紙の本
胸を打たれました
2021/12/16 11:29
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投稿者:rumo - この投稿者のレビュー一覧を見る
『アヴァール戦記』で中村先生が同性愛者であることを名言されていたので、その私生活を書かれていると知り購入。
コミックエッセイではありますが、他の類誌では見れない密度の濃さと、人間の世知辛さ、さらに奥様の重々しい過去・産後鬱・同性愛者としての精神論には、泣きました。
中村先生もかなりしっかり考えを持っている方だと思っていましたが、奥様がすごい!
物事の考え方について感服いたしました。
子どもたちの成長もなかなか見もの。
可能であれば二冊目を希望したいです。
紙の本
レズビアンという事だけでない
2016/01/06 17:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:メロリーナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
他の方のレビューにもありますがレズビアンカップルであるという事は核ではありますが、相手の方は男性との間に子供がいたり著書は他に彼女がいたりと、パートナー関係が新鮮です。でも、子供たちに対してはとても真剣で、好感が持てます。ただ、読む方は楽しいんだけど、こんなにプライベートな事書いちゃって大丈夫なのかなーとは思います。
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レズビアンであることはこの本のメインでは無いように感じます。それは家族の多様性の範疇かなと。
それよりも、虐げられてきた環境や鬱により自分を傷つけざるを得ない人に対する対応がとても印象に残りました。
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読了。
「保護者からの気まぐれのおしおき」は絵と一緒にみると、すごくあせる。レイプの話は、衝撃が強かった。今日、1日考えることになるなと思う。出産の話が、あった。こんなに大変なことだったのかと知った。娘が生まれたとき、奥さんは実家に帰っていた。毎日、仕事が終ったあと顔を見に行った。そのとき、どんなに大変だったか、あまり想像できなかった。この本を読んで、少し想像ができた。
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201511/中村珍はこの人にしか描けないことを、この人にしか描けない表現で放ってくるので好き。ただ、子供側はしなくていい思いを抱えさせられ、必要以上に早く"オトナ"にさせられてしまうので、そこは切ない。勿論そこもわかった上で、だろうけど。いろいろなカタチの家族があっていいしもっとみんなが生きやすい世の中になればいい。第7話の、「どっちの?」って泣けた…。
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お母さんが二人いてもいいと思います。「家族」であることにあぐらをかいて、何の努力もしていない家族より、悩んで学んで話し合って考え続ける「家族」の方が、よっぽど健全だと思います。
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考えさせられるけど、重くない。重くないといいつつも、ずっしりしたセリフが多いという。作者に対しては尊敬という言葉が出てくる。
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いろいろ引用して感想を書こうと思います。法には触れないはずですが、この感想を読む人に自衛してもらわないと面白さが違うと思うのでよろしくお願いします。
レズとかうつとかは別に特別なことだと思わないんですけど、人との向き合い方が丁寧すぎて変な顔しながら読んでいました。
わたしは作者さんの作品はこれがはじめてなので、新しい価値観にあったような顔してました。
・病気に責任おしつける とか
・氷はまた凍る→安心する練習 とか
・私今の演説で~元気になるべきなんて思ってません~全否定しても大丈夫 とか
・身近な大人に徹底的に愛されてくれ とか
言い回し?優しすぎる違和感みたいなものを感じていた。これが別の人間の価値観を理解しようとすることなのかな。(上記の価値観に異論があるというわけではないですよ、勿論)
・キヨちゃんの抱えている負の感情を常に全肯定します。(P59)
とか、サツキさんも頭の良い女性だし、…やさしさというかこの抜粋部分は聡明さからくる慈愛だと思うのだけど。
人との向き合い方が丁寧で、なんでこんなに本音で話し合っているのかと思いながら読んでいた。
まっとうな人間関係すぎる。
システマチックな家族間のやり方といい、本書を通して読んで、丁寧すぎるくらい丁寧な人間関係を見て、「いいなあ」と思うよりも違和感を感じた自分の気持ちもつかみきれない。
ただ、
「…今さら100%どうしようもない条件引っ張り出してきて「良かったのにね」だなんて 同情マークの不幸の烙印押されてもどうすらいいの」(p144)
「自分のせいじゃないときは逃げていい」(P150)
「この悩み方がもうね
尊厳を傷つけられた証拠なんですよ…
納得してください
自分は完全なる 被害者だと」(P156)
「今 苦しいなら 100年経っても 今の話です…
今さらじゃないです…」(P157)
「犯人がもたらした幸せなんてありません…
幸せになるたび ご自身の英断を褒めてください」(P160)
とか、この方の著作からは新鮮な感情をうけとるので、もっと読める機会があればよいなと思った。もうちょっとしたら読むと思う。
あと、雨宮まみさんとおかざき真里さんの「ずっと独身でいるつもり?」を読んでいたから、「独身でも既婚でも等しい保障を」はやはり日本のこれからの課題なのではないかなと思った。
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語弊がないように書きたいのだが
レズビアン=社会的弱者とは言い切れない。
自由恋愛弱者とは言えるかもしれないけど・・・
なのでこの手の本は
普通の幸せを勝ち取るための私の悲喜こもごもが
溢れすぎて
胸やけすること多しだが
この本は違う。
私の暴論だがアイドルがみんなの笑顔が見たくて
といわれると
人の気持ちを先回りするなよと思ってしまう
あなたが目立ちたい、踊りたい、モテたいは1mmもないの?そのためにファンを使いすぎるのは?と
それに似ている。
先回りして誰も傷つかない正論を吐く。
だけど社会はそれだけでは成り立たないし、
胸やけをしょっちゅう起こす。
その胸やけを無かったことにしないで
さらけ出してくれている。
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もしこれが知人が茶飲み話として「実は…」と語りだしたお話なら、もちょっと素直に受け容れられるかもしれんけどねぇ。
う~ん なんだろう?スッと入んない。ぃや 入らせたくないんだな、この感覚は。
絵柄が苦手ってこともあるしLGBTsとは無関係にこの著者さんの言いたがってること(と私が受け留めたもの)が、どうもしっくり来んのね。
う~ん そうだな~。
懐かしの『中学生日記』観てた時に似てるかなぁ。
うん 仰っていることは正論なんだけどさ、自分が子育てや誰かを好きになることに対して理論武装の必要性を考えたこともない呑気な人間だからなのかなぁ?
敢えてひと言で表すと、このひと達 「窮屈」。
あとね、ダダ漏れする「私を愛して」感を受けとめるには私は自分が大好き過ぎて手一杯で無理無理だ。
器が小さいんだ、ごめんよ。
ただ、私も虫が苦手なんで、子供の為に頑張ったってとこは素直に尊敬するんで、そこに★ひとつ追加。
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絵も好みでないし、タイトルからして遠巻きにしていたのだけれど、読んで良かった。
徹底して真正面から人間と向き合おうとする姿勢と、言語化しようとする意欲が暑苦しく感じる人は多いと思う。
平和に育ってきた者にとっては理解しえない範囲だろう。
“まずは独身者が個人単位で暮らしやすい社会がいい”
強者は利権をもつ。だからこそ、そのうえで照準は弱者に合わせる必要がある。
弱者に恩恵を与えるのではない。弱者でも暮らしやすい社会は、強者も暮らしやすい社会である。
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レズビアンのカップルの育児の本かと思ったら、どちらかというと恋愛の方がメインであった。中村さんのパートナーに対しての献身振りがすごくて、改めて自分には恋愛で相手の全てを受け止めるようなことは無理だと思った。鬱の重い人の何でも悪く捉えて責められるような状況はケツをまくって逃げ出したくなるに決まっている。そんな大変な状況にあって、漫画を描き続けるなんてすごすぎる。
相手がパニックのような状態にあってもきちんと向き合って言葉で解きほぐしているような作業を丹念にしていて、すごかった。
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LGBTQの本棚から
第52回「お母さん二人いてもいいかな!?」
今回紹介するのは『お母さん二人いてもいいかな!?』(中村キヨ)です。
婦妻(ふさい)で育児をする作者のコミックエッセイです。
(ちなみに中村さんたちは片方の連れ子を二人で育てるタイプのレズビアンカップルです)
色々なことが起きますが、最終的にはこの漫画の軸は
『愛ってなんですか?』
という問いかけのようでした。
さて、その色々なことですが、ざっくりいうと
・妻を拾いました
・産後うつとの闘い
・キッズシッターは "彼女"
・僕のお父さんは誰?
こんな感じです。
読みたくなってきませんか?
妻を拾ったってなんだよ!?ってね!
その辺は実際に読んで確認してください。
さて
僕がこの本を通して思ったのは
「愛に溢れた」
漫画だということです。
正直泣いてしまうところもありました。
特に心に残ったのは、中村さんの
『子供は一人残らず身近な大人に徹ッッッ底ッ的!に愛されてくれ〜‼︎ と思う』
ってところと
『うつ病に対して中村さんが決して責めない接し方をしている』
ところ
『相手に対して真摯に向き合う』
ところですね。
LGBTQの本紹介なのになんか違くない? と思った人もいるかもしれないですが、なんというかこの本はセクマイとかそういう枠に当てはめきれなくて…
まず子どもは愛されるべき!というところは、長男の持ち帰ってきた宿題が話の発端です。
『自分が生まれた時の話を聞こう!』
みたいな課題、覚えがありませんか?
『みんながみんな
生まれた時のこと
聞ける親を持ってる
わけじゃないですからネ』
『親が居たとして
家庭内が不和であれば
聞きやすい話ではない筈ですし、こういう宿題は乱暴です』
『お友達の中に今頃困って、眠れなくなってる子、いないといいですが』
これはその場面のセリフです。
あー、確かになあと……。
大多数に当てはまるからといって、全員にやって当然だ、ということにはなりませんよね?
ちなみにシングル家庭は(軽く調べた感じだと)クラスに1〜2人くらいみたいです。
40人弱のクラスなら、セクマイの比率は13人に1人と言われてるのでセクマイのほうが多いかな?というくらいですね。
13人に1人というのはAB型の人や左利きの人と同じくらいの割合らしいです。
左利きの子には必要な場面で左利き用の道具を提供したりしますよね。
誰の目にも見えることにはサポートがある程度期待できますが、具体的に見えないシングル家庭の子もセクマイの子もいるんですよね。
子どもの抱える悩みって、大人からしたら軽いことなのかもしれませんが、本人からしたら一大事です。
だって大人は自分で解決する手段がたくさんあるし、自分の世界も広いですから。
でも子どもは基本的に家と学校が世界です。そのなかで、できることはかぎられてます…。
そういう世界で、情報提供の場や逃げ場所に図書館はなりえるし、司書や先生はそれを提供できる力を持っている……。
そしてそんな場を作るために必要なことのひとつが、相手との接し方を考えることでしょう。
漫画の中で中村さんは産後うつに苦しむパートナーを決して責めず、寄り添っていました。
それはもう、献身的に。
子どもたちを責めず、守ってくれる大人が1人でも増えてくれたらと思います。
子どもたちの話を紹介しましたが、それ以外にも本当にたくさんのことを教えてくれる本だと思います。
子どもと接する機会の多い大人には読んでほしいですし、なんとなく暗く考えてしまうセクマイさんにも読んでもらいたいです。
学校図書館に置くなら中学校から大丈夫だと思います。
2018年06月11日
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羣青の作者、中村珍さんの別ペンネームの中村キヨ名義による、タイトル通りの本。
中村キヨさんは、すごく軽やかに生きているように見える。
(いや、周りの人に語る言葉から、その言葉が出るに至る過程を想像すると、考えに考え抜いて生きに生き抜いたからこその軽やかさなのだが)
ゆえに、そう生きられない人から妬ましい……と憎しみのtweetを受けているような気がする。ごく簡単に人に石を投げられる時代に、声を上げるというのはそれだけでリスクがある。
理想や大義がまっとうだとしても、身近にいる人に偏見があればそこは地獄。それは本当にその通りだ。隠匿する権利を守りたいという彼女が強い。
レズビアンカップルというよりは、ある一つの家族の暮らしという気がする。
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借りたもの。
これはLGBTの問題に留まらない!
義理の親子…ステップアップファミリーの在り方であったり、子供への性教育の回答の仕方であったり、無抵抗の女性をレイプした男行為が罪であること、その男が知らない、女性(犯罪被害者)側の苦悩が赤裸々に描かれている……
多くは語られていないが、毒親・虐待サバイバーである著者・中村氏のたくましさやパートナーのサツキさんへの包容力のある接し方に、私はただ尊敬の念を抱く。