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日本史の復習的だけど面白い
2016/03/15 13:53
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投稿者:Kenny - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本史の復習かよー、なんて思ったけど、いやいやこれは面白い。
いやー、そうだったのかー、知らなかったわー。
水戸黄門のへへーとひれ伏すやつはそういうことだったんですかー。
なぜ太平洋戦争を始めてしまったかもなるほどねーな感じだし、戦後何がどうなってこうなってしまったかも、そうだったのかーな感じ。
ま、アメリカの属国なのは仕方ないよね。戦争に負けたんだから。
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著者が外国人の為、日本を本当の意味で客観的に分析している点が際立っていた。当の日本人には当たり前すぎて気がつかない事が多数。並みの日本人よりも日本に対する造詣が深さも十分あり発見が多かった。
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<目次>
第1部 呪縛の根源を探る
第1章 江戸時代以前の日本
第2章 日本近代国家の育成
第3章 明治維新から占領期まで
第4章 奇跡の時代
第5章 高度経済成長を支えた諸制度
第6章 成長の成果と弊害
<内容>
筑波大教授のアメリカ人が現代の日本(外国人から見ると世界のどこにも類似しない近代化を成功させた国らしい)を分析した本。この上巻ではその分析のベースとして近現代の日本の歴史を解きほぐしている。
日本人が書く歴史は、微に入り細に入りえぐっていく感じだが、外国人が描くと今までスポットがあてられなかった事柄や全く違う視点から指摘されるので、「へぇ」と感心することが多い。現代の政治家に対してはかなりシニカルな筆致で描かれているが、池田勇人や吉田茂は比較的高評価な気がする(石橋湛山も)。同時期に半藤一利さんの『昭和史(戦後編)』も併読していたので、その比較もできた。あとは前近代の記述が、現代史的な人物との比較が多くされているのも面白かった。原文は英語なので、翻訳された文に慣れるまで(長い注釈が文の中に続くなど)読書スピードが上がらなかったり、すんなりと頭に入ってこなかったりしたが、頑張れば慣れるし、とにかく違う視点を経験できたのはよかった。
逗子市立図書館
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日本の歴史書にみられない記述が魅力的
日本による朝鮮や中国への侵略を正当化しようとする人達は、他の欧米諸国も似たようなことをやっていたと主張する。本書は具体的だ。日本は詐欺に近い手口で大韓帝国皇帝を退位させたが、これは米国がハワイの女王を陥れて王政を廃止させた手口に比べ卑劣でなかったという。
時代を象徴する女性として松田聖子を持ち出すなど、新鮮な切り口の記述が随所にあり面白い。
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面白い。まず、海外の視点で日本を見た書籍はどれも視点が新鮮で面白いが本書は日本への造詣が深く、かつ強烈に日本を愛しているために導入部分ではこちらが恥ずかしくなるほど熱烈な賞賛に埋められている。また基本的な歴史の流れを簡潔かつ権力の視点を中心として解説するために、一般的な日本人ですら新しく学べる部分が多い。
近代に入ってからの展開は下巻を読んでからレビューしたい。
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上巻は日本の歴史を概観。日本人にとって、外国人が書いた日本史の意味は、日本の出来事の世界的な評価や、日本的行動を外から観察することにあるのだろう。
ドイツ帝国下の経済学者フリードリッヒ・リストは、保護関税を導入し、国内産業を育成するための補助金を交付する国家的経済計画を進めたアメリカを高く評価し、自著でドイツも同じような政策を採用すべきであると主張した。同書は日本語に翻訳され、明治のエリート層の間で広く読まれた。
明治政府が導入した義務教育は、農民に武士階級の美徳を混入させた。
20世紀まで生き残った明治の指導者たちが元老となって、枢密院などの機関で責任を問われることなく拒否権を行使するようになると、政治的無責任体制が生まれ、アジアの地上戦とアメリカへの開戦という行動に導いた。
満州は、官僚の管理下で計画経済の実地体験を積む試験場として利用された。日産、日立グループなどの新興財閥から派生した大企業は、満州にて官僚主導で成長した。