紙の本
未来の生殖活動を暗示しているよう。
2016/09/03 15:06
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投稿者:初日の出46 - この投稿者のレビュー一覧を見る
未来への参考になると思い、購入して読むことに決めた。今後の社会の移り変わりにより、生殖活動が科学的に老若男女を問わずに子供を出産出来るそうだ。現在の常識では考えられないことが可能になるという。救われる人も出ると思うが、怖い気もする。あまり将来変な事態にならないことを願うのみ。
電子書籍
これも良かった
2016/09/02 06:32
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投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る
これも「普通」の怖さを考えさせられますね。今の普通は未来の異常かもしれない。今少子化だし、この小説みたいな時代がくるんだろうか?なんとなく恐ろしいような、気楽なような。。。
紙の本
人が獣を捨てる日
2016/03/09 00:32
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投稿者:はみぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
食欲、性欲、睡眠欲
この3つが人を動物として縛り付ける鎖となっている。
進化の中で、人がただの動物から切り離されるためには、3大欲求と言われるそれから解放される必要がある。
そのうちの一つ性から解放された新しい理想の世界、歪な世界の描写が素晴らしく読後に考えることを無理やりにでも強要する素晴らしい本であった。
伊藤計劃のハーモニーが描く優しい世界の歪さに通じるディストピア小説の1冊として残る本であってほしい。
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さすが村田沙耶香、恐ろしすぎる。この手の作品を書かせたら右に出るものはもういないでしょ。や、この手の作品を書ける思考回路の持ち主はいないのではないかとも思うほど。
村田さんの著書“タダイマトビラ”では子どもを愛せない母の下「理想の家族」を求め、「カゾクヨナニー」に励みながらも家族を破壊した少女の話を描き、“殺人出産”では「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい世界を描いた。
そして、今作“消滅世界”では「セックス」も「家族」も世界から消える、そのパラレルワールドを見事に描ききっている。
以下出版社から抜粋。
世界大戦をきっかけに、人工授精が飛躍的に発達した、もう一つの日本(パラレルワールド)。人は皆、人工授精で子供を産むようになり、生殖と快楽が分離した世界では、夫婦間のセックスは〈近親相姦〉とタブー視され、恋や快楽の対象は、恋人やキャラになる。そんな世界で父と母の〈交尾〉で生まれた主人公・雨音。彼女は朔と結婚し、母親とは違う、セックスのない清潔で無菌な家族をつくったはずだった。だがあることをきっかけに、朔とともに、千葉にある実験都市・楽園(エデン)に移住する。そこでは男性も人工子宮によって妊娠ができる、〈家族〉によらない新たな繁殖システムが試みられていた。
わざわざ避妊器具を外しセックスで生まれたことが稀有で、また異常であるなかで、雨音はキャラとヒトと両刀で恋をして二度の結婚をする。どこにでもいる恋愛体質な女性に一見見れるのだが、雨音はヒトとの恋人とセックスもする。いわゆる「キャラ」とも「セックス」(いわば自慰)をする。セックスが消えつつある世界で、セックスをしたがる男女がほとんどいない世界の中で、恋に疲れ夫とエデンへと駆け落ちをし、夫は初の人工子宮によっての出産を成功させたひとりとして成果をあげたなかで、あふれかえるたくさんの「子どもちゃん」「おかあさん」。消滅しつつある世界の中で、異常なのか正常であるのかわからないくなるエデンのなかで雨音のとった最後の「子どもちゃん」との繋がりは悍ましすぎて、震えた。
性欲があるすべてのひとに読んでもらいたい。性欲なんて不要だって思っている人にも。
性の対象が2次元でも、セックスをしたことがあるひと、あこがれている人、セックスが嫌いな人、すべてに、この作品はいろんな形でぴたりとあてはまるでしょう。
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進化、なのか、退化、なのか
夫婦=家族
夫婦間のセックス=家族間のセックス=近親相姦
だから夫婦のセックスなんてありえない
子作りは人工受精で、セックスなんて昔の人がやっていたこと…
なんて!!!
セックスがかかわるから傷つくわけで、セックスそのものをしない、嫌悪する時代が来たら、それはそれで幸せなのかなぁ
さすがクレイジー
201501
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読み進める度に衝撃の連続でした。
この作品に描かれた世界は一見、人間味が消滅した様な世界ですが、不思議と愛に溢れている。
愛情や絆の在り方を改めて考えさせられます。
そう遠くない将来に、こんな世界が現実のものとなっていそうな現代が恐ろしくなりました。
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社会学では、恋愛を基礎とする結婚こそ唯一の正統な男女関係だとする「性と恋愛と結婚の三位一体規範」を「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」と名付け、「近代」に特徴的な考え方として、特にフェミニズムの見地から批判的に分節化してきた。
この小説は、「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」が完全に解体された近未来を描くSFである。その社会を可能にする科学技術は、「人工授精」であり、「人工子宮」だ。
人工授精の技術が飛躍的に進化すると、性と生殖は分断される。子どもが欲しくなったらパートナーを見つけ、人工授精によって妊娠・出産する。セックスなしで子どもを作れるのなら、生殖や家族に(その原動力となる)恋愛は不要だ。人間は繁殖のために恋をする必要がなくなり、性欲さえ適切に処理できれば肉体接触を必要としなくなる。そうして、恋もセックスもこの世から次第になくなっていく…。
さらに人工子宮が開発されれば、男性でも妊娠・出産できるようになる。最早、子どもを産み育てるために男女のカップルを組む必要さえなくなるのだ。子育ては家族制度から解き放たれ、徹底的に社会化される。
そのような近未来への移行過程で、かつての常識が次第に少数意見になっていく変遷を描く。新しい技術への抵抗感は徐々に和らぎ、常識が変わる。現在わたしたちが「あたりまえ」あるいは「自然の摂理」だと思っていることも、実は時限的で、だから可変的なのだ。近未来社会への違和感をテコに現在の思い込みを打ち砕こうとする、きわめて戦闘的な小説である。
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ゾッとする、怖い世界。
でも、こうなったらいいなぁって思うところもある。
この話を消化するのはなかなか難しい。
改めてじっくり考えたい。
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2016/1/24
叫びだしたくなる。
正常とはなんなのか、わたしの本能って、感情って、この世界に制御されたものなのかしら。
恋愛も性欲も家族も無くなり、人は人工授精で繁栄する「便利」になった世界のお話。
なんで恋愛をするの?
家族ってなんなの?
前半の世界は、それでもいいのかな、そんな世界のほうが上手くいくのかなと思った。
後半までいくとなにが正しいのかわからなくなる。
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あり得ないんだけど、人と人との繋がりが希薄な日本で、どこか分かってしまいそうな、いつかはそうなるかも…と思わせそうな世界。
テーマにしては重く感じさせずに、トントン読み進められたけど、最後の展開はなんだかもう飛躍しすぎで、一気にチープな印象に。
どんどん正常とは離れ、また新しくなったヒトの在り方を描きたかったんだろうけど、こっからまたその新展開って必要!?と突っ込みたくなってしまった。
なかなか興味深かったのに、後半はもはや詰め込みすぎてカオスというか…もっと違った落としどころはなかったのかな…。少しもったいない印象。
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まだ若いのにこんな小説を書いてしまう村田さんのことが心配になって、googleで調べてみました。
確実に社会に適応できていないに違いないと。さぞやクレイジーでアナーキーな人に違いないと。
そしたら全然普通の人(むしろ物静かな印象の方)でした。
twitterも良識と謙虚さと相手へのリスペクトが滲み出ていて、この人がこんな狂気じみた小説を書いているなんて、今でも信じられません。
小説の中で使われているコトバ自体はこの現実の中にもあるコトバであって、
それが少しずつ「ずれた」使われ方をしているだけに過ぎない。
だから現実的な感覚として、言葉の手触りとして、こんなにキモチワルイのだろう。
これがまったく聞いたこともない名前だったり存在しない概念であったりしたら、それはSFでしかなくて、「そんな世界もあるのか」という感想にしかならないのだろう。
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こんな世界にだけは住みたくない。心と体は一体のはずで、理性だけでは生きられないし、感情だけでも上手くいかない。そこにバランスの必要性があるし、これがその人の個性なのだと思う。この世界は個性が失われているのだろう。その意味では確かに消滅世界なのだろう。評価を低くしたのは文章が冗長だったのとロマンを見出せなかったから。
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読んでいる間ずっと薄気味悪さとたまに気持ち悪さを感じた。
セックスして子供を生むというのが、なくなってきた世界の話。セックスして生まれた子供というのが、奇妙に思われる世界。
私の読解力のなさか、主人公の考えの移り変わりや他の登場人物の考え等よくわからなくなることが何度かあった。そういう意味では、ちょっと難しいかもしれない。
将来、このような世界になることがあるかもしれないと感じた。
終止感じたのは、今目の前にある常識と思っていることは、この先ずっと常識かどうかわからないということを考えさせられるなということ。
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何人もの著名人が、読みたい、オススメと言っていたので読んだ。この著者は性についてのテーマが多いようだが、今回のはちょっと現実とかけ離れたSF作品といった内容だった。ラストも予想を裏切る終わり方で、後味は正直良くない。狂気を感じた。
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妊娠は人工授精、夫婦間はさることながらセックスするなんて不衛生は昔の人達のこと。なんて世の中になっていく、ある意味ホラー。草食系やら絶食系やら最早その世界に近づいてるかもね。コミュニケーションが失われていく警鐘として、気持ち悪い世界観を味わおう。