紙の本
個室から飛び出す
2021/03/21 15:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ラッシュアワー時刻の駅ビルのトイレですれ違う、ふたりの青年の勤め先が対照的です。インチキ教材会社で壊れていく渡辺は痛々しく、ファッション雑誌の仕事に遣り甲斐を見出だすサカタに希望を感じました。
投稿元:
レビューを見る
帯文:”「僕の会社はブラック企業……。」闘いの舞台はオフィスと「個室」!?”
目次:御不浄バトル、荒野のサクセス、解説 古市憲寿
投稿元:
レビューを見る
あらすじ(背表紙より)
僕が入社したのは、悪徳ブラック企業!?過酷な労働と精神的負担で営業部員は半年で辞めていく中、事務職の僕は無難に仕事をこなし二年目に。唯一の楽しみは、会社や駅のトイレでくつろぐこと。素性不明なトイレ常連メンバーたちと静かな個室争奪戦を毎日繰り広げる。しかし、ある電話がきっかけで、日常が一気に崩れ出す。限界に達した僕は、退職を決意するが…。芥川賞作家の話題作。
投稿元:
レビューを見る
テンポよく描かれる男子トイレの描写。
ここまで詳細にトイレ内の出来事を描写した小説はないであろう。
しかし、トイレ内の人間観察がテーマではなく、あくまでブラック企業で働く主人公の下剋上がメインで描かれています。
読んだ後、なんだか自分もお気に入りのトイレを見つけたくなるような、そんなトイレ小説です。
投稿元:
レビューを見る
最近、羽田圭介さんに注目していたけれども、本は初めて読んだ。なんというか、先にいろんなテレビ番組でご本人を見てから読んでいるからか、主人公と羽田さんがすごくリンクする、、。この人の思想を文字化するとこんなかんじなのかと。
本は、毎朝駅のトイレの個室に入ることを日課としている主人公の、トイレの描写と、勤務先のブラック企業と彼女などの話。(テレビでみるかぎりでしか知らないが)羽田さん系統の変人が書かれていておもしろかった。まったく読みづらさはなかった。
投稿元:
レビューを見る
感想はブログでどうぞ
http://takotakora.at.webry.info/201602/article_1.html
投稿元:
レビューを見る
又吉さんと一緒に芥川賞を受賞した作家さん、ということで名前を覚えて、テレビでたくさんおみかけするようになり、そのおもしろさにひかれて「本が読んでみたい!」と購入。
こんな感じの文章書くんだ~と新鮮でした。
しかしトイレ。
ビロウな話で恐縮ですが、私は自宅か実家、または旅行に行ってたらそこのホテルとかでしか大きい方はしません。
学校とか会社でもしたことない。
なので駅の(この場合駅ビルのだけど)トイレでなんてもってのほか。
朝トイレに並んでる人って本当にこんなにたくさんいるの? なんで家でしてこない!? と不思議でした。
この主人公はトイレでご飯も食べてる。
絶対無理。
アメとかガムとかだって微妙なのに。
こんな私なので、話は割とおもしろかったのですが、トイレの描写が受け付けませんでした……。
投稿元:
レビューを見る
◎静かに繰り広げられるバトルが日本の縮図。
御不浄=トイレ。
トイレの中で行われるバトルを中心に据え、主人公渡辺が過ごす街が描かれている。
渡辺が勤めるのは電信教育センターという、教材を高く買わせるいわば悪徳ブラック企業。営業職ではなく事務職として新卒で入社した。
とにかく、トイレで過ごせるあの時間が何とも言えないのだ。とはいえ、朝のトイレは戦争だ。ちょっと遅ければすぐ他の人が使ってしまう。
会社のトイレも天国のように感じる。横で聞いていると息の詰まるような、電話での指導。その裏には何人の母親たちが泣かされてきただろう。耐え切れず逃げ込む先はトイレだ。
それでも嫌になった渡辺は、元同僚(だったらしい)山城に声をかけられ、後輩の直樹からもアドバイスもあり会社都合で辞められるような証拠を集め始める。すると・・・
渡辺の抱える悩みはまさに日本の縮図。思わず入った会社がブラック、同僚ともまともに話せないからトイレにこもる。古市氏も解説で言っているように便所飯という言葉が近年流行っていることを先駆けで書いたような小説だ。
そういう意味では社会の動きに敏感な羽田氏がまっすぐにぶつけた小説だと感じる。(羽田氏の特徴でもある気がするが)出てくる性描写がやや生々しく、でも若者らしいと言えばらしい感覚がある。
投稿元:
レビューを見る
初めて買った羽田氏の本。
会社内でのこと、それを御不浄という場所を絡めて上手く描かれている、という印象。
すごく読みやすい。
他の作品もぜひ読みたい。
投稿元:
レビューを見る
トイレの描写がこれでもかと出てきますが、何気ない日常を、ものすごく深く掘り下げられていて、不思議な感じがずっと続きます。
でも、最後にあるカメラマンの笑顔が、世の中捨てたもんじゃないと、みんなを応援してくれてるようでした。
投稿元:
レビューを見る
意外にも初の羽田さん作品です。読メで見かけて「どれどれ?」的なノリで手に取りましたが、う~ん・・・、何とも言えない作風ですね~。好き、嫌いでは分けれないスタイルかなと。合う人は合うし、合わない人はホント、合わないのかなという気がします。じゃあ、私はというと本作だけではなんとも判断しがたいですね。キライではないけど、次々と他の作品も読んでみたくなる作家さんかと聞かれると、正直自分の中では読むべき優先順位が高い方には位置しないかなと。どこかブラックユーモアみたいのがあるかと期待しましたが、残念ながら・・・です。
投稿元:
レビューを見る
初羽田圭介さん。
表題作は、話の筋とか目のつけどころはいいと思ったけどいまいち。
読後感もすっきりさっぱりではない。
終わり方として先を匂わせるぐらいなので仕方ないけど。
『荒野のサクセス』も、終わり方があまりに唐突でページめくって解説見た時「えっ」と声に出して驚いてしまった笑
あと作品の感想ではないけど、活字は大きいんだけどすごく目が運びづらくて読みにくかったのは文字間とか文字の大きさ、フォントのせい?
投稿元:
レビューを見る
#読了。
大学卒業後、新卒で入社したのは高額な教材を売りつける悪徳会社。経理への配属だったので、当初は半ば傍観者だったが、だんだんと風当たりが強くなり、会社都合退職を狙うが。。。
彼が精神的に落ち着く癒しの場所がトイレ、朝は駅のトイレ争い・・・トイレでの描写がこれでもかと出てくるが、なんとなく笑ってしまう。ブラック企業からの脱出を狙う先の話より、次はどこのトイレ、トイレで何をするのかの方に、期待が向いてしまった。
投稿元:
レビューを見る
悪質な教育教材販売のブラック会社に勤めている主人公が、何とか会社都合での辞職にこぎつけようと、裏で奮闘する話。
不正の証拠を集めたりと動いていきますが、正義感からという感じがなく、あくまで自分の為というのが逆に清々しい。
タイトルの通り、ブラック会社の中で疲弊した主人公がトイレに癒しを求め拠点とする為、異様にトイレの中のシーンが多い。
人と離れて遮断された空間が落ち着くというのはわかる気がするが、ご飯を食べるシーンは少し引いてしまった…。
うーん、読んでいて気持ちが良くはないが、話の筋はそこそこ面白かった。
投稿元:
レビューを見る
トイレ、というか、排泄についての描写が多い。
トイレでの生活?(個室にこもって食事をするなど)が生活の中の救いの一つであるように描かれているが、余計な描写が多く、テンポ感がもたついている印象。
芥川賞受賞前の作品(2010年)とのことであるが、もう一作読もうとは思えなかった。