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犯人像は初めから想像がつくのであまり衝撃がない、インパクトに欠ける湊作品ではあった。読みやすいです。女の妬みやら僻みやらが交差しながらも、目の中に入れても痛くない娘のこと、夫とのこと、さらに狭い村の中でのコミュニティという、凡ゆる厭な人間関係が錯誤する中、慈悲活動やら、過去の殺人、「おい小池」をモチーフにした指名手配犯がちらりちらりと顔を出し、ミステリーな雰囲気を醸し出してくれます。
子どものときの友情って本物って信じて疑わないその真っ直ぐさが怖い。守ってあげなきゃ、隠してあげなきゃ、その必死さが時に残忍だなと。
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もう、どひゃ~です!
「湊かなえ」であることを忘れて読んでいて、最後にやられてしまいました!
途中、ちょっとダルかったのも、逆にいい感じです!
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美しい海辺の町に暮らす三人の女性の物語。悪意や嫉妬といったダークな心理描写は絶妙なれどミステリーとしては期待外れ。最後の子供達のオチも途中で予想できてしまう。ミステリーとしての中途半端な読後感は残念。次作に期待。
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鼻先町という美しい海辺の町で、昔からそこで育った菜々子、夫の転勤で引っ越してきた光稀、理想を胸のに移住してきたすみれが出会い、事故で車いすの生活をしている菜々子の娘の久美香を中心に、「クララの翼」という募金活動を始めます。
初めは順調にいっているように思えた活動でしたが、地元民と移住組との温度差や、わずらわしいしがらみなど色々あって、だんだんひずみが生じていく様は、ジクジクと読者を嫌な気持ちにさせていきます。
それぞれに本音と建て前があって、守りたいものもあり、小さなほころびから悪意がどんどん入り込んでくるので、読む手が止まりませんでした。
そして、最後の最後でやられた…と。
なかなか楽しめました。
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湊かなえさんの作品は告白以来2冊目の読了。人との間に生じる妬みや建前などなど…隠された部分が不気味で怖い。過去の殺人事件も絡んできて…大人って怖いなあ!と思いきや…子供達にも秘密はあって…(ΦωΦ)ふふ2015.11.26読了
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ジメジメしてる。とにかくジメジメしてる…。
女の人って、こんなに面倒くさいの?
表と裏がこんなにあるの?
しんどい。
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作者らしい複数女性のパラレルストーリーを同時進行して、子供目線で束ね締めくくる。面白いけど、読むのがめんどくさくなる、二時間ドラマで見たほうが楽しいかも。
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2015/12/02-12/22
湊ワールド炸裂。親と子の心理を巧みに表現。善意と悪意は紙一重の世界を表現する。
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地元に住み続ける女と、夫の転勤でたまたま来てしまった女と、自然を求めてやってきた芸術家の女と。三人三様の町に対する思いと、日々の生活がある。
もしかするといつか「友情」と呼べるような関係になったかもしれない三人の出会いが、それぞれの「善意」でずれ始めていく。もしかするともっとあからさまな「悪意」をお互いに持っていられたら別の形になっていただろうけど、それがよかったのか悪かったのか、はわからない。
読んでいる間も、読み終わった後も、なんというか、もやもやとしたよくわからなさが付いてまわる。目には見えない、表には出てこない、もっと大きな「善意と言う名の悪意」でもって動かされてもよかったかも。イヤミスじゃないラストの、もしかするとあるかもしれないとてつもない裏を想像してしまう。
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湊かなえの新作は、「白ゆき姫殺人事件」以来久々
となる往年のかなえテイスト。
舞台は崩壊寸前の田舎町、登場人物はやってるかどうかすら怪しい
仏具店の嫁、夫の転勤で不本意ながら田舎暮らしを余儀なくされて
いる専業主婦、そして全く実績の無い自称芸術家の女性陶芸家。
この設定だけで、初期の湊マニアとしては心が躍りまくる。
そう、数年ぶりにドロドロした悪意全開の物語なのだから。
上記の3名はそれぞれが自分たちの生活にある種の不満を持ってい
る。本人たちにしてみれば大きな問題なのだろうけど、第三者から
見れば単純に身勝手であり、わがまま。全ての描写は、読者がその
様子を嘲笑しながら読めるようにコントロールされており、ざまぁ
とかバッカじゃねぇの?とか言う感情が読中で何度も沸き起こる。
僕が湊かなえの作品に惹かれたのは、そういう人間の嫌らしい部分
を掘り起こすような文章によるところが大きい。加えて今回の作品
のキーワードはどんな料理の仕方も可能な「善意」。
ここで湊かなえが真骨頂を発揮出来ないワケが無い。
心理サスペンスとしても極上。
ミステリー的に見ればオチはたやすく想像出来ると思うが、今回は
その組み合わせに妙がある。ラストまでかなり「人間の悪意」が
楽しめます。イヤミス好きは必読!
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「善意は悪意より恐ろしい」という帯のインパクトが強すぎた。
田舎町に暮らす3人の女性(地元で生まれ育った女性、夫の転勤によって暮らし始めた女性、ユートピアのような場所だと移住してきた芸術家の女性)とふたりの子供たちを軸に話が進んでいくのだけれど、はじめの方はむしろ安穏としているようにみえて読み進むのに少し時間がかかった。彼女たちの間に少しずつ温度差や亀裂が生じ始めてからは、いかにも湊かなえさんらしい、女性の負の感情がじわじわと描かれていく。
おそらく、わたしにはこれは善意とは思えなくて、もちろん悪意でもないのだけれど、小さな意地悪心や嫉妬心がちくちくと気持ち悪くて、帯にかかれているような感覚を抱けなかったのだと思う。
いわゆる「女性どうしの面倒な人間関係」でじわじわと窒息させられそうな感覚なのだけれど、自分自身は女性どうしの嫉妬や意地悪とほぼ無縁で生きてこられているので、小説の中(特に湊かなえさんの小説の中の女性たち)の心情がデフォルメされて描かれているのか、あるいは自分自身が人的環境にはるかに恵まれているのか(あるいは非常に鈍感なのか?)、とにかく読み終わって全く爽快でないところが湊かなえさんだよね、と思いつつも、人間こんなに悪いことばかりじゃないのにね、と今の自分の環境に感謝すらしてしまう、そんな感覚。あるある的に描かれているけれど、現実はそんなに悪いものではないのでは?と。小説としては怖いもの見たさで面白かったのですが。
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ドロドロとした人間の表層を描き出し、その浅薄な心理状態に訳もなく苛立つ。自己中心的、自己満足の表現意欲、我が子への没入的な偏愛、ユートピアとは程遠い、田舎特有の各家庭への興味本位での詮索と介入が入り乱れる鼻崎町。これはこれで偏った見方だと思うが。相変わらず女性のヒステリックな一面やアイロニカルな言動を描くのが巧いなー。白雪姫殺人事件の時も感じたけど、噂に翻弄される様子を書かせたらピカイチです。でも、やっぱり最後は安易。ストーリーの本筋は弱いが、枝葉の表現技法に驚かされた。
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相変わらずの女性独特な妬みと、表面上は仲良くても違う場所では悪口・陰口の本音と建前の世界。義母とすみれのしたたかな生き方、陰湿ネットいじめは小さな町の噂話と一緒。男性の存在感の無さと健吾は最後どこに行ったのか不明の後味の悪さは健在。ユートピアを求めている人は自分の不運を今いる場所のせいにして、ここではないどこかを探し続けている。何がかっこいい自分・生き方なのか逃げてきただけなのに都会から来たというだけの優越感の大人とそれを冷静に見ている大人びた子供が怖い。
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田舎に生まれた時から住んでいてそのことにあきらめている者。夫の転勤で移り住んだが、いつか東京に帰ることを夢見ている者。陶芸をするために住み始め、芸術を通して町おこしを図ろうとする者。車いす生活を送る子とその世話をすることに生きがいを見出す子ども。5人が始めた善意は希望をもたらすどころか皆の心の内を不安がらせ、美しい景色はどこか不気味な様相を漂わせる。帯に書いてある「善意は、悪意より恐ろしい。」この言葉は作品そのものである。
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田舎町で三人の女性の視点からの物語。ある日火事で車椅子生活になってしまった娘を利用して?「天使の翼」というストラップを売ることに。ドロドロドロドロドロした内容は、いつもの作者である。物語は、前の作品ほど面白くはなかった。