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投稿者:KKキング - この投稿者のレビュー一覧を見る
そもそもアイドルとは選ばれし者だけがなれるはずだが、誰でもなれるアイドルという自己矛盾を抱えた存在が地下アイドルの端緒で、人間の自我について考えさせられる。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
地下アイドルというのは、自称で誰でもなれるので、それでもこうやって本を出版出来るのだから、成功した方。
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あまりアイドルのことは知らないのだけれども、興味深い本だった。それほど目新しい話はないのかもしれないし、同じ話が何度も出てくる。文体はわりとドライだけど、気取ってる様子もない。時々感傷的である。
距離感だろうか。イエスというわけでもないし、ノーというわけでもない。はっきりしない曖昧な態度。肯定的ではある。
今、私はここにいます、ということで、まだ渦中であり、結論のようなものはない。
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装幀と、帯がかっこいい。こんなんはじめて見た。いやしかし、アイドルの世界ってやっぱりちょっと黒い。たぶん、ここに書かれている以上にきっついことがありそう。姫乃たまさんがご自身のアイドル人生を、淡々とした文章でつづっている。
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地下アイドルのリアルを、地下アイドルとしての主観を交えながらあくまで客観的に描写している。欲求とは人の性であり業だ。
地下アイドルとしての覚悟を感じるし、客とステージの距離が近いアイドルのライブに足を運ぶ人にも秩序と責任を持つ必要があるのだと思う。アイドルファンにこそ呼んでほしい本であると同時に、この文化はどこまでも人間臭いと思っていて、多くの人に触れてほしい本でもある。
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地下アイドル「姫乃たま」の地下アイドルルポと自伝。本文にもあるが、彼女はアイドルとして舞台に立つよりも、物書きの仕事の方が多いという。とても内省的であり、等身大の良い文章を書くと思った。しかし多分に内在的であり、世界に開けていないことを特に気にもしていないし、むしろそれでいいと思っているようだ。
彼女を知ったのは15年ぐらいのlifeにて。塚越がパーソナリティを務める番外編で、文科系で生きていく、ということをテーマした回の一人として参加していた。宮台真司をじっくり聞いたのはそれが初めてで、彼のインパクトが一番だったが、彼女もしっかりと存在感を放っていた。世界の真理に触れようとする宮台に対して、内輪でもそれが生き方であると肯定し続ける姫乃の緩やかな存在感が印象的だった。
これはもう時代だと思う。今は世界よりも生活なのだ。それでも自己の外があり、それをポジティブに見つめる視点があればいいのかもしれない。それが今だ。
17.12.10
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別に地下アイドルに興味がある訳ではない(- -
でも何故か、一時期ウェブ上の行く先々に
姫乃たまさんが表れてくるようになって...
試しにブログを読んでみたのが最初かな。
文章に不思議な魅力があるのが印象に残った。
何というか、どろどろぐねぐねした「中身」を
押さえつけるでもなく、放出するでもなく、
それでいてかわいた文体で冷徹に自己分析をして。
あたまの良い方なのだろうな、と思った。
ーーーー
いつの頃からか増殖してきた
「○○アイドルやってま〜す」という(主に)女子に、
嫌悪感に近い違和感を抱いていた。
昭和育ちの私らからすると、アイドルなんてぇのは
「やる」もんでも「なる」もんでもない(-"-
周りから「祭り上げられる」ものである、はず(- -
それがまるで「タレント(この言葉も変だが)」と
ほぼ同義語で、しかも自己申告で使われる違和感。
普通の会社で短大出たての新入社員が、
「今日から私が職場のアイドルになります!」
などと宣言したとしたら...結果は見えている。
それと、何が違う? > 「○○アイドルやってま〜す」
しかもたま嬢は、自らを「地下アイドル」と称す。
アイドルという、一般的に「華やかな」ワードに、
地下という怪しくも後ろめたい形容詞。
地下アイドルを自称するのはたま嬢のみではないが、
彼女は「地下」と名乗る時でさえ「一応」をつけて
申し訳なさを増幅させたりしている。
きっと、良い意味で、シャイなんだと思う。
そして自分の立ち位置を冷静に判断できる
「大人」なのだろうと思う。
...本の紹介より、作者の紹介に力が入ってますが(^ ^;
本書は、そんな姫乃たま嬢が「一般人に向けて」
地下アイドルとは、という入門書的な文章から、
ご本人が活動を始めるに至ったきっかけや
その後の活動の歴史、仕事の広がり方、
そして現在(出版時)にいたるまでの経緯などについて
分かりやすい文章で綴られている。
対談や座談会も含まれているが、多くの文は
雑誌の連載などで発表して来た文章に手を加えたもの。
「地下アイドルと風俗の境界」やら「枕営業」やら
なかなか他の人が目を背け、触れようとしないテーマも
変わらず淡々とした文体で切り取っていく。
現在のたま嬢の活動は、アイドルとしてよりも
「ライター」としての方が比重が大きいようですが....
しかも連載してるのが「AVのレビュー」だったりすると、
「そもそもアイドルとは!?」という疑問が湧くが(^ ^;
とにかく「アキバカルチャー」も「地下アイドル」も、
歴史が浅く常に進化変容を繰り返しているので、
既存の枠組みで捉えようとしても無理かろう。
とにかくこの拙文を読んで興味を持たれた方は、
ぜひ彼女の書いた文章に触れてみていただきたい。
特に私と近い世代の方には、きっと感じるものがある。
お父上はあのカリスマバンドのベーシストだし(^ ^;
ちなみに、私は「アイドルとしてのたま嬢には、
興味が無い...わけでもないですが...(^ ^;
とにかく彼女の「文章のファン」と言っておきます。
生でたま嬢を見たこともないし、
歌手なのに、実は声を聞いたこともない(^ ^;
「物書き」姫乃たまの入門編として、
本書をオススメしておきます(^ ^;
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地下アイドルと言えども、大学でメディア関係のことを学んでいた人の書いたものだから、かなり読みやすく、変に何かを表現してやろうとしているものではなく、シーンのど真ん中から 冷静に見つめて、感じたことを淡々と書いてあって、地下アイドルをあまり知らない私でも、地下アイドルのシーンについて感じ取ることが出来た。
承認されたい気持ちは誰にだってあるし、地下アイドルは、本当に面白い存在だと思った。
誰にでもなれて、いつでも辞められる
インディーズバンドも ほとんど コレなのに気付いていない人 俯瞰して見えてない人多い気がする
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目を背けたくなるような裏事情も堕ちてしまった子たちのエピソードも書いててエグい部分もあるんだけど、根底にあるのは著者の姫乃さん自身の地下アイドル愛。
地下アイドルとその現場やファン、関係者の在り方は、外から見るとすごく歪んでいるように見えるのだけど、そこでしか生きられない人もいる。
そんな不器用な人たちへの愛情が文章の端々から感じられて、本当に姫乃さんは「地下アイドル」というものへの愛が深いんだなぁと感じた。
自分もまた色々なトラブルを経験したり挫折を経たりしながら、それでもアイドルを続けざるを得ない「業」みたいなものがあることを自覚してるからこその、優しい視点なのかな。
メジャーなグループだけ推してた自分からは見えなかったものがたくさんあって、資料としてもとても興味深かった。
本書が書かれてから既に5年以上の時が経って、コロナもあって、地下アイドルを取り巻く事情も大きく変わってるんだろうなぁ。
でも形態は変わってても「女の子の承認欲求」と「距離感の近い女の子をみんなでちやほやする快楽」がある限り、地下アイドル的なもの自体はなくならないんだろうなって気もする。