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再読。
自分の嫌な部分を「消したい」と思ってしまう善人であろうとする健康な自分が、その嫌な自分病んだ自分欠点である自分を消そうとするあまり「殺したい」につながってしまうという主人公の心理にものすごく共感してしまった。「殺したい」とは思わないまでも、「消したい」と思ってしまうことはある。一旦その思考を認めてしまうと、染み付いて染み付いてこびりついてくる。
病んだ自分が自殺しようとするんじゃない。健康な自分が病んだ自分を消そうとして殺そうとしてしまう。。
それを分人という考え方でとらえながら、うまく見守って共存していくという生き方を示してくれている本著。下巻では思わず涙してしまいまいました(下巻で追記する)。
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3年前に死んだはずの人間(主人公 徹夫)が、生き返る。自分は なぜ死んだのか、自殺か事故か殺人か、それすらも分からないまま復生者として生きていく。一度死んだ人間は、まわりから気持ち悪がられ社会になかなかなじめず 社会復帰さえむずかしい。そんな中で、なぜ自分が死んだのか、、周りからは自殺と伝えられるが、自分には全くその記憶も理由も思い当たらず真っ向から否定し模索する。その経緯を紐解いていくと… 記憶の断片が犯人を予想させるが、
その先に見えたものは…!
下巻ではどう展開するのか…。
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なぜ死んでしまったのか、主人公の葛藤が生々しく描かれる。ありえない設定なのに何故かすごくリアリティを感じる。
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【いちぶん】
それが、彼の生の焦燥の火元だった。彼は、自分が生きているという確かな実感を求めていた。ただ漫然と日々を過ごすのではなく、何かに打ち込んで、自分という人間を十全に、余すところなく使い切りたかった。
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世界中でごく一部の死者がよみがえる怪現象が発生。彼らは「復生者」と呼ばれ、社会に混乱を巻き起こしているが、主人公の徹生もそのひとり。彼は自分の死の前後の記憶がないのだが、絶対に自殺ではなく他殺だったのだと主張し、犯人探しを始めるのだが…。
SFミステリのようなキャッチーな設定のため、ぐいぐい読めるが、登場人物それぞれの言い分や認識の齟齬があらわになるにつれて、徹生だけでなくこちらも混乱してくる。
とりあえず下巻へ。
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死んだはずの男が生き返る。死因は自殺であると告げられるが、自分にはまったく心当たりがない。一方で殺意を抱く者に心あたりがあるため、犯人を突き止めようとする。
この過程はミステリータッチで楽しめ、ページをめくる手が止まらなかった。
一方で自殺をすることによる周囲への影響や、生きる意味という重いテーマも取り上げられている。
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分人という言葉が印象に残った。
結局、色んな自分が心中に存在してて、互いが喧嘩して自殺という結果にまで発展させてしまったというような認識。さて、ただしいのか?
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平野啓一郎らしい作品。
決壊と似た感覚になるけれど、決壊よりも読みやすいかな。
自己主張が激しい、筆者は伝えたいことがあるのだということが小説内で表現されつくしている。
私は結構好きだけど、好き嫌いは分かれると思う。
下巻も期待!
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(後半にネタバレあり)会社の会議室で目覚め、帰宅した主人公は、妻から「あなたは3年前に死んだ」と告げられる。同じように生き返った人々は世界中にいるらしいが原因はわからない。自殺とされているが、殺されたのだという記憶から犯人を追ううちに、、、。
というだけなら、よくあるミステリーだが、「私とは何か」で「分人」という概念を提唱した作者が、概念だけでなく、実際にこういうことだという事例をうまく小説で表現した感じ。自分という人間は分割できない一個人ではなく、様々な性格や人格が混ざった分人の集まりでできており、その分人が互いに影響を与え合っている。良い影響なら良いのだが、中には認めたくない残虐・卑猥・尊大な自己もなくはないわけで、分人同士の対立が閾値を超えたり、一方を消し去りたいという思いが強すぎると自傷行為や自殺に繋がる。数年前に落ち込んだ時のことを思い出すとこの考え方はとてもよく理解できる。分人の存在は簡単には消せないので、納得して、上手く付き合って生活するのが良い。
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主人公がまさかの黄泉がえり!?
妻から聴かされる衝撃の事実!?
『あなたは自殺したのよ』
自分が自殺したとは思えない中、主人公の周囲の人達は自殺を受け入れていた・・・
主人公は自分の死を受け入れることが出来ず自分を殺した犯人を探すことになるのだから・・・
下巻が楽しみです。
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なかなか最後に行き着くのに困難だった。
なんとか読み終えたという感じだ。
設定が苦手。
こんな本を読むことを読書と言うのかも。
ずいぶん前でレビューは忘れた。
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分人の考え方に共感できそうだったので読んでみたけど、その説明に至るまでのキャラ紹介?の段階で挫折しました、、
マチネの終わりにを書いたひとと同じとは思えないくらいの幅、ある意味すごいなぁと思うけどちょっと今の自分には読み進められる心のスペースがなかった、、
ので上巻途中で心折れてしまったけど、
読める日がくることを祈って一旦忘れようと思います
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人は自分自身ですら、その全てを理解することができないのかもしれない。自分が自覚していない分人(?)があるのかもしれない。もしかしたら、無意識に、自分も自殺してしまうかもしれない…。
平野啓一郎の小説(ここ数年の)を何冊か読んだが、心がギュッと握られるような苦しさを感じることが多い。その点が、心地よく読める他の小説とは違った魅力なのかもしれない(この感じが苦手な人もいるかも)。
下巻の内容が気になる…!
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話の展開が随分とゆっくりだー、と前半は感じていたのですが、それは長い溜めであったようで…
後半はページをめくる手が止まりませんでした。
カフカの「変身」では、主人公が虫になった理由は取り扱われていませんでしたが、こちらの小説では、主人公の身に起こった奇跡にじわじわと触れていくようで、とても新鮮でした。
これまで平野さんの小説は何となく避けてきましたが、26歳になった今なら読めるようです。笑 下巻だけでなく、他の小説にも今後触れていけると思うと、とても楽しみです。
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上下巻通しての感想として。同著者の新書の『分人とは何か』を以前読んだときのことを思い出した。ゴッホの肖像画の話は、まさしく自分が絵画鑑賞をする際に思う部分がある。同じ人物がそれぞれ違う人のように見える。しかし、いずれもニセモノはおらず、すべて自分であるというところ。絵を描く人が自身をそのように描くということは、誰しもが、この本で記載のあるような「分人」を期せず併せ持っているのだと思う。あの人に対する自分。あちらの方に対する自分。親しい友人に対する自分。いずれも本物ということになる。
伊勢物語を引用する部分において、出家=社会的な分人を消すこと と捉える点もまた興味深かった。並大抵の覚悟ではできないようなこと。本当の自殺に至らずに済んだ人が多くいたのでは、という考え方にもなるほどと思う一方で、なぜこうした考え方があれだけ大河ドラマなどで出家の図が描かれているにもかかわらず、世間一般に浸透していかないのかとも思えてくる。
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「世間は、傷ついた人の心がすっかり癒えてしまうことなど、絶対に許しませんからね。グジュグジュ、グジュグジュ、いつまでも膿んだままで、一生苦しみ続けるべきだと、まあ、呆れるほど陰湿に思い込んでますよ。表面上、明るく振る舞っているならかわいげもある。けど、本当に明るく生きるだなんて以ての外だ。なんて薄情な女なんだ。自分にも責任があるとは思わないのか、とね(佐伯)」(p.332)