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この本に出てくる登場人物はみんななんとなく知ってる人のような気がする。いろんな人がいるけど、みんな同じな感じがする。
そしてなんとなくその哀しさがわかる気がする。わかるのに、幸せになり方がわからない。
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帯のキャッチがとにかくまっすぐ。
『あなたとしたい、という欲望。』
『こうした結末を残酷と思うだろうか。結婚をしても、子どもを持っても、人はどうしようもなく一人なのだ。』
結婚というものの見つめ方がとても大人で、好きな分類の短編小説だった。
特に、仮装、はとても切なかった。
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160428読了。
結婚する人、交際する人、不倫する人、別れる人。
解説にもあったけれど、現実はそんなにうまいこといかないよ、っていう、うまいこといっていない感じかなんとも清々しかった。
変な憶測、妄想で思考が飛躍していくところが金原ひとみらしくてとても好き。
今回は短編集で主人公が男性のものもあったし、全般登場人物がつとめてクールでかなり読みやすい。
今の時期の自分が読むのにとても面白いテーマだった。
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”男とは一体何なのだろう。そして女とは一体何なのだろう。私にとって男とは、気分によって着たり着なかったりする、服のようなものなのだろうか。裸でいるのが恥ずかしいから着ているだけなのだろうか。そしてその服は、かっこ良かったり可愛かったりすればいいという、それだけのものなのだろうか。そんなはずはない、私は全身を焦がして愛している。強烈に愛している。でもその愛の行方が分からない。自分が、身をたぎる愛が、どこへ向かっているのか分からない。”
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結婚を踏まえた人間関係を題材にした作品。どれも気持ちを持て余した人たちが出てくる。考えさせれる興味深い作品群だった。
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結婚のしんどい部分を取り上げてる短編集って感じ。
全くの他人同士が家族になることの難しさを思わせる。
これを見ちゃうと尚更結婚なんていいと思えないなぁ。
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初金原ひとみ作品。
どれも主人公の内面を強いタッチで書いているため大変見応えがあって面白かった。
個人的には「仮装」と「婚前」が好き。
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いろんなカップルが短編として描かれているけれど、「小説のような」展開の人々ばかり。ハッピーエンドばかりを求めているわけではないけれど、幸せになれそうに思える話が少ないというか。
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今作も完璧にキレキレでした。
すべて結婚に絡んだ男女関係の事情で、
お得意の金原ワールド全開。どの物語も読み進めるうちに人間の二面性が露呈する展開になっていて、とてもスリリング。ひとみ嬢の小説を読み続けていて自覚している事だけど、ひとみ嬢の小説に出て来る登場人物の視点は、私が他人を見る視点とリンクする事が多く、無意識の感覚を言語化され追体験するような快感がある。
「口ごもりもせずはっきりとした口調でそういった瞬間、何がかは分からないけれど、彼はおかしい人なんだと私は思った。私の思い込みかもしれない。彼が魅力的に見えて、だから彼が神秘的に見えただけかもしれない。でも彼の事を初めて激しく、疑った瞬間だった」(ポラロイド)
人間の二面性を信じているからこそ、些細な表情の変化や口調や目線からその人がまったく別の何者かに見えてしまう事がよくある。そして、そういう二面性は多かれ少なかれ誰しも持ち合わせている。
これまで割と、個人の中で追及していく世界観が多かったような気がするけど、マリアージュマリアージュでは完全に二者間に発展している。
追及の手を緩めることは一切なく、個人から他者へ見事に移行されていく世界観。
小説も作者と共に変化成長していて、同じ年代を生きる私にとってはなんともいえない感慨深く、幸せな体験をさせてくれる作家なのだった。
ところで「仮装」。
これだけは唯一異質な作品だと思った。
かなりパンチの効いた作品であることは間違いないし
登場人物への突き放し感も凄いものがあって。
ただ、まれにワンオペで子育てしている身としては、
凄まじい復讐の物語に思えました。笑
ワンオペで苦しんでいる人はこの短編を読むと
夫に優しくなれるような気がする。笑
少なくとも、私はそうだ。。。笑
新作も出たことだし、心おきなく次は「持たざる者」を読もうと思う。
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「青山」が一番好き。
だいたいの物語、好きではなかった。
登場人物も、ストーリーも。
それでも、評価は高めなのは、文体が好きだった。
金原ひとみさんが好きになった。
素直な文章。それによって、想像しやすい=面白くなる。
絶妙な感情をストレートに書いてある。 好き。
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破滅的な含みのある大人の恋愛を描いた作品群
これの前に読んだ作品が僕たちは大人になれなかっただったこともあり金原氏の筆力に圧倒された。やはり小説の文章はこれくらいの深度がないと物足りない。
気に入った作品としては「仮想」が特に好みだった。
突然家を去った妻と残された2歳の娘。子育てなど手にも負えないがやらなくてはならない苛立ち。
男親と女親の思考的な差異やできる振る舞いとできない振る舞い、性差の引き起こすメンタリティが金原氏のエッジの効いた文体で流れるように描かれていく。
後半の喪失感とそれまでに構築された男親像も構成として見応えがあり、金原文学らしい居心地の悪さを感じることができ面白かった。
金原氏の小説を読むと性別による思考差や恋愛感情による影響力をいつも意識させられる。
登場人物の感情が躊躇なく素直に描かれており、その素直すぎるさまが金原氏の小説を引き立てているのだろうと思った。
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金原ひとみさんの小説は定期的に読みたくなる。何故か?
そこには嘘の無い、日常の本音があるからだ。そして、それは時に残酷で、酷く汚い。ただ、何故か安心する。
それは自分の日常が幸せである一方での
冒険の渇望、生の中にある、タナトス、破滅への憧れであるのか?
安定と真逆の不安定に身を委ね、読ませてくれる数少ない作家である。
タイトルのマリアージュとはフランス語で結婚を意味するが転じて別の2つのものが
調和している状態の組み合わせのことであるが、我々人間は我儘な生き物である。
アンビバレンスな感情の中、完全な調和は困難である。…
が、そうでないと信じたい。
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素直な作品だった。
どんな立場でもずっと一人なのに、一人で生きていられる人間でありたいと思う混沌について考えた。
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金原ひとみの作品は好きでよく読むけれど、短編集はあまり読んで来なかった。
サクサク読めて一日足らずで読んでしまった。
試着室、が1番好きだった。
どれもどこか不穏で自分の醜さも人の醜さも直視しなければならないような作品たちだと思った。