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2014年9月27日の御嶽山の噴火について、登山者およひその家族、救助者、火山研究者、観光業者などの地元の人々など多方面からの取材をもとにまとめた、骨太ドキュメンタリー。
全ての登山者が読むべき。
紅葉時期の土曜日の11:52、おそらくこの山頂にいる人数が一年で一番多い時期の噴火は、神様の意地悪ではないかと思えるほどの不運。
カップルで亡くなった話、年少の子供が亡くなった話などは読んでいてつらい。
当時から、気象庁が危険情報をレベル1に留めておいたのが失策であり、これをレベル2にすれば死者は減っていた、という話はあったが、気象庁のせいにすればいい話ではないと思われる。
この本の中にも、実際に火山性地震のデータを確認していた男性が、そのデータをもとに9/20から9/27にしていたという話があった。(実際の火山性地震の件数は、噴火直前には減っていた)
実際のデータをみてみたが、私もその日に登山に行くのは問題ないと考えてしまいそうだった。
この本に掲載されていたその日の登山者へのアンケートでも、22%が御嶽山が火山だと知らなかったという。
やはり登山者が自分で学び、情報を収集すること。それを助ける仕組みや情報を公共で提供することが重要だ。