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友人に、ジャレド ダイアモンドのTV番組を教えてもらい、見ています。
本書を途中までは読んだけれど、TVを繰り返してみたので、それで十分な気がします。
2018年1月8日〜 NHK Eテレ http://www4.nhk.or.jp/diamond-hakushi/3/ 「ダイアモンド博士の“ヒトの秘密”」
ダイアモンド博士は、「銃・病原菌・鉄」でピュリッツァー賞を受賞した進化生物学者。
人間の進化によって現代社会を考察する博士の特別授業を12回にわたって放送する。
2018/01/05 予約 1/28 借りる。 2/1 読み始める。2/19 途中で返却
2018/02/20 再予約 3/20 再借り 読まずに返却
若い読者のための第三のチンパンジー: 人間という動物の進化と未来
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人間が言葉を話す能力とは、たくさんの構成要素と筋肉が正しく機能しているおかげなのである。類人猿のように、限られた子音と母音しか出せなければ、人間の語彙はまったく限られたものになってしまう。つまり、人間を最終的に人間たらしめた不明の要素とは、人類の声道に生じたなんらかの変化−−さらにきめ細かく音声をコントロールでき、もっと幅広い発生を可能にした変化だと考えられるのだ。筋肉や柔軟な組織に生じたきわめてささいな変化であるだけに、頭蓋骨の化石に現れることはなかった。(p.62)
ある種にとって、雄には最善の戦略であっても、同じようにそれが雌にとっても最善の戦略ではない場合がある。ヒトの場合にもこれが当てはまる。ヒトの男性にとって、子どもを作るためには最小限必要な努力は性交で、求められているのはわずかな時間とエネルギーの消費だけである。
一方、女性のほうは、性交に加えて九ヶ月の妊娠期間、そして人類の歴史の大半の時代におこなわれてきたように、数年間におよぶ授乳期間が最低でも必要とされている。時間とエネルギーの点では大きな投資だ。つまり、生涯にわたって子どもを作り出す能力という点では、潜在的に男性のほうが女性よりもはるかにまさっている。生涯のうちに何人の子どもを残したのかという記録では、男性ではモロッコの専制君主ムーレイ・イスマーイールの888名。女性が残した記録は69名である。19世紀のロシアに生まれた女性で、三つ子を繰り返し産み落とした。女性の場合、20人以上の子どもを出産する例はめったにないが、一夫多妻の社会では、そうした男性は少なくない。(p.84)
一斉崩壊という進化の理想の姿は、生理学者が長きにわたって探し求める単一の原因に比べると、ヒトの体に課された運命について、はるかにうまく説明しているように私には思える。歯がすり減ったり抜けたり、あるいは筋肉がすっかり衰え、聴覚や視覚、嗅覚や味覚などの五感も著しくだめになるなど、多くの人たちが年齢とともに老いを経験している。さらに、心臓が弱くなる、関節がきしむ、骨がもろくなる、腎臓がうまく機能しない、免疫システムの低下、記憶力が鈍るなど、これらはごく普通に見られる老化の症状だ。こうなるように準備を整えたのが進化であり、それにしたがって人体の全システムは衰えていくように仕組まれている。(P.121)
農業がもつ否定的な影響については、少なくとも3つの説明があげられるだろう。第一に、狩猟採集民はタンパク質とビタミン、ミネラルに富んだ多彩な食べ物を口にしていたが、農民はおもにデンプン質の作物ばかりを食べていた。今日でもなお、わずか三種の高デンプン質の植物、小麦、米、トウモロコシによって、ヒトという種が食べるカロリーの半分以上がまかなわれている。第二に、わずか一種か数種の作物に依存してしまうと、農民は栄養失調に陥るばかりか、肝心の作物が凶作に見舞われるととたんに餓死の危機に瀕する。(p.175)
ヒトは芸術以外にもコストがともなういろいろなディプレイを通じて高い地位を獲得しようと努めてきた。高い塔から飛び降りたり、毒性化学物質を使用したりするなど、こうしたディスプレイのいくつかは、唖然とするほど危険なことであるのだ。(p.194)
私たちが無線機を発明できたのはまったくの偶然で、しかも、人類を全滅させることのできる技術に先立って無線機を発明できたのは、発明そのものをうわまわる偶然だった。私たちの歴史をふりかえれば、どこか別の惑星で文明が生まれていたにせよ、その寿命は短いものだったのかもしれない。(p.207)
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ジャレド•ダイアモンドの本であることは間違いないのだけど、別の人『レベッカ•ステフォフさん)の編著なので、既刊本の総集編的な部分が結構ある。が、面白く読めた。モト本の「人間はどこまでチンパンジーか?」が未読だったからだろう。
以下の箇所が一番印象に残った。
P223
言語が少なければ世界中の人びとが意思を交わしやすくなるので、消滅はむしろいいことなのではないのかとも考えられる。そうかもしれないが、ほかの面ではまったく望ましくはないのだ。言語はそれぞれ構造や語彙が異なっている。感情や因果関係や個人的な責任をどう表現するかという点でも異なる。人間の思考をどう形づくるのかという点でも言語によって異なる。だから、この言語こそ最善だというひとつの言語は存在しない。そのかわり、目的が異なればもっとそれにふさわしい言語が存在している。言語が死に絶えてしまうとは、かつてその言語を話していた人たちが抱いていた独自の世界観を知る手段さえ失ってしまうことになるのだ。
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ジャレド・ダイアモンドの本は前から読みたかったが、この本が初めて。
「人間はどういう生き物なのか?」という問いに対して、科学的に深い考察がされていて、人間という種に対する理解が深まった。
タイトルだけ見ると「いかに人間とチンパンジーが似ているか」という意味にもとれるが、98%以上遺伝子を共有しているチンパンジーと人間の違いにもフォーカスされていて面白い。
文章は専門用語もあって読みづらい部分があり、興味が無い人が読むと結構辛いかもしれない...。
個人的にとても興味深く読み進めたが、僕も読むのに結構時間がかかった。
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植物は、自家受粉種の方が栽培化に時間がかからず、野生種と交配しにくいため選別した純系を保ちやすい。
アメリカ南西部のプエブロと呼ばれる多層階の住居は、アナサジの人々によって900年頃に建設が始まった。当時はマツやネズの森に囲まれ、建設資材や薪として使われた。伐採が進むと荒涼とした環境に変わり、表土の浸食によって用水路が削られ、灌漑ができなくなったため、12世紀に放棄された。
ヨルダンのペトラは、交易の中心として数百年にわたって栄えたが、かつて森林の中にあり、ヤギも飼育されていた。
最初に北米に進出したクローヴィス人の矢じりは、1万1000年前頃に小さく精巧につくられたフォルサムの矢じりに変わった。この矢じりはバイソンの骨とともに見つかるが、マンモスと同時に発掘されたことはないことから、その頃には大型の哺乳類が絶滅したと考えられる。