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工場で働いている同僚が、過去に連続児童殺傷で日本中を震え上がらせた犯人ではと疑い始め、それでも友達でい続けられるのだろうかという物語。明らかにあの事件をモチーフにしており、現実味を帯びています。親しくなった友人が過去に猟奇的な殺人を犯していたらどうするか。私なら考えるまでもなく距離を置きますが、この主人公は考え悩みます。このあたりは現実離れしていて共感もできませんでしたが物語としては良かったです。実際は反省したところで許されるものではないと思いますが。
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犯罪者も人間で、多面性をもつことを思い出させてくれる作品。
重たいテーマだけれども、希望を見出だせる作品。
多くの人に読んでほしい。
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友達が犯罪者だったなら自分はどうするのか否応なしに考えさせられる。
どんなに友を大切に思っても犯した罪を無かったことにすることはできない。
被害者でも被害者遺族でもない人間が決められることではないから。
はっきりした答えの出てこない葛藤の中で「罪は消えない」その事実だけが揺らぐことなくそびえ立っている。
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友達が重大犯罪の犯人だったら、恋人が人には言えない過去を持っている人だったら、この本を読んで少し考えてみました。
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まぁ、ほぼ一気読みでした。
途中でなかなかやめられませんでした。
若干、色んな要素を詰め込み過ぎな気もしますが、短い文章に集約して面白くしあがっていると思います。
個人的に思い当たる点が多すぎて、いろんな過去がぶり返され怒りとか悲しみとかやるせなさとかが渦巻きました。
どう答えたらいいんでしょう?
親友の過去を知って友達を続けられるかどうか?
Yesです。ただし、今現在、大切な親友だという事が大前提です。
会社の同僚程度ではダメです。
この答えは建前です。
実際にはそんな単純なことではないと思います。
なぜならば、そんな犯罪を犯すということは、どこか心の歪みがあるからで、それが時間の経過で改善されるかというと、そうではない事が多い。
そんな歪みのある人と上手く付きあっていけるのかと考えた時に、まず親友にはならないんじゃ無いかと思う。
犯罪を犯したかどうか別にしても、親友というのは難しい。
普通の人同士でも、友好関係はとてもつまらないきっかけで破綻したりする。
結論として、こんな問いかけに対する答えなんて、これだと言う確実なものは無いという事です。
ピダハンならどうするのか?
ピダハンの社会でもし事件が起こったならば、被害者の親族に返り討ちに合うか、村八分にされると思います。死刑はないけれど、村八分にされるとジャングルの中では生きていくのは難しくなります。
実際に村八分になって一人で暮らす例もあります。
はぐれオオカミみたいなものです。
人が人を裁くという事に対しては、簡単に意見を述べる事は出来ませんが、新たな殺人である死刑制度には疑問があります。
ただ、現実問題として、罪を犯した人が死んでしまってこの世から消えると、どこに恨みをぶつけたらいいのかわからない状態になり、恨みながら人生を進めていく事も少ないのではないかと思います。
人は生きていくからには幸せになりたい。幸せになる事を求めなければ生きていくことはできないんじゃないかと思います。
国が生きろと決めたのなら、生きていくしか無い。生きるからには幸せを求める。それでいいじゃないですか。
だれがそんなふうに生きたって死んだ人間はもう二度と生き返りません。
しかし、いずれにしろ人間は死ぬのです。
大きな宇宙の営みの中で、人間の生涯なんか一瞬の出来事です。
他人を批判したりのけ者にしたりするエネルギーがあるなら犯罪を未然に防げるような努力に置き換えて欲しいと思います。
あと、もう30年以上にわたってフォーカスとフライデー、週刊誌のたぐいは触るのも汚らわしいと思うぐらい避けています。人間というものは残酷な面を捨てられないんですね。こんな雑誌が何十年ものさばっているなんて。
見つけたらゴミ箱に入れます。ほんと汚らわしいです。怒りが蘇って来ました。
そして中学生はもう大人だと思います。
犯罪だって犯します。
集団暴行もありました。
大人になって時間が経過したからと言って和解できるかというと、無理です。
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分厚い本なのに、ビックリするほど読みやすくて一気読みだった。
出てくる登場人物たちの中には本当に嫌な奴も交じっていて、「なんでそうなる?」と理解できないことが、はじめはすごくしんどかった。
自分が女性なせいか、とくに弥生と美代子に嫌悪感を覚えた。理屈は分からなくもないけれど、振り切れすぎじゃないかと思う言動があったからだ。
もちろん、人の嫌がることが好きな元カレや下卑たこという同僚たちも最低だったが。
ただ、最初あまり好きになれなそうだと思っていた益田については、最後の最後で応援したくなった。
彼の今後の活躍に期待。
解説にも触れられていたが、鈴木視点がないことがこの小説のポイントなのだろう。
益田に見せる顔、美代子に見せる顔、弥生に見せる顔・・・それぞれ違った面があって、でもそれが鈴木で。
彼の気持ちについては、益田たちと共に想像するしかない。
他の登場人物に嫌悪感を抱くのも、作者の意図するところなのだろう。
ハッピーエンドではないのに、読了後に嫌な気持ちが残らなかったのは、作者の筆力があったから・・・と、思う。
むしろ、「いつか鈴木に届きますように」と願わずにいられない。
「もし自分だったら」を考えずにいられない。けれど、嫌なやつらを読むのはしんどい・・・という思いで、☆4・5。
とても読みやすく考えさせられる作品だったので、いずれ、他の作品も読んでみよう。
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一緒に入社した同僚が
過去に世の中を震撼させた事件の犯人だったと
気づいてしまったら
あなたは変わらず仲良くできますか。
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2017.10.16読了
いつもは読まないあとがきまでしっかり読みました。
今回の薬丸さんも難しい問題で。
内容は、分厚い本ですが上記が全ての様に思います。
自分なら、自分だったらと
ずーっと考えながら読んだけど
結局自分の答えは出せぬまま。
「闇の底」のような小説を期待していた人には
少し物足りない、すっきりしない感じが
するんだろうなと。
立場立場によって読了感は違うと思います。
しばらく後を引くなぁまいったなぁと感じながら
この次に出版されている「Aではない君と」を
早く読みたいと思っています。
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薬丸岳『友罪』(集英社文庫、2015年11月)読了。
小生が読んだのは2016年6月の4刷。生協書籍部で購入。
文庫で590ページを超える本書は、読んでいて息苦しくなるほど重い内容だった。
ミステリではないのであらすじを書いても問題ないが、あらすじを書けば陳腐なものになる。テーマは「自分の近くに友達や同僚として犯罪者がいたらどうするか」である。
聞いた不幸・見た不幸とはよくいう。
一方で「そんなこと、いってくれたらいいのに」「気にしないよ」ともいう。しかし、それは他人の不幸で、自分とは無関係のことであり、結局は興味本位で見聞きするに過ぎない。
本書で扱われている出来事は、遠い昔に過ちを犯してしまったもの、あるいは犯罪ではないものの知られたくない出来事、または親族が犯罪を犯してしまったものなど、いくつもの「知られたくない過去」が描かれている。その過ちを主人公である益田自身も背負っている。
本書を読んでみると、人間の罪深さは、犯罪者に厳罰を持って対処するという一面と、犯罪は心の問題であるとして更正させようとする優しさがあることであると思う。これは犯罪ではなく過ちに対してもそうなのだろうと思う。
『さすが薬丸岳!』と思えたのは、その書き出し。
読み進むとその過去が描き出される登場人物が一人一人の市井の人間として登場する。それは何気ない日常の中で生活する人物として描かれる。平穏な日常を生きる登場人物の過去を描くことで、書き出しの何気なさが重い意味を持ってくる。
今現在の平穏は過去の犯罪や過ちが露見することであっさりと壊れてしまうことを再認識させられた。
残り3分の1は途中で止めることができなくなり、結局夜を徹して読み、読後も気持ちが高ぶって眠れなくなった。
うーん、やっぱり薬丸岳。
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もし、自分の近くに猟奇的な殺人を起こした人物がいたら、どうする?
その人物は当時未成年で、更生施設から一般社会へと戻っている。
正直、そんな人が近くにいるとわかったら、普通ではいられないかもしれないと思う。
どこか遠くへ行ってもらいたいと思うかもしれない。
本当に更生したの?と思わずにはいられないと思う。
ただ、彼らにも生きていく場所は必要なのだろう。
そんなとても難しい問題を取り上げてある。
読みながら常に頭の中を様々な思いや問いかけが渦巻いていた。
薬丸さんの作品は少年犯罪を取り上げているものが多く、考えさせられることが多々ある。
また他の作品も読んでみたいと思わずにはいられない。
2021.12.13
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忘れられない、忘れてはいけない過去を持った人たちが集まる。
「起こしてしまったことはなかったことには出来ない。」ではその後どう生きるか。周りはどう接すればよいのか。難しいテーマの本だった。
法に触れているか否かの違いだけで、人に触れられたくない過去を持たない人のほうが少ないのでは。友達が重罪を犯していたら?自分だったらどうするか。いつまでも答えの出せない重い問題。益田が最後にしたことは、なかなかできることじゃない。とても勇気のある行動。
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埼玉にある小さな町工場・カワケン製作所には、だれにも言えない過去を背負った従業員が集まっていた。未だに過去を克服できず毎夜うなされる者、過去の自分を曝されてしまう者、何とか過去と向き合い生活している者。最終的に彼らが取った選択とは!? やはり薬丸岳さんの作品は素晴らしい!
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14歳のときに小学校低学年の子供ふたりを殺した少年。
名前を変え、素性を隠し、更生のための矯正プログラムに守られながら生きてきた少年。
けれど、その保護下から逃れ、一人で生きていこうとする。
「もし、自分が自殺したら悲しいと思うか?」
鈴木に問われた益田は、過去のトラウマもあり頷くことしかできない。
深い考えもなく答えた益田の言葉に、鈴木は自分自身が生きていくことの意味を、自分が存在していくことの意味を見出していく。
起こしてしまったことはなかったことには出来ない。
過去は過去・・・とは言っても、どれだけ時間が流れようとも過去が消えてなくなるわけではない。
AV女優だった過去を持つ美代子。
息子が交通事故で子供3人を死なせてしまった山内。
人の過去を興味本位で面白がり、からかい、非難し、糾弾する清水たち。
たとえ事実に反していたとしても、少しでも読者が食いつくような刺激的な記事を書き、世間を煽りたてるマスメディア。
まるで自分たちにはそうする権利があるとでもいうように。
許されない過去を持つ人間の定めだ。
自業自得だ。
生きていくことさえ許されないのだというように。
益田の手記に込められた思いは、果たして鈴木に届くのだろうか。
正解のわからない問題を出されたような物語だった。
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またしてもハズレない薬丸サン。
難しいテーマだけど、読みやすいし読みごたえも十分。
鈴木が犯した罪は決して許されないことだけど、鈴木の純粋さに惹き付けられ、いつの間にか鈴木が少しでも自分らしく生きられればと思いながら読んでた。
だからラストは泣けた。。
でもそう思えるのは小説だから。
実際に自分の友達だったり、自分が被害者家族だったとしたら、、そうは思えないでしょう。。
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確かに犯罪者から被害者、被害者家族への償いとは?!
という問題は難しく、むしろ答えが出ないのではないか?と思われてならない
題材としては大変興味深い。
しかしながら、この作品は駄作だ!
一言でツマラナイ!こんなに重く大切な題材を扱っていながら、内容がチンケ過ぎる。
ここのところ、薬丸岳作品にハズレが続いており、悲しい
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神戸で起きた事件とは関係ないというが、やはりあの事件と結び付けて考えない訳にはいかない。どんなに更生したように見えてもその過去を知ったら普通に付き合って行くことは難しい。