好の歴史という感動的なエピソードから始まるものの、日本の国としての歪さに恐ろしさと憤りを覚える読後だった。
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戦争や紛争で自国民が窮地に陥ったら、どの国も同胞を救おうとする。それなのに、日本はそれができないし、する努力もしない(ように思える。)。日本人を救ってくれたトルコに感謝するとともに、日本人は自国のあり方を問い直さなければならないと感じた。
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海外で日本経済の尖兵として働いている日本人の安全をどう守るか、救援機を飛ばすことが出来ない日本政府の実情はイーイ戦争時の邦人救出劇から湾岸危機、イエメン内戦、アラブの春のリビア政変に至る年月を経ても変わっていないと訴え、国と国民に問い掛けている。著者の問題提起は正に正鵠を射ている。イラクで人間の盾にされた者としては、湾岸危機で大使館の地下に避難したクウェイト在留邦人が救援機の到来を信じて脱出訓練を繰り返していたが、無駄になった経緯に記述がなかったことは残念であった。当時、人質であった私は外務省本省と出先の大使館が国の方針と役人の建前を邦人の命に優先させることがあることを思い知らされました。クウェイトの下りではこの辺りも書いて欲しかったと思います。