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紙の本
これまでの作風を一転する理不尽な寝取らせ&寝盗られの夫婦交姦
2016/06/05 22:40
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投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
一般的には「寝取られ」と表現することが多いところを敢えて『寝盗られ』としたのであろうタイトルにそれだけ強烈に奪われる(盗られる)との予想も働いたが、それは予想通りであり、ある意味では予想以上だった。仕組まれた「寝取らせ」と引き換えに初心な若妻が『寝盗られ』る半強制的な夫婦交姦に翻弄される主人公の姿に胸が絞めつけられる。
【宏】 お抱え運転手として出入りする26歳の主人公。
【七恵】宏の妻。純真無垢で初心な23歳。
〈永治〉紳士然としながら冷たい雰囲気も湛える47歳の大学教授。
〈美玖〉永治の妻。妖艶な佇まいで宏を魅了する27歳。
躓きながらも懸命に暮らしてきた宏と七恵の幸せな夫婦生活が美玖の存在から次第に狂わされ、その背後に君臨する永治の用意周到な仕掛けによって墜落させられていく理不尽な物語を急に紡ぎ出した作者が意図するものは何だろうか。これまでの優しいラヴストーリーとは明らかに一線を画す作風に覚える違和感のみならず、ある意味では従前のファンを突き放すかのようでもある。
しかも、当初はあまり乗り気でなかった美玖も巻き込んで真綿を締めるような蟻地獄を1年ががりで用意しながら、目的を達したら興味も失せたとばかりに最後は自らの権力を傘に用済み扱いしてしまう永治の横柄な態度は嫌悪に値するもの。もう元の場所に戻れなくなった夫婦の淫靡な悲哀とともに後味の悪いものと言える。
しかしながら翻弄されていく、その堕ち様にフォーカスするとなれば本作は相当に退廃的な淫猥さで読み手に迫ってくることになる。永治の支配に搦め捕られた美玖が前後の玩具責めで悶々とした艶姿を宏に晒し、夫に裏切られた(と勘違いさせられている)悲しみから永治に身を委ねた七恵は短期間で調教されてしまう。
真相の判明と共に2組の夫婦が交互に絡み合うクライマックスでは、1人ほくそ微笑む永治と奈落に突き落とされる宏&七恵に対し、「おあいこ」とする美玖に何とも言えない女性的な損得勘定を見た気がした。寝取らせの駒という損な役回りながら宏とイイ思いもした美玖からすれば七恵もまた永治に寝取られながらイイ思いもしてもらわないと釣り合いが取れないといったところなのであろうか。
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