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投稿者:のの - この投稿者のレビュー一覧を見る
力作だと思う。
ストーリーが行きつ戻りつするので、すらすらとは読めなかった。
今の世の中なら、差別的な表現がかなり減っているから、都会なら『ちっとも老けない』人間も堂々と生きられるような気がするが駄目なのだろうか。
『かえいさんはかえいさん』という見方に私は賛成である。
老け顔メイクなんかで、うまく立ち回って欲しいと感じた。
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おそらく、信じてはもらえまい。でもたしかに彼女はそこにいる―文筆家を目指するみ子は、祖母から一族の秘密を聞かされ、それを書き記すように告げられる。秘密とは、一人の女性のことだった。嘉栄という名のその人は、世間からひた隠しに隠されていた。
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人とは違う時間の流れの中で生きる女性を描く。
みんな一様に年を重ね老いていく、と思っているが、実は時間の流れは人によって違うのかもしれない。
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時の流れを感じる時それは同じ速さで流れてはいない。時計の針は同じ速さで進むのに。異なる時の流れの中にいる嘉栄さんの孤独は彼女だけのもの。千年を生きる異形の者や怪異たち、彼らの中にも一人ぼっちがいたし仲間がいる者もいた。彼女にも同じ時の流れにいる者が一人でもいたらそれだけで何かが違っていただろう。
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祖母には双子の妹がいた。でも彼女は見た目は祖母とは双子には見えず、その存在はずっと世間から隠されていた・・・・一家の秘密を綴る作家の手記の形を取った小説。
明治~昭和の時代背景も丁寧に書き込まれて本当にこんな一家がいるのかも思わせる筆力が素晴らしい。
ついこちらも息をひそめるようにして、一気に読んでしまいました。
人とは違う時の流れを送るということがどういうことか、同じ体質の子を産んでしまうかもしれないという一族の女性の恐怖、多くの縁者を見送っていく長い老後・・・想像すると切ないというか怖いですね。
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現代の八百比丘尼?
彼女をめぐる一族が絡め取られた運命と恐れ・畏れ、そして嫌悪…
そういったものが淡々と描かれている。
この人の作品の感想を書く時にはいつも、「淡々と」と、同じ言葉を使ってしまうのだが、実際そう感じるので仕方ない。
比丘尼さんの追記がある。
カラッと自然体な勇気のある葵さんによって、一族も嘉栄さんも救われる日がどうやら来そうである。
ファンタジーとして書かれたのではないと思う。
ということを付け加えておきます。